南神原公園

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現地踏査日:2012/9/7
記事公開日:2012/11/13
神原交差点に接している神原公園ほど知名度は高くないが、神原の名を冠するもう一つの公園がある。[1]ただしそれは神原町ではなく琴芝町2丁目に存在する。

地図で公園入口の一つをポイントしている。


神原公園が国道と県道に挟まれた目立つポイントにあるのに対し、このスポットは地図では公園を示す薄緑色で塗られていながら知名度は低い。国道からは僅かながら見えるものの正規の入口は国道側にはない。公園のメインとなる入口は、国道の一本西側の市道にある。

その公園は、市道柳町線がJR宇部線の公園通踏切を渡る場所に隣接して存在する。
朝夕以外はそれほど車の通らない道だ。


公園入口の間口はかなり広い。しかし困惑することに入口は全面が階段になっていて自転車は乗り入れられない。


右側に案内柱があり、名称は「南神原モデル児童公園」となっている。
昭和49年度に造られた公園で、設置された遊具は宝くじの益金で作られたという。


恐らく遊具関連だけを益金で購入・設置し、土地の所有や管理は市の公園緑地課にあるのだろう。モデル公園という名称もそのような形態を示すものだろうか。[2]

市街部にアジトを構える私にとってこの近辺は殆ど庭先のようなものだ。こんな近場は車では駐車場所に困るだけで、移動手段は専らお馴染みの「自転車」である。この日も市役所の用事を終えて帰り際にここを通り、題材目的で写真を撮ろうと思った。
さて、そんな自転車乗りの私がこの公園に入ろうと思えば手段は二つ…自転車を路傍に停め置いて撮影に歩くか、どうにかして持ち込むか…だ。しかし入口が階段ということは、元から乗り入れ禁止を意図しているのかも知れない。

似たような状況が市道栄町線沿いにある松月堀児童公園でも見かけた。歩道に段差がついていて乗り入れられなかったのである。
松月堀児童公園の場合は横の枝道から乗り入れることができた。南神原公園でもそうなっているのかも知れない。そこで乗り入れられそうな他の場所を探してみた。

公園と宇部線の間はブロック塀で仕切られており通れる道はまったくない。しかし公園入口の左側に車が入らない細い道を見つけた。


何だか人様の庭に乗り込んでしまいそうな様相だったが、取りあえず乗り入れてみた。

公園との間には建築ブロックが連なっている。
途中、人が通れる程度に間を空けた部分があったが、地面からブロック一個分の段差がついている。当初から歩いて公園を訪れる人の出入りだけを考えて造られたらしい。


何だか公園ネタながらいつまでも公園内の写真を披露できず恐縮しているのだが…
更に奥へ進むと、車一台分程度のブロックの切れ目があった。しかしフェンスで塞がれているようだ。


後から置いたのだろうか…乗り入れを防ぐフェンスが設置されていて駐停車禁止の札が出ていた。園内にもこちら側を向けて同様の禁止看板を提示する念の入れ用だ。


振り返っての撮影はしなかったが、背面は住宅地のような道で別の市道につながっていた。
ここまでの乗り入れ口は地元管理の道だ。清掃車の乗り入れ用だろうか…

一番奥は保育園の敷地で、簡素なフェンスが見えている。
その手前でブロックが切れている。


建築ブロックの通りに太い木が立っている。
さすがに木を切ってまでブロック積みは設置しなかったようだ。


結論的に言って自転車で乗り入れられる場所はここだけだった。アスファルトの道と公園は大した段差はないので乗ったまま進攻できる。乗り入れ禁止の立て札はなかった。
元から児童公園を謳っていれば、園内を子どもが遊び回っていることだろう。そういう場所へ自転車に乗ったまま走り込むのは事故の元だ。そういう意図も兼ねて、禁止こそしないが自転車で直接乗り入れづらく設計したようにも思われる。

私が現地を訪れたのは平日の午後で、園内には誰も居なかった。まあ、そうでなければ自転車で乗り入れるどころか写真撮影自体を自重しているところだろうが…
悪ガキ擬きで園内自転車を乗り回しストレス発散に来たわけではないので、適当な場所に停め置いて撮影を開始した。
なるべく目の届く範囲に自転車を停めておきたい…盗難は防ぎたいが施錠するのが面倒なのだ

進攻してきた道の突き当たりが保育園になっていたが、このフェンスがちょっと面白いことになっていた。
2本の並木を保育園と分け合っている。


同じような太さの木が並んで立っており、その間に保育園の敷地を示すフェンスが設置されている。

公園と保育園は元々完全に同一の敷地内だったらしい。フェンスは明らかに後付けで、真砂土の地面はまったくのツラ(同一平面上にあること)である。
保育園児が遊び回っている状況なので接近してカメラを構えられなかった


どういう経緯でこの境界が設置されたのか分からない。
保育園も公園と同様市の管理なので融通が利いたのだろうか。

そう言えばこの公園は異様に太く背の高い木々が目立つ。それも新しい公園にありがちな適当に若い木を移植して済ませた…という具合ではない。ずっとずっと以前からここに根を下ろしていた木々のようだ。


この木などとりわけ太く年季が入っている。自転車と比べても幹回りの太さが分かるだろう。


この公園に関する昔のことは分からない。しかし恐らく公園と木々の順序が普通と違うように思う。即ち公園を造って木々を植えたのではなく、昔から杜だった場所を公園に仕立てた風に見える。太い木の本数が多いし、その配置もあまり整っていない。
園内に太い木が多いので、公園と言っても例えば野球をするのには向いていない。ヒット性の打球は高い確率でどれかの幹に当たってランダムに跳ね返り、ボールを探すのに苦労させられるだろう…^^;

どの木も高い位置で枝を伸ばし多くの葉をぶら下げている。そのため影となる部分が多く、公園の外から観ると暗い雰囲気に思えるかも知れない。このことは裏返せば真夏の熱い盛りには格好な日陰を提供してくれる場所と言える。
太く高い木は低い位置に枝を伸ばさない。人が歩く高さまで幹だけスッと伸ばし上空に沢山の葉で日陰を造ってくれるため、その下を散歩したり寄り添って休む人々には格好の場所になるだろう。
昔国語の教科書に登場した大勢の人々が宿る大きな木を想起させる…

子どもたちが楽しむための遊具も結構変わったのが揃っている。
これは半円形のシンプルなコンクリート斜面で下が砂場になっている。滑り台のように滑ったり駆け上がったりするのだろう。


しかし…
裏側の落書きはいただけない。これは薄い灰色のペンキなど目立たない色で隠してはどうだろうか。
放置されたマーキングは新たな落書きを呼び込むことが知られている


定番のジャングルジムや鉄筋のトンネルに加えて、どうやって遊ぶのかよく分からない遊具もあった。


UFOを象ったような背の高い遊具とチューリップ型滑り台。
なかなか趣向が変わっている。


遊具が原色系の色彩にペイントされているのに戸惑った方があるかも知れない。
園内の木々を愛でる人には低い評価をもたらすだろうが、緑色が大勢を占める園内の状況なので淡い色でペイントすると遊具が目立たないだろう。

また、遊び方によっては怪我をしかねない遊具も結構あったが、注意して遊びましょう云々…等の過保護な注意書きなどはいっさいなかった。
そんなものは要らない。子どもが気付かず大怪我をする要素は取り除くべきだろうが、あまりにも大人が先回りして危険を取り除き過ぎると、外で遊ぶ子どもたちは危険を学習できない。最初の頃は大人が寄り添ってやればいいし、致命的でない危険や怪我は沢山経験した方が注意力の培われた大人になる筈だ。

ちなみにトイレは市道に面した公園入口の脇にあった。
中に入らなかったのでどういう構造のトイレかは分からない


私が訪れたとき、園内の清掃が一通り終わった直後だったらしい。枯れ枝は一箇所にまとめられ、落ち葉はビニル袋に詰めて搬出のときを待っていた。
気持ちの良い公園だ。


自転車で市役所に行く途中、市道柳町線を通るときこの公園を横目で見ていた。鬱蒼と木々が生い茂って薄暗く何だかちょっと入りづらい公園だなーという印象だった。
しかし平日の午後などここを通ると、子どもたちが遊んでいるのをしばしば見かける。外観の暗さなどまったく頓着していない様子だった。私としても当初持っていたイメージを修正し、杜の中に造られた児童公園として高く評価したい。

一つ、気になるものがあった。
これは何だろう?


冬場はともかく、確かに夏場は厳しい日射を凌げる格好の公園だ。しかしそういう理由でここに長期滞在する人があるのだろうか…
立て札があるということは、過去にそういう事例があったと推測される。実際のところどうかは不明である。

なお、実際に自転車で訪れた状況報告からも分かる通り、付近には車を停め置ける場所がない。近くにある福祉会館に訪れたときなど、その足でフラッと歩いて憩いに行くのが良いだろう。
出典および編集追記:

* 書き忘れていたことがあったので追記。

何の脈絡もなくいきなりこの公園を記事化したのは、単に公園レポートを作成するという意図だけではなく、別のある物件を踏査するとき必然的に園内を通ることになるからだった。
その物件は少なくとも2つあり、残念ながら本命となる一つの物件には接近に失敗した。
画像採取できた暁には続編を作成するかも知れない。

1. 本来なら神原公園を先に紹介すべきだが、この記事を作成している現在は神原交差点の改良工事中で、神原公園は現場ハウスが置かれており写真にならないので見送っている。ハウス撤収後に撮影する予定である。

2. 市公園緑地課の管理する近隣公園という位置づけになっている。それ故に公園の標識板の通りではなく市の公称する名称を記事タイトルとしている。「宇部市の都市公園一覧」 宇部市ホームページ

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