市道栄町線

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記事作成日:2017/8/19
最終編集日:2018/1/9
市道栄町(さかえまち)線は、国道190号常盤通り宇部市役所前交差点より北へ進み、JR宇部線を横切って慶進校前の合同庁舎T字路に至る認定市道である。
写真は路線後半部の風景。


ルートラボを示す。極めて分かりやすい経路である。


後述するように、現在の経路となったのは昭和20年代後半以降と思われる。また、現状は最終完成形ではなく将来的には産業道路の合同庁舎前T字路から浜バイパスまで延伸されることとなっている。[a1]
出典および編集追記:

a1. 都市計画道路琴芝宇部港線として策定されている。計画路線はうべ情報マップの都市計画道路から閲覧することができる。
《 歴史 》
常盤通りと産業道路を連絡する主要な道の一つとして造られたものと思われる。特に緑橋通りに至るまでの区間の建設に必要な資金は渡邊祐策が出資し昭和8年5月に完成させている。[b1]最初期は栄町通りと呼ばれていたようで、現在の踏切位置にもその名を伝えている。ただし現在ではこの呼称は一般には用いられていない。

現在こそ慶進高校横でT字路となっているが、ここまで延伸されたのは早くとも昭和20年代半ば以降である。即ち初期の栄町通りは現在の合同庁舎前バス停付近でY字型に分岐して産業道路に接続されていたことが判明している。[b2]この道路線形より、最初期はY字型分岐の先端部分は北から張り出す尾根だったと考えられている。
この左側の分岐の線形は、隣接していた宇部紡績工場の敷地の外側に概ね沿っている。右側の分岐は慶進校の校舎建設などにより殆ど失われているが、一部が民家の間を通る路地として遺っている。石炭採掘後の耕地整理で塩田川の線形を確定させた後に現在の道路線形を造ったようである。

本路線の道路線形は真締川(新川)系ではなく参宮通り系であり、起点の常盤通りの線形に対して直角に近い角度となるよう造られている。常盤通りに準ずる規格としての道造りを行ったようである。終点の産業道路接続部は同等のコンクリート舗装であることから、この区間の最終施工は産業道路の舗設時に一致している。
出典および編集追記:

b1.「炭山の王国」p.230

b2. 昭和12年製作の宇部市街図には産業道路の接続部分が完全な道路として記述されておらずY字に分かれた破線として描かれている。また、昭和22年撮影の航空映像でも産業道路に繋がっていない様子が確認される。「宇部東部(M114)1947/03/12(昭和22年)米軍撮影の航空映像」も参照。
画面左下の高解像度表示ボタンを押すと詳細画像が閲覧できる
《 現在の状況 》
道路規格は中央分離帯で仕切られない4車線で、両側に自歩道が整備されている。この規格は常盤通りを挟んで海側へ向かう県道宇部港線と同等である。

国道190号の市役所前交差点から最初のブロックは市役所庁舎に接する。
自歩道の街路樹は起点側に常盤通りと同じプラタナス(スズカケノキ)が植わっている。


最初の十字路で市道常盤通り小路3号線を横切る。ここは市役所横の駐車場や井筒屋方面からの往来が極めて多い割に信号機は設置されていない。後述するようにこの十字路の西側は市役所新庁舎建設により廃道化が決定しているため、今後も信号機が付く予定はない。

現在、ゲート付きの駐車場となっている区間で本路線は内陸部へ向かってかなりの下り勾配となっている。これは緑ヶ浜の砂州を北側へ直角に下るという地勢的理由による。
派生記事: 内陸部に向かう道が下り勾配になっている理由
坂を下って最初に出会う十字路は市道緑橋芝中線で、この道は近傍を東西に連絡する最初期の道である。続いて市道宇部新川恩田線を横切る。この路線は寿橋通りとも呼ばれ、緑橋通りよりも後に造られた。両路線とも信号機による交通整理が行われているが、双方向共に右折レーンがないために右折車が一台でもあれば流れが悪くなっている。

概ねフラットなまま市道塩田川線、塩田川、JR宇部線を横切る。塩田川線は終日東向きへの一方通行となっているため交通量が少なく本路線へ与える交通の影響は殆どない。宇部線は栄町通踏切で平面交差している。この踏切名は栄町通りの表示がみられる最後のものである。

踏切より北側は道路規格はそのままでコンクリート舗装路となる。この区間は終点まで目立った十字路はない。特に東側にはいくつかの路地が接続されるも西側には公道が存在しない。これは道路建設以前から西側の広い区画を宇部紡績工場が占めていたことに依る。
コンクリート舗装の施工時期は産業道路とほぼ同時期と思われる。東西の道との交差点付近は自歩道の取り付け部などを含めて少しずつ改修されている。自歩道部の舗装はアスファルトが主体で、終点付近は一部がインターロッキングとなっている。
【 路線の別称 】
市街部では南北に伸びる主要な通りには個別名称が与えられることが多い。しかし本路線については現在のところ特段の別称は与えられていない。歴史的には栄町通りとも呼ばれていたようだが現在は使われていない。その後、市街部の主要な通りに愛称を与える動きがありパブリックロードという別称が付けられた時期があったらしく、現在でも本路線の区間内にプレートが残っている。
派生記事: パブリックロード
しかしこの呼称も現在はまったく用いられていない。

宇部市役所の新庁舎が本路線の西側へ隣接して建てられることが確定しており、立体駐車場の出入口も本路線に限定される。市では本路線より西側を官庁エリアとしてマップに記載しており、新庁舎建設にあたって本路線を再整備した折にはあるいはパブリックロードのような愛称が復活する可能性はある。
《 Googleストリートビュー 》

《 近年の変化 》
項目が多くなってきたので、変化が起きた年ごとに再分類した。
【 2016年 】
・本路線終点の先にある慶進校の木造校舎および鉄筋コンクリート校舎が取り壊され、木造校舎部分は改築されず鉄筋コンクリート校舎のみが同じ場所に改築された。竣工は2017年上四半期である。この結果、本路線の線形延長に鉄筋コンクリート校舎の外側線が接する位置となった。


これは将来的な都市計画道路の線形に準拠して位置を決めたものと思われる。

・本路線に隣接する宇部市役所のゲートがある駐車場(元宇部警察署敷地)に市役所新庁舎(1期)を造ることが確定している。1期庁舎に隣接して立体駐車場(230台収容可能)が計画され、市役所関連の駐車場はすべてそこに集約される。
写真は市役所新庁舎の模型


立体駐車場の出入口は一箇所で本路線に接続されるので、来庁者の車の出入りをスムーズに行えるように専用右折レーンなどの設置が予想される。また、本路線全体が都市機能エリアに指定されているため、新庁舎建設工事の折りには本路線の後半部にある老朽化したコンクリート舗装も(自動車の走行安定性および外観から)打ち換えられる可能性が強い。
【 2017年 】
・時期は不明だが春先から夏頃にかけて緑橋通りと寿橋通りに設置された信号機の動作仕様が変わった。従来は本路線に対して両者は完全に連動していたが、緑橋通りの信号が僅かに遅れる形で青に変わるよう変更されている。緑橋通りの交通量が寿橋通りより格段に少ないため、青のサイクルタイムを削ったのかも知れない。

・9月より県合同庁舎と市立図書館に隣接していた防長商事の敷地にオービジョン宇部医大前の建設が始まった。同敷地にはレンガ積み倉庫があり、2016年11月に取り壊しが行われていた。

・10月付をもって本路線にあった市役所東口バス停と総合庁舎・市立図書館バス停が廃止された。


この2つのバス停は廃止後概ね1ヶ月以内に撤去された。総合庁舎・市立図書館バス停は産業道路の琴芝郵便局付近へ図書館・県総合庁舎バス停として新規設置されている。

・10月下旬〜12月上旬にかけて合同庁舎T字路西側のコーナーに雨水渠が設置された。これに伴い歩道部分のインターロッキングが剥がされ桝設置後はアスファルトで復旧された。


神原交差点から西へ進んでいる雨水排水改善の一環と思われる。
地域SNS時代に公開していた本路線の時系列レポート。単巻。
過去の記事を移植公開しているため沿線の風景など一部現行と異なる部分がある。(2012/8/22)
時系列記事: 市道栄町線【1】

本路線の沿線にみられる項目の相載せ記事。
派生記事: 市道栄町線・横話
《 個人的関わり 》
市役所への往還時に車と自転車で頻繁に通る経路である。ただし自転車の場合は帰りに立ち寄る先の事情から真締川沿いの道を通ることが多い。
《 地名としての栄町について 》
栄(さかえ)町という町名はかつて市内に複数存在していた。
写真は本路線の鉄道平面交差部にある栄町通踏切。


この名称は通りに対するものであり、栄町は中津瀬神社より南側、現在の東海岸通りの北側に位置していた町名である。北に幸町、南に本町が隣接していた。
戦後の都市計画で道路や区画が刷新されたため、当時の栄町が正確にどの領域であったかを現地から知る手段はない。道路沿いに設置された配電線柱には栄町を明示したものが散見される。

もう一つは床波にあった栄町で、こちらも現在は床波2丁目となっている。ただし自治会の通称名としては西岐波18区に栄町自治会として現行である。いずれの栄町も地域の繁栄を願ってつけられた文化地名と言えるだろう。

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