常盤公園・旧ジェットコースター軌道基礎跡【1】

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現地踏査日:2009/8/23
記事公開日:2012/1/17
真夏の暑い日の午後、特に成果を求めず散歩がてら常盤公園方面に自転車を走らせ、通り雨をやり過ごそうとたまたま選んだ木の近くで本土手から流れ出る用水路を見つけた。
初めて目にした用水路の先が何処に伸びているか確かめようと辿っていて、何やら意味ありげな基礎の跡を見つけた。


一つ目はこれである。
長方形のコンクリートの土台があり、その上にやや捻れてサイコロ状のコンクリート塊が乗っかっていた。
コンクリートには鉄骨が埋め込まれていたものの、用済みになって切断されたらしい。


私が最初、これを見つけたときの印象は、何でこんなところに…というものだった。
一部は用水路の壁部分にかかっているし、水路沿いに伸びている通路のど真ん中だ。何でこんな邪魔になる場所に造ったものだろう…と思った。

この場所は概ね以下の地図の中心点でポイントした付近になる。


それから少し進んだところに、
別パターンの二つ目が。
こちらも鉄骨部分が先のと同じで、根本に近い場所で切断されている点も共通していた。
ただ、今度は用水路の上へコンクリート柱が無造作に置かれており、その上に基礎らしきものが見えている。


二度も似たような基礎を目にしてさすがに何か変だと思い、近寄って写してみた。
周囲が暗いのでどうしても鮮明な画像にならない。コンクリート基礎にボルト留めされていたものを、鉄骨部分から溶断しているようだ。元はこの上部があったに違いない。


更に水路を下流まで辿ったが、この他には似たような基礎は見つからなかった。

最初これを写したとき、その正体が何であるか見当が付かなかった。それで写真もつい雑に撮影しただけだった。
しかし今になって写真を見返すに、これは
初代ジェットコースター軌道の橋脚基礎跡である。
…と断定したい。

記憶が曖昧だが、アジトに帰ってから思い出した。
常盤公園に造られた最初のジェットコースターの軌道は、夫婦池の方まで伸びていた記憶があるのだ。

スリルを求めるどころか元から恐がりな子どもで、私はジェットコースターに乗りたいなどと決して自分から言い出さなかった。しかし一度だけ従兄弟と一緒に乗った(あるいは「乗せられた」のかも…)のを思い出す。
詳細なコースは覚えていないが、5〜6台連結されたコースターは軌道下に固定された歯車か牽引式のワイヤーで最高地点まで運び上げられた。もの凄い急勾配で真っ直ぐ最高地点まで登っていくコースターに乗って、子どもながら処刑台に向かうような気分だった。

夫婦池に向かうのは、コースのどの辺りだったろうか…とにかく遊園から市道の上を跨いで夫婦池もちろん当時は池の名前を知らなかった目がけてもの凄い急降下で突っ込み、急カーブで再び急上昇するようなコースだった。本当に池へ飛び込んでしまうのでは…と思える程に怖かった記憶がある。
このあたりの話は実際に乗った体験談を語れる方が随分いらっしゃるに違いない

常盤公園の正面玄関へ車で行くには、今でも国道190号の常盤公園前交差点を曲がって市道を200mくらい走る。昔はその道を通るときジェットコースターの軌道の下を2回くぐった記憶がある。お別れ遠足のときもそうだった。跨道橋の形でコースターの軌道が市道の上を横断していた筈だ。その跨道橋の側面には、市道を走る車からも見えるように「ようこそ常盤公園へ」などの文字が掲げられていたような気もする。

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その5日後、たまたま常盤公園方面に来る便があったので再度同じ場所を訪れて基礎跡の写真を撮影した。
前回撮影した写真が露出不足で暗かったので


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さて、本土手の水路などの記事を書いている過程で次のような考えに至った。
あれがジェットコースターの基礎跡なら
他にもまだ何ヶ所か遺っているのでは…
支える相手はその上をもの凄いスピードで上下左右と複雑に高速走行するジェットコースターである。普通の跨道橋の橋脚よりも頑丈に出来ている筈だ。実際、道路を跨ぐ部分は箱形の橋のようになっていて橋脚のスパンが市道の幅ほどあったが、それ以外の場所はかなり橋脚の間が短かったという記憶がある。
現地で見つかったのは離れた位置にある2ヶ所だった。全部のコンクリート基礎が完全に撤去もされず放置されているなら、他の場所にもある筈だ…

この仮定に基づき、最近追加踏査を行って新たな発見があったので続編を追記しようと思う。

(「 常盤公園・旧ジェットコースター軌道基礎跡【2】」に続く)

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