蛇瀬池・陸繋島

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記事公開日:2012/12/24
最終編集日:2013/1/11
小羽山地区にある蛇瀬池には水位が低下すると中央付近に露岩の目立つ島が現れることが知られている。
下の航空映像は、蛇瀬池の中央にある島の最高地点を中心に設定している。
マーカーを設置すると動かせず見えづらいので非表示にしている


地図が改訂されていない限り、上記の航空映像でも中心点に浅瀬のようなものが写っている筈だ。
それは蛇瀬池の中央に見えるので、一見独立した島のように見える。実際にはこの浅瀬は北小羽山側の原生林がある半島の一部となっている。

この状況は昭和49年度の航空映像を眺めることで判明する。同時期に小羽山ニュータウンの造成工事が行われ、蛇瀬橋を架けるためか池の水位が極端に下がっているため汀や底部の地形がよく分かる。
「国土画像情報閲覧システム - 小羽山地区(昭和49年度)の航空映像」
http://w3land.mlit.go.jp/cgi-bin/WebGIS2/WC_AirPhoto.cgi?IT=p&DT=n&PFN=CCG-74-12&PCN=C20&IDX=14
別ウィンドウで開いたページ右上にある400dpiのリンクをクリックすると高解像度の画像が表示される
小羽山ニュータウン以前は夏場に子どもが泳いでいたようで、中央付近に僅かながら現れるこの島まで泳ぐのが当時の小さな子どもたちの目標であったという。[1]

原生林の半島部分は現在の北小羽山市営住宅の7号棟裏手あたりに位置する。しかし市営住宅を整備するにあたって高い護岸が築かれているため、水位が低いときでも直接降りることはできない。

大雨が続いて蛇瀬池の水位が最高位付近になれば、この浅瀬は全体が完全に水没する。そういう特殊な状況でない限り、一般にはこんな感じで池の中央に僅かながら島が現れていることが多い。


本土手付近よりズーム撮影。
水位が下がったとき露岩が現れることは、地域の住民にはかなり知られているようである。もっとも周囲が十数メートル足らずの露岩で特に名前は付けられていない。


本土手の東小羽山に近い側から撮影。
背後に見えているのは北小羽山市営住宅の建物群である。


ズーム撮影。
最初の写真では些か茶色がかって見えるが、実際にはこんな具合で灰白色を呈している。土は洗い流され殆どが露岩と思われる。


以下の2枚は今年の1月、水位がかなり高かったときの撮影である。


ズームすることで僅かばかり島の最高地点が浅瀬として認識される。


同年4月の撮影。
本土手の東小羽山寄りから撮影している。


ズーム撮影。
冒頭の航空映像で見えている状態はほぼこれと同等であろう。


最高水位になれば、この島は完全に水没し岸辺から眺めても何処にあるのかすら分からなくなる。

蛇瀬池は小羽山地区にある最大の人造池だが、それでも常盤池に比べればずっと規模が小さい。少雨で低水位状態が長く続くことはあっても、ひとたび雨が降れば水位はかなり上昇する。
昭和49年度の航空映像では、水位が極端に下がって北小羽山の半島と陸続きになっている。樋門を開放して人工的に水位を下げない限り、島の陸続き状態は相当長期間にわたって雨の降らない状況が続いたときのみ発生する。

2012年の秋口、雨が長く降らない状況で陸繋島が殆ど成立しかけている状態まで水位が下がった時期が数日間だけあった。


既に夕暮れ近かったが、このときリスクを取って陸繋島への接近をはかった。
後続記事にて案内する。

(「蛇瀬池・陸繋島【1】」へ続く)
1.「小羽山付近の史跡と伝承」小羽山まちづくりサークル作成小冊子 p.1

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