面河内池【1】

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現地踏査日:2013/2/22
記事公開日:2013/4/14
(「面河内池【序】」の続き)

初回踏査失敗の翌々日のこと…早い時間に平原方面へ出向く用事があった。天気も良いことだしその日の晩は仕事の予定が入っていなかったので、岩田堤池と合わせて面河内池の第二次踏査を計画した。
驚く程のことでもないが天気が良い日は仕事でも移動手段は殆ど自転車である

岩田堤池の記事向け写真を撮影後、県道を中山に向かって走っていた。
以下の写真はすべて先行記事公開された白岩公園を知る以前の撮影である


ここから山に入る道のはずだ。


この分岐点をポイントした地図である。


実はまったく初めて通る道でもなく、常盤用水路の踏査を行った数年前に一度訪れている。そのときも自転車だった。


途中から猛烈な登り坂になる。コンクリート舗装されているが凹凸が酷く乗ったままだとパンクしそうだ。
それ以前に乗って漕いで進める勾配ではない。


押し歩きもかなり辛い坂道を進み、最後の民家が途切れる先で常盤用水路を横断する。
数年前もここを押し歩きした筈で、当時のことが少しずつ甦ってきた。


常盤用水路の上流側に向かって撮影。
民家に面して管理道が伸びており、ここを自転車で押し歩きしたものだった。


ここから先の区間は初めて乗り入れる。
未舗装路でところどころ岩も露出している酷い荒れ道だった。


民家のところまでは住民も日常的に車で出入りしている筈だ。しかし常盤用水路から先は車で通れるだけの幅があるにしても、実際に通るのはかなり心配だ。車高の低い車だと露岩でお腹を擦ってしまうかも知れない。

そのすぐ先で地図にはない分岐点に出会った。
道と呼べるかどうか分からないが…少なくとも五方向に踏み跡や山道があった。


順当な道は直進し更に登り坂が続いている。その他に斜め右前方と右後方、それから左に山道があった。
右前方の踏み跡は恐らく個人の田畑へ向かう道、右後方は今さっき横切った常盤用水路へ戻る踏み跡だった。いずれにしろ地図によれば相当な距離を進んだ先でT字路に出会うようになっている。だからここではどの分岐も無関係で直進すれば良い。何も深く考えることはない。


左側の分岐。その道は細い水路を石橋で渡った後登りになっていた。
何処に行く道だろうなんて考えは持たずごく事務的にシャッターを切っていた


先述の通り、私が白岩公園の存在を知ったのはこの面河内池踏査より後のことである。このときは何の気なしに撮影はしているが、この近くに白岩公園があることを知った後も道の存在自体が頭に入っていなかった。それ故に初回踏査ではこの道を通ることなく常盤用水路の開渠から沢を強引に藪漕ぎしたのだった…
かなりきつい先で自転車はずっと押し歩きしている。
しかし軽トラ程度なら通れる幅だし、実際通行しているらしい。つい最近通ったようで轍の跡が新しかった。


延々押し歩きしてそれらしきT字の分岐に到達した。
尾根伝いに伸びる道があり、それは地図に記載されている通りである。
先行公開された白岩公園記事の表現を借りれば面河内西分岐となる


さて、これでまずは地図で明記されている一つのポイントに到達できた。
スタート地点に立てたに過ぎずむしろこれからが始まりだ。

このT字路を中山観音の方に向かって撮影している。
今さっき自転車を押し歩きして登ってきたのが右からの道だ。


近くの幹に掲げてあった注意書き。
周辺の山道は農業用溜め池管理用らしい。新しい轍があったということから、定期的に軽トラなどで作業に来ているようだ。こういう掲示が出ているのもバイクを乗り入れて走り回り道を荒らす輩が居るのだろうか。


反対側を撮影。
T字路のすぐ先に二俣の分岐があった。これも地図に示されている通りである。
下っていく方の道には柵が施されていた。


自転車とて二輪だから”単車”の仲間と言えなくもない。まして柵があるということは乗り入れてはまずいだろう。
しかし立入禁止になっている訳ではないようなので、柵を越えてちょっと先を偵察してみた。

柵の先を下ってすぐ折り返すように向かう水路と細い道があった。
感じとしては面河内池の堰堤に向かっている。しかし自転車を連れて行くことができない…いや、連れて行かない方がいいだろう。何か相当に荒れているような気がする。


先のT字分岐で中山観音へ戻るように右へ進む方が信頼できそうだ。道幅も広いし軽トラらしきタイヤの跡もある。それでまずはT字路を右に曲がる方へ進んでみた。

この道は尾根伝いのせいか急な坂がなく、自転車に乗って進むことができた。その割には意外に起伏があって走りづらかった。落ち葉が厚く積もっているのでちょっとした下りでもスリップしそうなのである。
地図によれば、この道は途中までしか記載されていない。そのことから自転車でも押し歩きでないと通れない状況が想像された。何よりも相当進んだのに溜め池の方へ下っていく左の分岐に出会わなかった。

自転車を停めて撮影している。ここから先は急な下り坂になっていた。
多分、行き過ぎただろう…という気持ちがあったので一気に駆け下りるのを躊躇った。


先の様子は肉眼では見えていた。しかし下ってしまった後もし間違っていたならまたこの坂を戻って来なければならない。尾根伝いの平坦な道なら自転車で往復するのもそう苦労はないが、落ち葉で滑る坂道なら必然的に押し歩きとなり、なるべくなら避けたかった。
言い換えれば県道からここまでの押し歩きがそれほど長くきつかった

そこでズーム撮影で先方を偵察した。
石橋のようなものが見える。その先は再び急な登り坂になっていた。あそこまで下ってしまった後引き返すなんてご免被りたい。


再び先ほどの柵の前まで戻ってきた。
自転車を連れて行けない場所なら、ここに留め置いて歩いて行く以外ない。しかし尾根から下っていくなら少なくとも面河内池の一部でも眺められるだろう…


実際ここまでの過程では面河内池どころか溜め池らしきものの存在すらまったく見えなかった。現在地よりもずっと低い位置にあるのか、岸辺が遠く離れているのか…地図では割と大きな溜め池として描かれているのにその一部さえまだ目にしていなかった。

細い水路に沿って進む。
今も使われているのかは分からないがかなり古そうな水路だ。途中で尾根の反対側へ水を導くヒューム管を見つけた。先ほど押し歩きした道沿いの水路に繋がっているのだろうか。
そんな昔に一体どうやって管を布設したのだろう…


道中は歩いて進むことに支障はなかったが、ところどころで倒木があり自転車を連れてこなかったのは正解だった。
相変わらず周囲の眺めはまったく得られない。進行方向左側が低くなっているが、沢なのか既に溜め池なのかも分からなかった。もしかしてまるっきり見当違いの場所を進んでいるのでは…とも思われ不安になった。

かなり歩いたところで漸くちらほらと水面が木々の間から覗き始めた。
間違いなく面河内池の水面だ。一体どんな溜め池なのだろうか…


しかし木々が生い茂り過ぎて微かに水面が見えるだけだ。傍まで来ていながら未だどんな様相の溜め池なのかも感じ取れない。
そして水路沿いの小道を辿っている先で何とも残念というか遠回りな結果を得ることになった…

(「面河内池【2】」へ続く)

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