さやの池

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現地踏査日:2014/5/17
記事公開日:2014/6/7
さやの池[1]は、東岐波の門前にある小さな溜め池である。
写真はサヤノ峠に至る古道入口付近から撮影している。


余水吐を中心にポイントした地図を示す。


さやの池に関して個人的関わりは何もない。ただ、この溜め池の近辺には日の山ポンプ所やサヤノ峠に至る古道など記録すべき物件が多いので、個別に項目を作るに至った。

市道岐波門前線を北上して門前自治会館前を過ぎた先にさやの池がある。


余水吐は池の南側端に存在する。
白い柱のように見えるのは日の山ポンプ所の門柱である。
いずれ派生記事として作成する


恐らくこの場所は沢地で、沢を締め切った堰堤上がそのまま市道となっている。
ガードレールの外側に最近ネットフェンスが設置された。溜め池での事故が多いせいか市内の他の溜め池でも同様の措置が取られている。


堰堤部の中ほどから振り返って撮影している。フェンス内側にポンプ所跡が見えている。
樋門を操作するための階段があるのでその部分だけガードレールが切れていた。


池の山手側にポンプ所がある。このポンプ所跡については別途記事化する。


樋門はコンクリート製だが、ハンドルで操作するタイプではなく昔ながらの木栓を脱着する旧式だった。
門扉は施錠されていた。


興味深いと思われたのがこの魚釣り禁止を告知する立て札である。
そこにはサヤノ峠水利組合という文字が見えている。


この立て札のお陰で現地の方の聞き取りを介することなく一つの謎が解明された。
サヤノ峠とは実際の峠の名前だけではなく、
この近辺一帯の地名にもなっている。
私がサヤノ峠という名称に接したのは市道路河川管理課で認定市道名を調べているときだった。国道190号から日ノ山の裾野に向かう市道洲角サヤノ峠線という路線の経路を調べたとき、それが実際に峠へ到達しているわけではなく日ノ山の裾野、市道岐波門前線へ接続されたところで終わっていることが理解できなかった。

当時、自分はサヤノ峠と呼ばれる峠が実在し、その市道は元はそこまで到達していたのではという仮説を立てていた。この過程でサヤノ峠の場所を特定することができた。
しかし実は恐らく仮説は誤りだ。市道岐波門前線へ到達する付近の地名がサヤノ峠という名称だったのだ。そうでなければ「サヤノ水利組合」という名称にはならないだろう。

魚釣り禁止の立て札は2年前に訪れたときには存在しなかったと思う。これほど目立つし地名の手がかりとなることが書かれているので、当時からあったら気付いていた筈だ。
看板の白文字はまだ鮮明なので、設置されてからそれほど期間は経ってなさそうだ。

この溜め池に関することで記録しておきたかった主眼部分は以上だ。
しかしせっかく訪れたので溜め池の全容を塞の神の石碑がある場所から4分割で撮影した。


最後の写真からも明らかなように、水位はほぼ上限一杯だった。

フェンスの設置されていない部分は自然の汀である。
一部が間知石積みになっていた。これは昔に池の護岸を築いた跡だろう。


以下の2枚は3年前に訪れた低水位期のさやの池である。
ガードレールの外側にフェンスがまだない。


余水吐付近の様子。
池の底が現れかけている。それほど深い溜め池ではなさそうだ。


特に個人的関わりのない溜め池なので、景観が大きく変わらない限り追記されることはないだろう。
1. ゼンリン© などにはこの溜め池の名称は記載されていない。東岐波ふれあいセンター敷地内にある「東岐波の主な史跡案内図」にはさやの池と記載されている。
《 記事公開後の変化 》
樋門のところにあった魚釣り禁止の札が更新され、キケンの文字はあるもののサヤノ峠水利組合の文字がなくなっている。水利組合が解散したのかも知れないが、単なる看板の破損の可能性もある。(2016/12/6調べ)

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