馬の背池【3】

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(「馬の背池【2】」の続き)

堰堤の右岸側から遊歩道は急な登りになっていた。
遊歩道の進路中に露岩がかなり目立っている。


露岩は溜め池の岸辺にも現れていた。
遊歩道入口からの左岸側はそれほど大きな岩は目立たなかったのだが…


築堤にあたってもさすがにこの大岩には手を付けなかったらしい。
平ブロックは岩にくっつける形で現場合わせされていた。


上池からは離れようになるが、高台に登れば全体像を見下ろせる景観が得られるかも知れないと期待して登り始めた。

霜降山系に特有の岩だ。表面が白っぽく柔らかい。
これが少しずつ削れて真砂土を産み出す。


溜め池踏査ではなく殆ど山登りの様相を呈してきたが…
さすがに何もなしでは滑り落ちる危険があるからか補助ロープが設置されていた。
膝を痛めている向きにはこのロープは有り難かった


視座は10m程度上昇している。
堰堤方向は見えたが山腹には木が多く溜め池全体像までは見渡せなかった。


鉄塔はその周辺のピークから外れた低い位置に建っており、そこまで来ると上池は完全に見えなくなった。代わりに下池が遠方下の方に見え始めた。

鉄塔は既に完成しており供用されているが、伐採樹木の搬出と緑化工事が継続されているようだった。


中電設置の紅白ポールがあり、その傍らには伐採された木の枝が積まれていた。


山肌を削って鉄塔を建て、足元に緑化処理を行っている。
銘板によれば今年の1月に完成したものらしかった。


こんな山の中に新たな送電鉄塔を建てるとは景観破壊だ…と異を唱える向きもあるだろう。気持ちとしては一応同感なのだが、昔から見慣れているせいかそれほど気にはならない。
むしろ車の入らないこの場所に鉄骨などの資材をどうやって運び組み立てたのだろう…とそっちの方に興味が向いてしまう。


さて、下池の方にカメラを向けてみた。
旺盛に育った木に隠されて全体までは見えなかった。


先方をズームする。
送電鉄塔は以前は下池の左岸側高台を通っていたことが分かっている。現在はほぼ下池の真上だ。


ズームしつつ山の木々をかき分けるように余水吐の方を撮影した。


前回はあの縁まで行って撮影したのだった。
ズームで遊泳禁止の立て札の存在も分かる程なのだがここから直接往来する道はない。


さて…
ここから先は更に溜め池の話題から外れてしまうのでかいつまんで書くと…

何となく引き返しどきを見極められず、そのまま遊歩道を歩き続けてここへ出てきた。
登山道中山観音コースとの合流点である。振り返って撮影しており、左側が馬の背上池へ向かう遊歩道、右が中山観音コースである。


ここから先は今までより道幅が広くなっていた。
言わずと知れた霜降山登山向けの道である。


この合流点は地図ではこの場所になるだろう。


名前は恐らくないがこの場所は一つのピークを形成している。ここからは尾根を縦走して遊歩道が伸びている。不思議なことに上の地図では単にそれだけなのだが、拡大表示すると山道が表示されるようになる。しかもこのピークで行き止まりのように描かれているので、以前から気になっていた。
実際にはここから遊歩道が細くなるというだけで、中山観音コースと馬の背上池コースに分岐するだけだ。
先の鉄塔建設の資材を搬入するために幅を拡げたのかも知れない

霜降山の登山まではまったく考えていなかったので、この分岐を確認した上で引き返した。既に時刻は午後4時近い。日が傾き始めると山中では気温も急に下がるだろう…

再びトラロープを握りしめつつ急斜面を降りた。
下りの方がなかなか膝に来る…(>_<);


さて、堰堤まで降りたらまだ撮影していないあのアングルから撮らなければならない…しかし余水吐から走水路を眺めている来訪者の姿があった。


下池は上池の堰堤に接しているので上流側から眺めることができる。前回の踏査時は大した写真が撮れなかったので、堰堤の下まで降りて近くから撮影したいと思った。


他人の目があると何をするにもやりづらい。溜め池の管理人かも知れない来訪者の姿が見えなくなるまで変な素振りも見せず周囲を撮影していた。

余水吐の方へ移動する。
下池に向かって2本の水路が伸びていた。左側の幅広のものが走水路、右の小さいのは恐らく樋門からの出水口だろう。


下池側の堰堤は階段も柵の切れ目もなく、降りられるようにはなっていなかった。もっとも降りてみようという来訪者は若干あるらしく、斜面に踏み跡が散見された。
人影もなくなったことだし…そろそろ行動開始しようか…

(「馬の背池【4】」へ続く)

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