西岐波地下道【旧版】

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現地撮影日:2016/3/5
記事公開日:2016/3/11
情報この総括記事は内容が古くなったので旧版に降格されました。現在の総括記事は こちら をご覧下さい。旧版の編集追記は行わず将来的に削除します。

国道190号江頭付近の歩道(小郡方面行き)の外側に廃された地下道入口のような構造物が存在する。
写真は歩道部分からの撮影。


この構造物がある道路中央部をポイントした地図を示す。


歩道側に向かってコの字型のコンクリート壁があり、その上には転落防止のネットフェンスが設置されている。その外観からは地下道の入口のように見える。反対側にはフェンス門扉が設置されているが中に入れないよう南京錠で施錠されている。内部は草が一杯詰まったゴミ捨て場のような状態で、下り階段の痕跡などは分からない。上部は金網で覆われていて内部には侵入できない。

この物件に初めて気づいたのは2014年の春だった。そのときは地区のゴミステーションかも知れないと考えて数枚撮影した程度で立ち去っている。次にこの前を通り撮影したのは2016年に入ってからだった。このときは上流側に水路があるのを見つけ、水路の管理道を塞いだ跡ではないかという推測から周辺の撮影を行っている。

帰宅後、FBページに「地下道の造りかけのように見える構造物」と題して投稿したところ地元民と思われる読者から以前は地下道だったという信じがたいコメントが得られた。同時に国道の反対側には形が異なるものの地下道入口のような一角がみられるという指摘があった。[1]

この時までに国道反対側の調査は行われていなかった。報告を受けて翌日萩原方面へ業務で用事がある折りに立ち寄って追加の撮影を行い、国道の南側を再調査した結果、パチンコ店の駐車場端にフェンスで囲まれたエリアを見つけた。


その後、この案件はかつて西岐波地下道と呼ばれる現役の地下道だったことが判明した。塞がれた部分は共に地下道の入口で、2008年9月から10月にかけて地元住民の要望で廃用処理されている。[2]
地下道は交通量の多い国道を安全に横断する地元住民の生活経路であったが、利用者が減り始め、更に地表からは見えない地下道の防犯面での問題から閉鎖して欲しい旨の要望があったらしい。

西岐波地下道がいつ造られたかは分かっていないが、この場所に盛土して国道が通されたとき、沢地に沿って下る灌漑用水路を暗渠化するのに合わせて造られた管理道が前身ではないかと推測している。南側出入口跡にあるコンクリート袖壁やネットフェンスは昭和50年代以降の後補かも知れない。

地下道の両端は階段部分を含めて完全に塞がれており通路部分がどうなっているかは分からない。ただし南側出入口跡は緑化シートのようなもので覆われているので、完全に埋め潰したのではなく再度必要になった場合は再生可能な方法で処理されているのではないかと思われる。

平行する水路は南側の地下道入口よりも更に南側の宇部線近くに暗渠出口がある。この灌漑用水路は既に使われていない可能性もある。
《 記事執筆後の変化 》
草が生えて荒れている南側入口に対し、北側はフェンスで囲まれた内部に侵入防止のフェルトを張るなど小綺麗にしている。この整備は比較的近年に行われたもののようである。既に廃道化処理が完了しているので今後の変化は恐らくない。

地下道の南側はパチンコ店駐車場に痕跡があるが、付随する水路は駐車場の下を横断し宇部線に近い場所に出口を持つ。その後の調査で水路の出口付近を見つけることはできたが、排出口も分からない程に酷く藪化しており既に使われていないようである。宇部線はこの水路を井沢橋りょうで横断している。(2016/3/21)
本件の正体が判明する前に撮影し推察を重ねた記事。日を改めて3度訪れたものを第1〜3巻として掲載している。全3巻。
時系列記事: 地下道の造りかけのような構造物【1】
出典および編集追記:

1.「FBページ|2016/3/2投稿分(要ログイン)

2.「2016/3/5のタイムライン|江頭地下道(仮称)(要ログイン)

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