市道助田平原線・横話【4】

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《 厚東川バイパスへの昇降路 》
現地踏査日:2009/12/1
記事公開日:2015/7/3
本路線と国道190号は立体交差になっていて四輪の行き来はできない。しかし起点から進んで立体交差をくぐった先の右側に歩行者と自転車が相互に往来できる通路が追加された。
写真の撮影時期は古いが現在も変わっていないのでそのまま当時の写真を援用する


途中にポストコーンが設置されているので四輪の往来はできない。
この通路は国道190号のかつて厚東川バイパスと呼ばれていた高架区間の自歩道に接続されている。
原付でも押し歩きして国道まで出るのは問題ない


スロープがいつ頃できたか正確には分かっていないが、写真を撮影した2009年から1年以内ではないかと思う。初めて本路線を道路レポート仕様で起点から終点までざっと撮影したときに気づいている。
個人的関わりもついでながら書いておくと、このスロープができたお陰で藤山交差点方面へ自転車で戻るのがかなり楽になった。以前は平原交差点を通り国道190号の旧道(市道藤曲厚東川線)を通っていたが、この道は幅員が狭いし自歩道の整備も進んでないので自転車では通りたくない道である。このため松崎経由でアジトへ帰るときなどは平原交差点から本路線を経て一旦スロープを登ることになってでも国道190号の自歩道を通ることが多くなった。

さて、これだけなら別にどうということはない昇降路の話題だけなのだが、もう一つ書いておきたいことがある。2009年という古い撮影の画像を引っ張り出してきてわざわざ派生記事を作成したのは、今から述べる話題を記録しておきたかったからだ。

現地でもその方面への関心が湧いていたらしく、既にカメラを向けていた。
ただしこれではまだ何のことか分からないだろう。


壁面には「キケン!! 絶対に登らないこと」の注意書きが貼られている。市道はこの近くにある中学校の通学路なので、興味本位で登る学童への注意喚起目的らしい。通路部分は従来タイプの練積ブロック擁壁だが、市道との接合部付近は私自身も現役時代見たことのないタイプのブロックが積まれていた。しかしカメラを向けたターゲットはそのいずれでもなかった。

これである。
新しく築いたばかりのコンクリート擁壁の表面に赤ペンキで何やら謎めいたマーキングが施されていた。


上の写真からマーキング部分だけを切り出し拡大した画像。
▽ 1.50 と記載されている。


▽の下には水平線が引かれているので、初めてこれを目にする人でも「あの水平線の部分が1.5メートルを示すのだろう」という程度の想像はつくかも知れない。そしてその推測はまったく正しい。水平線の位置がある基準部分から1.5メートルの高さを示している。▽は日常的に使われる↓と等価で三角印の尖った部分を指し示すという意味なのだが、この世界で↓と描かれることは殆どなく「この部分の高さを示す」という意図では専ら▽と記載される。[1]

「この世界で」などと言い出したことから、このマーキング(まあこれ自体が一般用語でないかも知れないのだが)がどうやらこの擁壁設置に携わった人々に関わる何かであることを読み取っただろうか。如何にもその通りで、作業上必要だからこれをペイントしたのである。それもすべてが完成したからではなく、この場合に限っては擁壁が造られている最中に行われた筈だ。何故ならこのマーキングに限っては当初からそのような用途でなされるものだからである。

あれこれと推察ついでに、ここから後もクイズ形式にしてみようか。
(1) この印(および印をつける作業)を土木用語で何と呼ぶのだろう?
(2) 一体、何の目的でつけたのだろう?
一度でもこの業界へ一定期間携わったことのある方なら一発即答と思われる。しかしそれ以外の方では (2) については熟考を重ねて正解できるかも知れないものの (1) は見当で答えて正解できるものではないだろう。もしかすると過去にはそう呼ばれていたものの現在では半ば死語になっていたり、この作業自体行わず廃され現在では別の手段を用いているかも知れない。

正解は以下のボタンを押すことで展開される。まあ、クイズとは言っても考えたところで答えが分かるネタでもないのだが…

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なお、▽を伴わず数値のみ L = 13.5 や w = 2.0 などがガードレールや歩道の路面に記載されていることもあるが、これは上げ墨とは別の目的によるマーキングである。これらについては以下の派生記事に実物の写真付きで若干の記述がある。
派生記事: 市道吉ヶ原線【2】
この記事は FB 個別アカウント側に先行してダイジェスト版を掲載している。[2]
出典および編集追記:

1. 丁張で桟木の上端と下端のどちらを指示しているのか明示するために用いられることが一番多い。▽を用いるのはある程度離れた場所から確認するのと↓では線分と紛らわしいのが理由だろうか。
更に視認しやすくするために▼のように中塗りすることもある。

2.「FB|厚東川バイパス昇降通路にある擁壁の謎(要ログイン)

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