市道島2号線・横話

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ここでは市道島2号線の派生記事をまとめて収録している。

《 自転車通学時のショートカット路 》
現地撮影日:2013/10/27
記事公開日:2015/1/14
本編でも述べているように、本路線は高校時代の登下校路の一部だった。登校時は産業道路を外れて本路線に入り、現在の市道下条浜通り線に相当する南北の道との十字路へ出て右折し現在の浜バイパスに向かっていた。この十字路へ出る手前に三角形状にショートカットする狭い道があった筈なのだが、その道が何処にあったのか未だに特定できないでいる。
その近道は恐らく小串土地区画整理で失われてしまったと思われるものの、もしかするとここだったかも知れないと思う入口が一つ存在する。

その候補地がここである。
木製の格子扉で塞がれている場所だ。


本路線から分岐する道があるように思える。ただし高校生以降初めてここを訪れたときからこんな塩梅で塞がれていた。


実のところ本当にこの場所だったのか確信が持てない。まったく思い違いをしていたなら、格子越しに民家の中を覗き込んでいるわけで行儀悪いにも程がある。それ故に今まで一度もこの扉を動かし中へ進攻していない。道ではなく私有地だったら完全な不法侵入だ。
もし進攻しても問題ない赤道だったとしたら…できればぜひ一度中を偵察させて欲しい

扉の格子にカメラのレンズを入れて撮影している。
確かに道のように見える。右側のブロック塀は割と新しい感じがするしこんなに高くなかったから恐らく後年造られたのだろう。


軽くズームしている。
この道は先で左へカーブしているように見える。その状況自体は私が自転車で通っていたときの状況と確かに一致する。


しかし異なる点もある。カーブの先が荒れ地のように見えているが、自転車で通っていたときは左へ曲がるのみならず正面には石積みなりブロック塀なりがあって見透せなかった。元々あった敷地の塀が取り壊されたのだろうか。

入口付近の様子を本路線の終点側から撮影。


思うにこの場所となる分岐点は昭和40年代後半の航空映像で眺めればこの辺りを中心とする場所だろう。
航空映像の十字ポイントで示される辺りを観察すると、この先の交差点をショートカットして内回りする近道があるようにも見える。ただしもしこの場所だとしても航空映像のように三角形の斜辺となるような形状ではなかった。
即ちこの辺りから枝道に入ったとき出口部分までは見透せず、道半ばあたりに左カーブがあった。道幅は四輪はまったく通れず自転車同士の離合も難しい幅だった。下地は既にアスファルト舗装されていた。カーブの外側には蓋の掛からない小さな溝があったと思う。

多分この辺りじゃないかと思われる経路を昭和40年代後半の航空映像に書き込んでみた。
薄紅色が本路線に相当する道、黄色で描いたのが自転車で通っていたと思われるショートカット路である。


登校時には橙色で示される本路線を上の図で左の方に走っていた。そして市道下条浜通り線の前身に相当する道の十字路で右折していたのだが、黄色のショートカット路の方が近いので、状況に応じて近道を通っていた。
自転車でも離合が難しい程度の幅なので通る生徒はそれほど多くなかったと思う。状況としては、本路線を走っていてショートカット路から出て来る自転車がなければサッと右折してこの道へ入った。何台も出て来るようなら諦めて直進し下条浜通り線のところで右折した。
ショートカット路を通過している間は反対側から別の自転車が来ないことを祈った。仮に来ても離合は可能だが、大幅な減速を強いられた。何台も離合が続けば航行速度が落ちて近道した意味がなくなるからだ。

このショートカットを利用するのは主に往路だった。行きは遅刻限界タイムまでに間に合わせる必要があったからだ。帰りは急ぐ必要がないのでたまに通る程度だった。見通しの悪いカーブを外回りする際に反対側から自転車が来たら離合のとき溝へ落ちそうになるリスクがあったからだ。

本当にこれが当時の経路かどうかは中へ入ってみないと確認できない。格子扉越しに覗いた限りではあまりにも昔のイメージとは異なっていてどうも違うような気がする。もう少し先の区画整理により失われた部分だっただろうか。ただ、本路線から右折する形でのショートカット路が存在していて自転車で通る学生が結構あったというのは間違いない事実だ。

入口付近を中心にポイントした現代の航空映像である。
マーカーを表示させると下地が見えなくなるので非表示にしている


北に沿うブロック塀が見えていてその先は藪になっていた。更にその先を辿ると駐車場らしき敷地があり、その後ろを回り込んで元の下条浜通り線に出て来るようにも見える。
可能なら後日調査を予定している。それほど私にとっては通学時代の想い出に残る道だった。

なお、垣根越しに中をズームで偵察する過程で石碑のようなものを見つけた。
現地まで行けないので正体は分からない。自転車通行時にはこんなものはなかったので、ブロック塀が撤去されたことで見えるようになったのだろうか。


なお、この出口側にあたる場所は既に市道下条浜通り線として大幅に改変されているので昔の状態が残っている可能性は低いと思う。
現地撮影日:2015/1/15
記事公開日:2015/1/15
ここまで書いて記事公開を考えていたのだが、自分の中でどうにも納得いかないものがあった。
記事を書く過程で航空映像を挿入したときそれを眺めていてふと思った。
格子扉の反対側まで行けるのではないだろうか…
確かに格子扉の先は藪らしく緑色が目立つ。しかし藪に接している民家の西側は鍵型の駐車場になっていて区画ラインや車が見える。そこから回り込むことであの格子扉の反対側へ到達できるのではと考えたのだ。
雨に降られそうな天気ではあったが、とにかく自分の中の謎をどうにか解決したい気持ちもあって昼前に現地を偵察してきた。

本路線の格子扉で塞がれた先には確かに月極駐車場になっていた。
ここからあの裏側へ回り込めるかも知れない。
駐車場入口の側溝に沿って石積みの痕跡が見えている…これは結構重要なファクターだ[1]


市道側から撮影。木造平屋の民家を取り囲むように駐車場となっていた。
民家の庭に比べて駐車場ならいくら部外者であっても自転車でちょっと進入する程度ならハードルは低い。


地図の通り駐車場は恐らく今は空き屋になっていると思われる平屋を取り囲むような形をしていた。
そして鍵型をした先まで回り込むと…
確かにそれらしき石積みとレンガ塀があった。


最初この塀を見たとき「この場所だ!」と思った。ショートカット路は市道から直角に右折して入り、暫く進んだところで左へ45度程度カーブしていたからだ。そして石積みの駐車場に対する角度はまさに自分の中の想像と一致していた。

自転車は適当に停めて徒歩で遠慮なく駐車場の一番奥に進攻した。
さて、この石積みに沿って古い道が存在した可能性があるだろうか…


当初の考えを再び否定し「恐らく違うのではないか」という考えに傾いた。
駐車場と民家の敷地を仕切る板塀の状況を見てそう思った。


私はこのレンガ塀が乗った石積みに沿う形でショートカット路があると当初考えた。しかし板塀はその石積みへぴったり接する形で造り付けられていた。板塀の外観は傍目にも古い。殆どは朽ちて倒壊しており、ここ数年や十数年のレベルで造られたものではない。造られて数十年は経っているだろう。板塀の後ろに育った樹木も相当な年数が経っている。

もし石積みに沿って自転車の通れる道があったなら板塀はもう少し新しい外観の筈だ。更に記憶違いでなければ石積みに沿って溝があったのだが現地にはそれがない。排水路は重要な要素なので埋めてなくしてしまうことなどまず有り得ないことである。
したがって石積み沿いには元から道はなかった、遺憾ながら私の探しているショートカット路はここではなく別の場所だったのではと考えざるを得ない。
では、結局私の通っていたショートカット路は一体何処にあったのだろうか。もしかすると全くの思い違いをしていて、自転車でそんな道など始めから通ってなかった…あれは夢幻だったのだ…とすら思えてしまうのだった。

振り出しに戻ってしまった。これで解決できると思っていただけに相当がっかりした。格子扉の隙間から石碑らしきものが見えていたのだが、元から道でないのならこの先は民家の私有地だろうからと思って詳細には調べなかった。
ちなみに市道下条浜通り線からここへ入ってくる道自体は地図の通り存在していた。ただし車が出入りできるよう一部幅が拡げられていたので昔の面影はまったくなかった。この過程でショートカット路とは別に島2地区の別の生活道を見つけることができたことだけが成果だった。いずれ記事化を予定している。
記事編集日:2015/1/18
本件に関して島在住の読者に検証していただいたところ、残念ながら私の探しているショートカット路は区画整理の過程で道路敷ないしは新しく割り当てられた居住用敷地に呑み込まれ既に存在しないことが明らかになった。[2] 月極駐車場の端に石積みがあるが、そこが区画整理を免れた西の端になる。これより西側は一旦道路敷や民地をリセットした上で再割り当てされているため区画整理以前のものはいっさい遺っていない。

このショートカット路を通ったことがあるという市民は何人だって見つかるだろう。しかしこの道にカメラを向け映像として記録している人は誰も居ないと思う。あるとすれば区画整理で現地作業に携わった業者が着工前の写真として遺している程度である。それは一般の目に触れることはないし、時期が来れば破棄され永遠に闇へ消えていく運命だろう。
【 記事公開後の変化 】
2015年以降にこの民家は解き除けられ従来の駐車場部分を含めて敷地一杯に新しい建物が建てられている。(2016/11/18)
出典および編集追記:

1. 地表に露出している石積みはどれも間知石の一部でみっしりと詰まっている。元は石積みがあったのは明白で少なくともこのラインを横切る生活道は存在しなかったと推測される。即ちいくら駐車場に改変されたからと言ってもここに自転車通学のショートカット路入口があった可能性は否定できる。

2.「FB|2015/1/15のタイムライン(要ログイン)
《 駐車場の切り下げL型側溝 》
現地撮影日:2013/10/27
記事公開日:2015/1/15
「何でこんなものを題材に長々と記述できるの?」と言われそうな代表格的派生記事だろう。

写真のこの駐車場かフェンスを隔てた先にある駐車場のどちらかに個人的関わりがあった。
当然ながら区画整理にまつわる話題である。


道路の両側には舗装の端を縁取るようなコンクリート敷が施されている。
舗装路面に接する部分は同じ高さだが、駐車場側は10cm程度高くなっていて明確な段差が作られている。


これはL型側溝と呼ばれるコンクリート二次製品である。即ち駐車場側の縁となる高い部分と舗装路面の端にあたる部分は一体化していて頭の低いL型をしていることからこう呼ばれる。

このタイプの側溝はそれほど多くの雨水を集めない宅地内の市道などに用いられる。雨が降れば水は道路両端のL型側溝へ向かい、そこからあらかじめ決められた方向に沿って移動する。上の写真のように途中に雨水桝を設置して溜まった雨水をL型側溝の下に布設した管渠へ導く場合もある。
狭い市道などでは十字路などの端にのみ設置されることが多い

頭が10cm程度高くなっているのは集まった雨水が敷地へ流れ込まないようするためである。しかしこの段差があるままだと、駐車場へ出入りする車の運転手は毎回不快な段差の衝撃を体感することになる。これを回避するために、駐車場や車庫など車が往来する部分のために頭を切り下げられたタイプのL型側溝が存在する。設計段階で車の乗り入れがあると分かっている場所には切り下げタイプを布設するが、元々空き地だったところを駐車場として整備したときは基本タイプから切り下げタイプに変える必要がでてくる。

L型側溝は市道の一部に属するもので市の公有財産である。したがって市道に面する土地所有者がこれらの改変を行いたいときには市道路河川管理課に所定の書類申請を行い、許可を受ける必要がある。書類申請や現場施工に係るすべての費用は申請者負担である。

思い切り前振りが長くなったが、この場所のL型側溝の切り下げ申請と見積りは私が担当した。既にL型側溝が据えられ本路線として完成した後だったかはよく覚えていない。あるいは設計変更だったかも知れないが、確かこの場所と他の複数箇所の補修や微細な変更を含めて単一工事とみなし、小串土地区画整理事務所に折衝に行ったような記憶がある。随契[1]で収まる金額だった。
これ以上のことはここでは書かない

駐車場の乗り入れ口は段差が小さくなるように道路側溝の頭が低い部材が使われている。
この状況でも切り下げと基本タイプの違いが分かるだろう。


手前側の切り下げタイプ3枚は他のものより白っぽいので、後から据え直したようである。それにしても新旧共に割れや欠けがかなり目立つ。それだけ多くの車両が出入りしたと思われる。
切り下げタイプが10個連なり、その両端は切り下げと基本の中間タイプのものが据えられている。

情報以下の項目は古い法規を元に記述されている可能性があります。精密な情報は関連部署へ直接お尋ねになることをお勧めします。

L型側溝は60cmの長さを持つので、目地代を考慮しなければこの駐車場は幅6mの開口部を認可されたことになる。幅が広い方が車の出入りが容易だが、申請者により任意に決められるものではない。例えばここが駐車場ではなく一般の民家の車庫ならL型側溝で最大5個分(乗り入れ幅3m)相当しか認められない。乗り入れ先に造られる店舗の規模や往来車両の数量などにより開口幅や設置箇所の妥当性が決定される。

同じ問題は市道に面した家で新たに作った車庫へ段差なく車を乗り入れたい場合に生じる。特に車道と民家の間に歩道があり、歩道を横断したい場合は境界ブロックの高さが15cm程度もあってそのままだと日常の車の出し入れが耐え難い場合がある。ただしこの場合は先のL型側溝の場合より格段に面倒である。歩道は元々人や自転車の往来に設計されており、車の荷重に耐えられるようできていない。そのため単にブロックを切り下げるのみならず、車が乗り入れる歩道横断部分は車道舗装仕様で基礎砕石から打換えることが求められる。L型側溝の場合もそうだが、車道の工事なので警察署には道路使用許可申請が要る。所定の設計通り確かに施工した証明として現場写真を撮影し施工完了届と共に市へ提出しなければならない。これらの費用は施工業者により直接工事費に加えて上乗せされるので施工規模の割には結構な費用となり、見積を提出して説明する段階で諦めてしまわれる施主も多い。

この面倒を回避するためにしばしば見受けられるのは、L型側溝や境界ブロックの段差部分に乗り入れ用の部材を並べる方法である。このような商品はホームセンターでも取り扱っているが、市道の段差部分に設置するのは無許可占有にあたり違法である。指摘された場合にはただちに原状回復を求められる。[2] 現状、市はそれほどうるさくはないが、県や国道維持ではパトロールカーが巡視して違法設置物を随時チェックしている。
出典および編集追記:

1.「Wikipedia - 随意契約|随意契約の種類|少額随契

2. 小羽山地区の市道は昭和50年代初期の施工で、元々一般住宅向けの区画で各戸が最低一台の車を保有するのは明らかながら車庫向けの切り下げがないという設計上の欠陥があった。このためか小羽山地区では各戸が市道の段差部分へ適宜部材を置くことが黙認されるような状況となっている。同様の状況は他地区にもみられる。
市道路河川管理課の公式見解ではない

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