島1丁目の生活道【1】

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以下、島1丁目の生活道を撮影しつつ歩き通したときのことを時系列に沿って掲載する。

生活道路には名前が与えられておらず、起点・終点の概念もない。複雑に枝分かれする生活道の位置関係を言葉のみで説明するのは困難なので、別途作成したマップで説明している。分岐点などの位置はマップ上の記号に対応する。この「島1丁目マップ」を開いて参照されつつ読み進めることをお勧めする。
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現地踏査日:2013/10/4
記事公開日:2013/10/17
たまたま島2丁目の生活道へ入り込んで秀麗な石畳の坂を見つけ、写真を掲載することで大きな反響を呼んだ。その後市道島線にあるもっともよく知られる石畳道を市道レポートに合わせて調査し、この流れで島地区にあるすべての生活道を調べ上げてみようという気になった。

市道調査を行った3日後、私は再びこの地を訪れていた。
まずは市道向けの写真で欠けている部分を補充するために市道島線の終点側から乗り入れ、市道の折れ点箇所にやって来た。
《 A→B区間 》
市道の終点側から撮影している。市道は右側の石畳を伴う坂道を登ってきてここで左へ折れるのだった。


市道に対して右へ折れる側にも舗装路がある。幅はむしろ市道よりも広い。
最初の分岐点であるB地点が既に見えている。


市道レポートでは取り上げていなかったが、この折れ点の右側には既に家がなく塀が削られた状態になっていた。


車が曲がりやすいように当初から角を面取りした状態で築かれていたようだ。既に塀の上部はなく、低い位置でブロックをカットしたらしい。
敷地の中には砂利が目立つ。車を停め置けるように砕石を入れたのだろうか。


既に枯れて切り株だけ残された樹木が敷地内にあった。
この状態になって相当の年月が経っているようだ。


幅広な舗装路の端に到達する。
コーナーを丸くカットされている左への道は車が入れそうだが、直進は民間アパートの駐車場へ乗り入れる経路以外は四輪は通れない。
駐車場の車のナンバーが写り込まないように制限されたアングルで撮影している


住居表示板を見ると、この左へ入る道までが2丁目で道を挟んで向こう側からが1丁目になるようだ。
今更2丁目の記事に移動するのも面倒なのでこのまま収録する

以上がA→B区間だ。

B地点からE地点を見通している。
この区間は先に別の分岐があるので後で訪れることとして、先にC地点へ向かおう。


《 B→C区間 》
道は平坦だが幅は半分以下になる。足元はコンクリート舗装で、レンガ塀は現役状態、右側は民間アパート駐車場の続きだ。


アパートの駐車場は舗装が進入路部分よりも新しい。建ってまだ数年程度のようだ。
一部が舗装に隠れていたものの、昔からあった石材が舗装の端から露出している。


非常に大きい石柱状の部材だ。表面は薄汚れているが欠けなどは殆どなく、もしかすると最近据え付けたのでは…と錯覚しそうなほどだ。
上部は部分的にモルタルのような痕跡が遺っているので、かつて上に塀が載っていたものを除去したのだろう。


敷地も生活道も縁の部分に石材を配置している。この構造なら溝の縁となる部分を踏んでも容易に崩れる心配はなく幅員を目一杯使うことができる。


間知石を2段ずつ積んで側溝を造っている。現在ならコンクリート二次製品を据え付けるところだろう。


生活道は若干下りに向かう。敷地部分はレベルなので、石材の段数が少しずつ増えている。


生活道から側溝部分を挟んで敷地側なので、この石積み部分は私有地になるだろう。もはや家屋の痕跡もなく敷地は建物とアスファルトに覆われているのだが、縁取り部分として据えられた重い石材は敷地全体を護る部材として今も機能している。

敷地側に積まれている石材には水抜き穴が施されていた。現在なら練積ブロックを削孔して塩ビ管を挿入するところを、昔の人は巧妙にやってのけた。

その1。
隣接する石材2つの端を半円状に欠いて据え付けたとき円形の水抜きが生じるようにしている。


その2。
水平部分の天端を正方形状に削って四角い水抜き穴を造っている。


これらの水抜き穴が現在も機能していることは、穴の下側に苔が付着している状態からも推測される。この削孔のお陰で裏込が水浸しになることなく排水される。穴がなくてもある程度は石積みの隙間から染み出ることはできるが、石積みの支持力は弱くなってしまう。
据え付けた当初から末永く使い続けることを想定していたために、これほどの面倒を厭わなかったのだろう。

これはかつての玄関部分だろうか。他の部材よりも白っぽく丁寧に整形された石材が側溝の跨ぎ石として据えられていた。


あまりにも外観が新しく、このアパート向けに新規据え付けしたのではと思えるほどだ。
高級感あふれる石材の構えを持つ上がり口の先が砂利敷きの駐車場というのが如何にもアンバランスで奇妙な光景だった。


C地点のコーナーである。
この辺りでは石積みが4段になるほどの高低差がついている。


末端部から振り返って撮影。
生活道としては普通のコンクリート路だったが、隣接する敷地の下部構造が如何にも「島地区仕様」だった。


C地点からF地点を見通している。左側は石積みを半分築いてその上に建築ブロック塀、右側は全部が近代的な建築ブロックだった。短い直線区間で特に言及すべきものはない。後で反対側の道にも行くから、このC→F区間は個別に項目を作らなくてもいいだろう。


地図ではC地点と別にH地点を設定している。実際には数歩分のクランク状になっているだけである。
このまま直線的にH地点から島地区の外側の市道となるD地点まで向かおう…

この途中に、やはり生活道ではなく隣接する敷地に不思議なものが観察された。生活道主体で起こした記事群でありながら、これは見過ごす訳にはいかない。次編でちょっと寄り道的に掲載する。

(「島1丁目の生活道【2】」へ続く)

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