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《 B→E区間 》
市道を経て今回の1丁目生活道調査の始めに訪れたB地点へ舞い戻った。
この区間も地元管理の道だが、車が通れる程度の幅がある。
さっきC地点に向かうとき横目で見て通り過ぎていたが、特に言及すべきものもなさそうだ。
マップではE地点の少し手前に左側へ分岐する路地がある。
この分岐には記号を付与していない。恐らく私道だろうし、地図で見ても民家の庭先で行き止まりになっているのが明白だからだ。
念のためにちょっと踏み込んでおくなんてのも止めておいた。上の写真でもちょっと見えかけているのだが、この分岐に差し掛かった途端ワンちゃんが私の姿を関知してアラートを発し始めたからだ。
(犬がけたたましく吠える場所には用事があっても基本的に接近しない…近所迷惑になるので)
…と言うことで、E地点到着。
ここで生活道は左右二方向に分かれる。
右折側は民家の敷地に入ってしまうように見えるが、その手前に赤レンガ塀に沿う細い路地がある。
そして左へ曲がる側の路地…何だか怪しい雰囲気だ。生活道かどうか自信が持てない。
異様に草が生えていて通る人が殆どなさそうな気がする。
実は今回の本格的調査を行う以前に、右へ曲がる路地は去年一度通ったことがあった。のみならずこれからお届けするような変化が起きる前にたまたま写真も撮っていた。他方、左へ入る路地は去年の段階から既に草が生えていて怪しい様相を呈していた。
そこでまずは確実に出られる場所を知っている右への分岐に進んだ。
《 E→F区間 》
レンガ壁に取り付けられた「島一丁目3」の住居標示板。その生活道の先は妙に開けて見えていた。
足元のアスファルト舗装路は変わっていない。しかし右へやや曲がっている路地の先は真砂土の入ったグラウンドのようになっていた。
もしかすると島地区のことを相応にご存じで、最近ここを訪れていない読者がいらしたなら、この光景はショッキングかも知れない。すっかり昔の姿を失っているからである。
この区画は今年のはじめまで古い大きな家があって、レンガ壁で囲われていた。
家や塀が撤去された後、擁壁工事が行われ真砂土を入れて造成された。
元はアスファルトの左側縁に沿って半壊状態のレンガ壁があった。
現在はすべて撤去され境界まで真砂土が敷き均されている。
去年の3月に撮影した、この路地の入口部分の写真である。
レンガ塀の内側は荒れた屋敷で、庭には木も相応に植わっていた。
島付近はあいにく私の生活圏外なので、ここにあった家やレンガ塀が解かれ造成された正確な時期は分からない。半壊のレンガ壁を撮影した写真は2012年の3月、この場所が造成されたのを撮った最も古い写真は今年の9月下旬である。この造成地は浜バイパスからも見えるので、注意していれば気付いていたかも知れない。
今でこそ開放感があるが、両側にレンガ塀のそそり立つような路地だったのでかなり圧迫感があった。
思えば、路地の両側がレンガ塀になっている区間はここだけだった。
失われると分かっていれば、もう少し丁寧に撮影していただろう。
このレンガ塀のある民家の端でF地点に到達だが、現地へ来てみてC地点から見通したときには分からなかったものを見つけた。
塀の角に建てられていた石柱である。
明らかに加工された石柱というだけで、文字などは何も彫られていなかった。
この石柱のために溝蓋までカットされていたので、後から据え付けたようにも思われる。どうしてもこの場所になければならないもののようだ。
(私有地の敷地か字の境界を取り決めたものだろうか…)
F地点からC地点を見通している。
さっきC地点からも眺めたから追跡しなくてもいいだろう。
(しかし実際には再度C地点まで行って写真を撮っている)
さて、市道までの下り部分だ。
《 F→G区間 》
この区間は去年、自転車を押し歩きして通っているので先がどうなっているかは分かっている。
この路地もアスファルトで覆われていたが、塀と路地の間は石積みで隔てられた側溝になっていた。
今は殆ど水が流れないのか乾いている。
下水道の普及した今では生活排水を側溝へ流す地域は市内にほとんどない。[1]それでも昭和中期から後期にかけては台所の洗い物や風呂の残り水はすべてこうした側溝に流していた。今でこそ乾いているが、実際に使われていた時期は常に汚い水が残っていてカメラを向けられない状態だったかも知れない。
路地は市道を前にしてかなり急に下っていた。あらかじめ分かっていたし、再度引き返す必要があるので自転車を坂の上に留守番させて歩いた。
(「島1丁目の生活道【7】」へ続く)
出典および編集追記:
1. 皆無というわけではない。具体的な場所は明示しないが、平成時代の今でも浄化槽を介さずに生活排水を直接溝へ流している地区は存在する。
1. 皆無というわけではない。具体的な場所は明示しないが、平成時代の今でも浄化槽を介さずに生活排水を直接溝へ流している地区は存在する。