宇部市制施行100周年記念市民プロジェクト

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項目記述日:2018/9/16
最終編集日:2019/11/5
情報この総括記事は宇部市制施行100周年市民委員会の記事から分割されたばかりです。現在編集追記中です。このタグが外されるまでは大きく内容が変わる可能性があります。

ここでは、宇部市制施行100周年記念市民プロジェクト(以下「プロジェクト」と略記)と題して、宇部市制施行100周年市民委員会(以下「市民委員会」と略記)の後に立ち上げられた同種の会合について概説する。
後述するように、このプロジェクトは多くの問題を抱えた状態でスタートし、殆ど何らの成果も結ばないまま頓挫し事実上自然消滅している。
《 発足の背景 》
市民委員会が閉幕し、参加した委員はグループ単位で提言をまとめてすべてのグループの提言を包括する提言書が市長に渡された。参加した委員に同じ提言書が配布されなかったのは遺憾だが、同じものがフルカラーで現在でも市のホームページ上で公開されている。

殆どすべての委員は、この市民委員会をもって市政施行100周年記念に向けての提言が終了したと考えた。その時点で市制100周年にあたる2021年までまだかなりの時間があるが故に、この取り組みに端を発して市民活動の裾野が拡がっていく展開を予想・期待していた。ところが市民委員会が閉幕した2017年11月末に市長へ提言書が手渡された後の年明けに、極めて遺憾な出来事があった。
【 秘密裏に立ち上げられたプロジェクト 】
2018年中ほどに再び市制100周年関連として、同種の市民プロジェクトの募集要項が発表された。[1]更にそれから半月程度後に参加者募集に係る説明会の案内も作成・公表されている。[2]多くの市民が関わることについて異議はないのだが、このプロジェクトが立ち上がることについて、市民委員会で活動した委員にはまったく何の知らせもないことに著しい違和感を覚えた。

私自身、プロジェクトが起動すると知ったのは最初の案内記事のリンクをFBで見たときであった。結局、プロジェクト開始を知って参加したのは、日頃から市とのコンタクトがある一部のメンバーのみだった。市民委員会で回を重ねて各グループがまとめ上げた要望書が市長宛へ提出されていながら、殆どそれをリセットするも同然な形で新たなプロジェクトが立ち上がる格好になっていたのである。

各委員にまったく連絡もなく秘密裏にプロジェクトを立ち上げるやり方は妥当とは言い難く、広報広聴課(市民委員会開催時はシティセールス部)へ事情を聞きに行った。市民委員会当時の担当者はこの問題を認識しており、本来なら各委員へプロジェクトが立ち上がる旨の案内をすべきと考えていた。しかし別の課が独自に進めたプロジェクトであるため、広報広聴課からは如何ともし難かったとの回答を得た。

このような背景から、個人的に市民委員会は市の側からすれば「開催することに」、各委員からすれば「参加し提言することに」意義があった会合だったと認識した。現時点で100周年までまだ2年以上あり、変化のテンポが早い現代ではその間に市政や国内環境などいくらでも変わり得る。最終案として提出された提言が2年後も妥当であるとは言えなくなるかも知れない。個人的にさえも当初は賛成していた世の趨勢に疑問符を提示するようになったものもある。[3]そうなれば現在している総括記事作成のように自分の提言をいつでも閲覧可能な場所へ置き、情勢に見合うよう随時修正する方が利に適っているかも知れないと考えた。

プロジェクト始動を知って中途参加は可能だったかも知れない。しかし市民委員会の各委員に連絡がなかったことから、委員以外の異なる視点が求められているのかも知れないと考えて参加せずに様子見した。
【 プロジェクト立ち上がり直後からの波乱 】
プロジェクトに初回から参加したメンバーの情報によると、第一回目の会合から早々にトラブルが起きていた。その本質的原因は、市民委員会のように市民主体で進めていくのではなく、殆ど縁もゆかりもない外郭団体主導で進められている点にあった。報告者によれば、初回会合からおかしい、筋が通っていないの猛烈な抗議が飛び交う状況だったという。

この時点で未だ断片的な情報しか把握していなかったが、混迷を極めたままプロジェクトが進むことで問題の所在が少しずつ明らかになっていった。プロジェクトは第二回目を待たずに殆ど機能停止に陥っていた。発生しているのは意見の相違に伴うトラブルと言うよりも事件と言って差し支えない。

以下に項目を変えて記述する。なお、寄せられた情報を元に記述しているので微細な部分に誤りがあるかも知れないが、大枠では記述している通りである。
《 時系列 》
前述のようにこのプロジェクトには参画していないため詳細が分からず、殆どすべて出席または関与した方からの情報である。このため事実関係の相違や解釈の誤りなどが生じている可能性があることをお断りしておく。
【 プロジェクトの形態 】
委員会では主催する広報広聴側で流れのみを示し、テーマ作りや議論やまとめ上げは基本的に各グループに任されていた。柱となるジャンルを掲げた上で各委員が類似性の高いグループへ移動したので、人数の多寡が発生してまとめ上げに苦労したグループもあった。

これに対してプロジェクトでは、当初からコアとなるべき人物(正確にはある団体の代表者)が市によって提示されていた。持続可能(sustainable)なまちづくりを掲げて活動するある団体が、恐らく市の基本理念であるSDGsに一致していたことから採用されたのであろう。市としてはこの理念からブレないように中核的存在となってもらい、プロジェクトの参加者はこの代表者(団体名は分かっているがここでは伏せる)の下で動いてもらうことが企図されていた。

具体的にこの代表者によりどのような進行や目標が提示されていたかについては手元に情報がなく分からない。
【 参加者による猛烈な反発 】
一部ではあるが、プロジェクトには立ち上げを知った委員会経験者も含まれていた。そこではグループで分かれて計画を立てて素案づくりを行うという自主的活動を当然のものとしていただけに、プロジェクトのやり方に多くの参加者が異を唱えた。

市制100周年を実地で迎えるのは我々宇部市民である。そして、この街には「何事も大事なことは上層部だけで決めるのではなく市民を巻き込んで考える」歴史的土壌がある。ところが市が選定した代表者はおよそ市民がまったく与り知らぬ県外の人間であり、市はいきなり参加者へ押しつけて「君たち全員今後はこの人の下で動いてもらいたい」のような状況も同然だった。更にその団体の代表者も崇高な意志と理想を持ち合わせてはいながらも、恐らくこの市の成り立ちや市民の思想を支える背景を理解していなかった。このため参加者からは我々の自主性により立ててきた100周年への目標から乖離し、団体代表者自らの理念を押しつけたいのではといった塩梅に受け取られた。

プロジェクト参加者からの反発は熾烈だった。当初は代表者のリーダー適性というよりは市のやり方に対する反発だった。一体どういう経緯でその団体代表者を選定したのか分からない、直前の自主性に成り立っていた市民委員会の流れを全然受けていないといった批判が大勢だった。前述のように私は参加していなかったが、仮に参加していたなら当然同じ意見を唱えていた。

市の招聘した団体の代表者も、市民が受けいれない現状をみて自分の理念が理解されていないと解釈して態度を硬化させた。結局、第一回目の会合ではプロジェクト参加者の猛烈な突き上げ、団体代表者による反論、市担当者の弁明などで紛糾し、第二回目の会合を行う日時を設定せずプロジェクト自体が暗礁に乗り上げた。一連の経緯は参加していた局長によりFBで詳細に報告され、そのことで私はこのプロジェクトがスタート直後から早々に混迷を極めている状況を知った。
【 三者の対立と機能停止 】
その後私の手元には断片的な情報しか流れて来ておらず詳細が分からない。プロジェクトに参加していた少なくとも2名から話を伺っており、参加者は今のやり方ではとても同調できないと拒絶し、団体の代表者は参加者に対して態度を硬化させているのみならず、このような状況となることを予測もせず招聘した市に対しても反感を抱くようになった。実際、その後のやり取りで代表者は参加者のみならず市の職員を挑発するような言動を繰り返していたという報告がある。

2019年の7月上旬頃には恐らく団体代表者による聴講会が開催されている。対立構造が解けないままではプロジェクトが前進しないので、市が団体代表者の理念を再度参加者向けに明らかにした方が良いという勧めがあったのではと推測される。聴講会そのものは「100年先でも豊かに暮らせる持続可能なまちづくり」を意図する順当なものだった。しかし代表者の論述は参加者の理解を得られるに程遠いものだった。歩み寄るどころか代表者は自らの理念を押し通し続けたため、一層参加者への反発を強める結果となってしまった。

この聴講会の内容について「自分が市民に受けいれられない事実への強い反発と不満の吐露に終始し、主張内容もまったく支離滅裂で論点のすり替えが目立ち、理念の正当化に終始するに過ぎない最低なものだった」という報告を聞いている。客観的事実としては、時間がないことを理由に参加者が到底熟読できないスピードでスライドを再生する、何を話しているのか明瞭に聴き取れない弁舌、果ては聴講会に居合わせる市職員への挑発的な言動など、参加者の殆どがこの代表者の元では到底活動できないという判断材料を与えるに過ぎない結果となった。

プロジェクトの代表者として不適切な言動を繰り返す状況に、聴講会の後である参加者は「市はこの代表者に注意や警告を行っていたのですか?」と怒りにも似た苦情を提出している。一部の市民が与り知る状況だったから表沙汰にならないだけであり、もしSNSなどで事実関係が拡散されていたなら明白に事件となっていただろう。
【 その後の状況と問題 】
市のホームページで「100周年記念市民プロジェクト」を元にキーワード検索してもこの総括記事の編集追記現時点で新たな情報があがっていない。プロジェクト始動に関するドキュメント[4]には100周年を迎える2021年からその後のポスト100周年記念イベント(プロジェクト)までのスケジュールが明記されている。現在の時間軸では「プロジェクト実施へ向けたワークショップ(6回程度)」と「一部プロジェクトの先行実施」に相当するが、常スマに関連プロジェクトの展示が行われているだけでワークショップは何も開かれていない。
その常スマも2021年6月末をもって諸般の事情により閉鎖されている

このため一般市民募集による会合型のプロジェクトとしては、自然消滅したと思われる。およそ市の部署が前後関係をまるで考慮せず、身の丈に合わない街おこしの団体代表者を導入したことにより「混ぜっ返された」に過ぎず、このプロジェクト無しでも先行実施は十分可能であった。何故市がその団体代表者を選出してその下で市民が協働するシステムを構築しようとしたのか今もって明らかにされておらず、有り体に言って密室協議だったわけである。

市の招聘した団体代表者がその後どうなったかまるで分からない。少なくとも私の周辺では情報がまるで上がって来ない。市民に受けいれられず憤懣やるかたない状況ながらも契約金(あるいは減額された違約金)はしっかり手にしてプロジェクトから手を引いたのではと推察される。

そして市民が最も厳しく追及するに足りる事実として、市は結果的に混迷しかもたらさなかったこの市民プロジェクト支援業務に関する委託料として、2018年度と合わせて一千万円近くを支出しているのである。看過できない巨額であり、どういう経緯でこの団体が選定されたのかを含めた責任問題に発展する可能性がある。
《 影響と個人的所感 》
この事件の前後で市の各職員や関連する人々との関係に変化はない。個別には限られた権限の中で非常に協力的で有用なデータを提供してくれている。他方、組織人としての一部の方や組織全体としては殆ど評価しない。このことは以前から感じられてはいたが、2019年始めの市民活動課の件で態度を改める契機となり、更に2020年からの covid19 を口実とした提言や要望の却下を複数回体験した後で決定的となった。

市民の善意による奉仕作業や情報提供を吸い上げて利用しているだけではないかという疑念から、それ以降個人的には「利用すれど一次協力はしない」方針に変更している。私以外の個人や団体が市に掛け合い、私の持っている情報や写真などを素材として使いたいので協力を要請された場合(二次協力)に限られる。少なくとも今後、郷土関連題材においては私自身が市に直接「何かをして欲しい」と依頼すること(一次協力)はないだろう。

2019年12月には政策広報室 市制施行100周年記念事業推進課 事業推進係より”宇部市の100年を振り返る「写真・映像・音声」”の募集と称して一般からの募集が始まった。[5] これは市政施行100周年市民委員会で我々第2グループの提言したデジタルアーカイブを遺す案の現出と思われるが、これまで市民が保存してきた大事な写真などを無償で提供させるだけでなく、原本を原則として返却しない、提出された写真が採用されるとは限らないと明言するなどあまりにも一方的で高飛車な態度が非難を浴びた。

これらの方針はまったく市独自が決めたことであり、市民委員会第2グループによる募集と解釈されるのは誤解の元であるため、当時の第2グループリーダーが市担当部署へ苦言を呈している。個人的にもFBタイムラインでそのようなやり方は市民からの情報搾取同然であると断じ、方針が改められないうちは市へデータを提供しないように意見している。[6]
出典および編集追記:

* 市はホームページをセキュア対応に変えたとき殆どの記事のURLを整理しているため、既存のURLは殆どリンク切れになっている。中にはセキュア対応した後に([4]や[5]のように)記事そのものを削除しているものもある。

1.「宇部市|市制100周年記念市民プロジェクト募集!(2018/7/30報道)」(リンク切れ)

2.「宇部市|市制100周年記念市民プロジェクト募集!(2018/8/10報道)」(リンク切れ)

3. 例えば殆どの自治体が手放しで歓迎し推進している観光インバウンドがそうである。経済効果は非常に大きく、運営方法主題ではどの自治体にも人の流れを呼び込む可能性を否定しないものの、現状プラス面ばかりが強調されていてマイナス面に対して意図的に目をつむっているように思える。具体的に言えば、総力挙げて推進するほど未だソフト・ハード環境が整っていないと考える。人が集まりすぎることによる弊害は観光公害として認識されており、当サイトでは観光ファディズムとして問題視している。

4.「宇部市|宇部市制100周年記念市民プロジェクト始動!(2018/11/9報道)」(リンク切れ)

5.「宇部市|宇部市100年の記憶を辿る「写真・映像・音声」を募集します(2019/12/4更新)」(リンク切れ)

6.「FBタイムライン|宇部市100年の記憶を辿るデータ募集について(2019/12/1)」
ただしシェア元の市のホームページ記事はその後のホームページ記事整理の際に削除されている。

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