スーパー白鳥

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記事公開日:2014/3/26
スーパー白鳥(はくちょう)は、現在の草江1丁目にかつて存在していた独立系スーパーである。

かつての店舗の出入口があった場所をポイントした位置図を示す。


この記事を公開する現在においてはほっともっと宇部則貞店となっている。ただし建物は白鳥時代の流用ではなく新規建て替えのようである。
スーパー白鳥(以後本記事では「白鳥」と略記する)で検索すると青函連絡線の特急に関する記事が沢山ヒットし、これから述べようとするスーパーストアに関する記述は[1]にみられる程度で僅少である。母体となる会社創立は昭和42年11月1日で、有限会社スーパー白鳥として現在地にオープンしている。[4]残念ながら手元に店舗の写真や資料がないので、以下は個人的関わりも含めて思い出せる限りの一般事項を記述する。

店舗名の白鳥は恐らく常盤池のハクチョウから取ったものと思われる。常盤公園は宇部のシンボルであり、常盤池で飼われていたハクチョウもまた宇部の重要なシンボルであった。最近のスーパーは複数の店舗を構え、個別の店に支店名をつけるのが通例である。丸久であれば末広店などといった具合である。しかし白鳥に関しては「白鳥則貞店」のような呼ばれ方を聞いたことがない。スーパー白鳥と言えばこの店を指した。もっともそれは恩田在住の身という地域的理由と行動範囲の狭かった幼少期のことに起因するかも知れない。
市道空港線沿いの角地にあり後年大和岬店となった店舗は白鳥岬店だったかも知れない

当時の建屋が見える航空映像[2]を参照しても分かるように、白鳥は国道190号と市道恩田則貞線に挟まれた三角形の土地に店舗があり、入口は国道側に面していた。ただし現在のほっともっと店舗と同様、市道側からも車が出入りできるスペースがあった。店舗の裏側に倉庫兼事務室があったので、商品を搬入するトラック類は裏側から出入りしていたと思う。店舗は平屋で品揃えは個人経営の商店を拡大したような感じで、野菜や菓子、飲み物などがあった。入店時に空のカゴを持ち、好きなものを入れてレジを通る現在のスーパーストアのシステムは既に確立されていた。

いつから営業していたか定かではないが、少なくとも第2宇部ボウルが丸信恩田店へと変貌を遂げる以前からあった。後からオープンした丸信恩田店の方が敷地面積が広く肉や魚などの対面販売もされていたので、白鳥の売り上げに影響があったのは想像に難くない。しかし早々に店を閉めたわけではなく、丸信からアルク(丸久)に転換された後も営業していた。則貞は恩田地区以前から人口密度が高かったので、丸信恩田店が出来た後も近い白鳥を利用する買い物客の需要があった。閉店時期は平成期に入ってからだったと思う。
扱っている商品で特徴的な内容と言えば、店舗内ではないが店の入口近くに日清のカップヌードル自動販売機が置かれていたことである。お金を投入すれば商品が得られるというだけでなく、希望すればお湯が注がれプラスチックのフォークも添付されて出てくるタイプだった。これは同時期には自動販売機コーナーと目されるスペースには割と見かけた[3]ものの、スーパーに置かれているのはこの近辺では白鳥だけだった。現在、このタイプの自動販売機は絶滅種となっている。

店舗での買い物経験が殆どないので、品揃えなどは記憶がない。ただ、買い物金額に応じてスタンプを交付するサービスが既にあった。スタンプは横長の長方形で、薄い水色に白鳥の図柄だった。丸信のグリーンスタンプと異なり裏糊がないので自分で糊をつけて台紙に貼る必要があった。しかしグリーンスタンプのようにカタログから商品を選ぶのではなく、金券として使えるのが画期的だった。
丸久末広店の項目でも述べているように、丸久カードが誕生するまでは丸久でもどういう訳か白鳥のスタンプを交付していた。特に白鳥の閉店後は集めたスタンプを末広店で金券として扱えるようにする特例が一定期間告知されたように思う。このことから後期には白鳥の経営について丸久が一定の関与をしていたか、白鳥の閉店でスタンプが無効になる救済措置として丸久末広店で白鳥スタンプを流用し交付していたのではないかと想像される。[要出典]
《 個人的関わり 》
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常盤町にあった初期の百貨店の例となる富朝。平成期に東新川町へ移転している。
総括記事: 富朝
出典および編集追記:

1. 昔懐かしの想い出話など。

2. 昭和49年度版によるスーパー白鳥付近の航空映像

3. 正確な場所は失念したが、国道190号沿いの阿知須町付近上り線側に自動販売機コーナーとして多数の自販機が置かれた場所があった。そこにも当時は同様の調理された状態で供されるカップヌードル自販機があった。自動販売機コーナー自体は最近まで見かけたし、現在もあるかも知れない。

4.「続・宇部市民手帳」(ウベニチ新聞社)p.139

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