佐々並川ダム【4】

インデックスに戻る

(「佐々並川ダム【3】」の続き)

あわよくば堰堤まで行けてしまいそうに思えた管理道もその手前10m程度のところで厳重な門扉が設置されていた。
ダムに関する設備群の殆どは対岸に設置されていて遠巻きに眺めることはできた。しかし写真に撮って持ち帰るとなると困難な問題があった。
モロに逆光…
被写体の殆どは日の沈む方角にあった。しかもまずいことに傾きつつギラギラと熱源を浴びせかける太陽が管理所の斜め上方で、普段なら光量がある方が鮮明な画像になるべきところが裏目になってしまった。

普通にカメラを向けて撮影した映像である。
太陽は山の端のすぐ上にあって少しでもカメラを振ると明かりが入って白トビしてしまう。


管理所をズーム…といきたいところだが、逆光に邪魔されてもやがかかったような写真になってしまうのである。


これ以上ズームしても殆ど無意味だった。
もっとも肉眼では更に遠い位置に霞んだ状態の管理所が見えるだけだった。顔の上に手を翳さなければ斜め上方からの太陽光が目に入ってマトモに観ることもできない。
季節にも依るだろうが佐々並川ダムは午後の遅い時間は撮影に向かないと思う


県道分岐からずっと道沿いに設置されていた電線は、ここで一気に谷間を渡って管理所に引き込まれていた。
電線張る作業を考えただけでもかなりの恐怖…


ダムの左岸部は管理所より若干離れた位置に繋がっていた。
そこより一段高い場所にいろいろ見えているものが気になる。
左側に突き出ている鉄棒は門扉のネズミ返し棒


樹木が少し疎らになっている斜面に見えているコンクリート橋のような構造物とか…
これは今でも正体が推測できない


管理所の間の斜面にある小屋とも塔とも分からないものだとか…


ズームしてみたが正体がまるで分からない。
差し掛け小屋のようなものが2つ見える。その奥には通路にありがちな柵が見えていた。
記事を書く今となっては後述するあの施設と同じものだろう…


ダム本体の横方向に設置された管理通路の他に、左岸から直接谷底まで降りる道があるらしい。
コンクリート斜壁の上部に分厚い壁のようなものが見える。


あの壁の後ろに階段が隠れているのだろうか…もしそうならもの凄く急だろう。
先に観た最下段の管理通路の端は、やはりダム底まで梯子で降りるようになっていた。


やはり気になる…ダム底へ向かう管理通路と階段。
エプロンに接近する斜めの部分も安全に歩けるように階段状のコンクリートの突起が見える。


もしここへ降りることができたなら、カメラ片手に一日じゅう歩き回っても退屈しないだろう。もっともこんな場所でクマさんに遭遇でもしたら本当に逃げ場がないが…
期待的な予想に反してこの管理通路は下流まで繋がっていないと思う。恐らく通路と柵はあるものの下流の途中で行き止まりになっている。佐波川ダムの管理区域内に見える通路がそのようになっていたからだ。
残念だがこの場所から見えるものはこれ位だ。
進入路を引き返すことにした。


せめて崖に生える樹木がもう少しおとなしめだったら…自分の居る右岸側の谷底も観ることができただろう。
あれでも降りられはしないか…と未練がましく管理道の外側を眺める。


いくら何でも無謀だ。最初の石積みだけで背の高さ近くあって安全に降りられないし、降りた先は殆ど垂直に近い傾斜だ。土の斜面のようだから足掛かりは良いかも知れないが、木の葉があれほど積もっているなら絶対に滑る。そして足を滑らせれば間違いなく一番下まで転がり落ちるだろう。
落ちれば今いる管理道まで再び戻って来れるか否かの問題ではない。彼岸へ行ったきりで此岸に戻って来れない事態になり得るだろう…
そうなったらこの記事の続きを一体誰が書いてアップロードしてくれると言うのか…^^;

更に登っていく林道の斜面に階段が見えていた。


これもダムに関連ある何かの施設だろう。延々と上の方まで続いているようにも見える。


車の元へ戻る前にちょっと偵察してきた。


階段部分はコンクリートと鉄骨の混成である。
コンクリートの見た目がかなり古い。ダムと同時期のものだろう。


間上発電所の階段みたいに延々と上まで続いているわけではなかった。階段は2往復した後にそこで途切れていて、荒れた沢の一段高い場所にコンクリート桝のようなものが見えた。


気にはなるが、そこまで実際に足を運ぶ本気度までは駆り立てられなかった。
階段から先は岩がごろごろした急斜面で安全に歩けないし、見たところ山の水を集める桝に過ぎないように思われたからだ。


もうちょっと興味を惹く物件がいくつかこの先に見えていたなら、あるいは少々努力してでもあの場所まで到達していたのだが…まあ大したものではないからいいだろう…

しかし労力を払って階段を途中まで登ったのは決して無駄ではなかった。
引き返すときに自然と秀逸な眺めが得られる場所へ誘導されていたからだ。

おおーっ!!


視座が上がっている分、目の前を遮る樹木がない。管理通路の門扉前から眺めるより深いところまで見える。ダムを横から眺めるなら今までで一番良い撮影場所だ。
あとは…あの忌々しい逆光さえどうにかできたなら…

(「佐々並川ダム【5】」へ続く)

ホームに戻る