フォルムを愛でる・多角形

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記事作成日:2021/6/22
最終編集日:2023/8/20
ここでは、市内の物件または素材に観察されるフォルムのうち直線によって構成される多角形を収録する。
正確な多角形ではなく、直線によって構成される多面体的な要素も含む。
《 三角形 》
真締川水管橋の正三角形。(遠景


上部2本の鋼管が、工業用水の流れる本管を吊り上げる構造になっている。撮影した翌日にFBタイムラインでも紹介している。FBタイムライン|フォルムを愛でよ



「みつびしってのが造ったんだぜ!」「嘘吐け」


これに限らず消波ブロックには面白い形をしているものが多い。



チョー狭い逆正三角形をした横断水路。


等脚台形を上下ひっくり返した形という方が正確だが、ぱっと見て正三角形がイメージされたので。
次に訪れたときは垂れ下がる木の根などを払ってから撮り直したい。
《 四角形 》
道路にペイントされた正方形。


場所は市道西中通り線の助田付近(引きのショット)である。
交差点にあるペイントは×や+状になっているものが多い中、正方形は珍しいかも知れない。



渡辺翁記念会館の象徴の柱に当たる光の影と床のタイルが織りなすフォルム。(遠景


日没後のメルカドでライトアップされた6本の柱を撮影しているときに気付いた。中学校の数学で xy 平面に一次関数のグラフを描くシーンを思い出す。FBタイムライン|幾何学的フォルムを愛でる



精密に加工され積み上げられた間知石積み。(遠景


市道梶返線の途中にある民家の石垣にみられる。間知石積みは何処にでも観られるものだが、石材の縁を可能な限り直線的に加工して接ぎ合わせたものは通常の石積みより手間がかかり、有力者の屋敷だったことが想像される。
《 五角形 》
ベース板型をした巨大なコンクリートのウェイトか。


黒石中学校の手前にある空き地に放置されており、かなり大きい。(引きのショット)正体はよく分かっていないが、この奥にかつて作業所があったらしい。作業上必要な重りかも知れない。



厚東川の五田ヶ瀬井堰下にある瀬を渡る飛び石。


コンクリート製で、恐らく昭和41年の県による改修時に造られている。水流を逃がすため上流側が尖っている。水量が増えたときは沈み橋と同様に全体が水中に隠れる。
《 六角形 》
上水管の上に被せて置かれた奇妙な形のコンクリート塊。


中山浄水場より上水を桃山配水池へ押し上げる斜路にみられる。この形状をしたコンクリートは市内でここ以外見られないことから、単体で写真のみ見せたときの場所当てクイズとして成立する。



正六角形に丸形を描いたような形のブロック材。
少しでも有機化学を囓っている方なら、フェナントレンのようなPAH(多環芳香族炭化水素)を連想するかも知れない。


ブロック材として使われている以上、量産されている筈である。しかし今のところ市道木田線沿いで発見されたものの他の場所では未だ知られていない。



市道梶返野中線沿いにある正六角形に近い形をした間知石が嵌め込まれた石積み。


谷積みされた間知石は四角形以上の不定形を巧く接ぎ合わせて造られている。このように綺麗な亀甲形をした石材は極めて稀である。現地合わせする際に石工によりその形状が明白に意識されたようで、表面に屋号を思わせる刻みがみられる。記念に刻みつけたと考えられ、同様の事例は今のところ藤曲の扇石と草江児童公園の事例が知られるのみである。



温見地区にある昭和初期に掘られた補助水源井のうちの一つは正六角形をしている。


正方形と正六角形をした井戸が2つ存在する。これは厚東川ダムが建設される以前の渇水対策として掘られたもので、いくつか存在していたうち今はここにのみ遺っている。以前は正六角形の井戸が明瞭に見えていたのだが、周囲の草木が伸びて今は分かりにくくなった。



ときわ公園の石炭記念館横にある蒸枠記念碑は石材も台座部分も六角形をしている。


蒸枠とは初期の石炭採取において深い竪坑を補強するための技術遺産である。最初期には井戸状の竪穴を掘って採取していたが、掘削できる深さに限界があり、土質や湧水によって崩落するリスクがあった。深い竪穴を掘るには補強が必須だった。この過程で正六角形状に竪穴を補強する蒸枠のアイデアが生まれた。

この発明は亀浦の向田兄弟に帰せられている。三角形は配置しやすいが竪穴自体が狭くなり非効率である。四角形では対面にある部材が外れるなど変形しやすい。五角形は施工が難しい。平面充填図形でもある正六角形が採用されたのは想像に難くないが、それを初めて実地に導入したことは高く評価される。この竪穴補強法は九州の炭田でも取り入れられた。

台座の正六角形は意図的なものであるが、蒸枠記念碑の文字が刻まれた石材は、正六角形に近い石材を見つけてきて加工したものであろう。この文字の左側には「勲四等 渡邊祐策書」の文字がみられる。
《 その他多角形 》
気持ちが凹んでいるときに見ると中和されるかも…


これはパッチを当てたようなある構造物の側面の拡大ショットである。これを見てもなお意味が分からないかも知れないが…FBタイムライン|2019年11月24日の投稿



これも気持ちが凹んでいる人向け?


場所は宇部丸山ダムの貯水池部分に使われている護岸材である。夫婦池の護岸部など他に見られる場所はかなり限られている。FBタイムライン|2019年12月3日の投稿



同じ形をしている倉庫を見つけた。


小羽山ふれあいセンター裏の倉庫である。もう少し視座を上げられればキレイな形になるのだが…ドローンを低空飛行させれば実現可能であろう。



十字型と言うには太り過ぎているし、食パンみたいって言ってもちょっと形が違うし…


これは垂直土壁工に用いられるコンクリートブロックで、垂直に積み上げた上で内側にベルトを取り付け緊張させた状態で埋め戻し安定させている。平成期に入って現れた素材で、市内では小野地区の市道奥宇内線で初めて採用されている。フォルムと言うよりは目にするたびに現場施工を思い出す素材である。現在では至る所にみられる。FBタイムライン|2021年5月5日の投稿



ワンちゃんの大好物な骨のフォルムそのまんまやん…


これだけ見ても正体はまず分かるまい…これは法枠のパーツで、網目状に配置して内部に栗石を詰め込んで法面保護施工される。ある場所で法枠が崩れて転がり出ていたのでフォルムが面白いと思って撮影した次第だった。
《 多面体 》
ピラミッドみたいな岩の連なるある場所の海岸。(別アングル


岩自体はありふれた種類の蛇紋岩だが、含まれる成分と形成過程によって平面的な割れ方をするようになる。



秀麗なフォルムの道路元標。


四角錐の上部を切断し、傾斜角の異なる四角錐を載せたような形状である。フォルム以前に常盤通りの端点を定義づけるモニュメントとして重要。



庭先に造られた四角錐の雪のオブジェ。
申し訳ないがさすがにこれは既に融けて存在しないため検証可能性は満たさない。


2020年の年明けに大雪が降ったとき、渡り廊下の上に大量に積もっていた雪をかき集めて作製した。隣接する正方形の領域は、足跡を付けるのを避けるための作業スペースである。製作した翌日から天候が回復したが、雪のオブジェは3日間原形を保っていた。FBタイムライン|雪と戯れる
《 地図 》
コードネームYは、ターゲットエリアに「7」を発見した!


映像は Google map だが、地理院地図でも同様に見えている。

「これは地図をこよなく愛するルパンファミリーだけが気付くように仕組まれた何かのメッセージに違いない」と、コードネームYは報告している。FBタイムライン|2021/8/18のタイムラインこの実体はただの階段なのだが、ある由来よりコードネームYによりでにさ階段と勝手呼称されることになった。

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