コウモリ

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記事作成日:2023/7/16
最終編集日:2023/7/17
コウモリは、飛翔可能な羽根を持つ夜行性の動物の一つである。
写真は萩市の上内地隧道で羽根を休めている個体。


コウモリはヘビほどには忌避されない生物だが、ネズミに似た顔をしていることと洞窟の壁などにびっしりと多数の個体がひしめき合っているのを目撃されることが多く、苦手とする人があるかも知れない。
《 概要 》
ヘビ等とは異なり、日常生活では夕暮れ以降に飛び回るのを目撃されるのみである。その様子を見ればツバメと間違えられるかも知れない。個体を近くで眺められる機会は殆どなく、およそ現代人には縁遠い生き物である。

しかし観察されづらくなったというだけで、昼間でも暗く人があまり訪れない洞窟、防空壕、隧道や比較的長い立体交差(ボックスカルバートなど)に居る。大抵は壁や天井にぶら下がって休んでいて、上記の写真のように近づいても騒ぎ立てない限りじっとしている。

コウモリと言えば吸血ドラキュラを想像する人が多い。実際には人間どころか哺乳類に取り付いて血を吸うコウモリは稀であり、少なくとも国内には居ない。元から人を襲う動物ではなく、至近距離を飛び回ると恐怖感があるが人にぶつかってくることはない。ただし洞窟の中など手を伸ばせば届く壁にぶら下がっているコウモリを見ると触ってみたくなるだろうが、後に述べるような理由から止めた方が良いだろう。
【 台所侵入騒動 】
ある種のコウモリはアオダイショウなどと同様、人家の周りに棲み着いている。シャッターを開けていれば車庫に入ることは起こり得るが、ごく稀に家の中へ入ってくることがある。

恩田に住んでいた時期、家の中にコウモリが入り込んで飛び回り大騒動になったことがあった。当時のことは2000年6月25日に「自宅で飛び回るならず者!」というタイトルで日記が作成され、当時運営していた「すたのホームページ!」で公開されていた。ホームページでの収まりが良いように一行全角40文字の第二禁則処理ルーツで書かれている。ホームページ自体はローカルに保存されているので、該当箇所を以下に掲載する。
(前文省略)そう。帰宅した直後、デジカメのお世話になるような事件が発生したんです。
 風呂から上がって我が居城へ‥と階段のあかりを付けたとき、何やら黒いものがワッと
顔の前に向かって来た!。
「うわぁ〜!。何じゃこりゃ!」
 コウモリです。
 一体どっから侵入して来たのか?。そう言えば一昨日あたり階段の電気を付けたときも
何やらガサゴソ動くものを見つけていました。
 別に家の中に居たって悪さをするわけじゃないんですが、うちは幽霊屋敷じゃないので
やっぱり悪いけど外に出て貰わないと。飼ってやるわけにもいかないし。
 玄関の電灯にへばり付いていたのをホウキで払うと、そいつはマズイことに居間の方へ
飛んで行ったんだよね。
 「どこへ逃げた?」
 「カーテンにひっついちょる。」
 さて。どうしてつかまえるものか?。
 そう言えば数年前にもこんなことがありました。あのときはどうしてもつかまえきれず
部屋の中を我が物顔で飛び回るコウモリに悪戦苦闘したっけ。こっちも負けじとばかりに
ホウキを振り回していたら、偶然”ヒット”しちゃって敢えなく気絶しちゃったなあ。
 『生け捕りにしよう‥。』
 そう。生け捕りにして我がHPの日記に登場して頂こうって魂胆です。
 デジカメで撮影するのに好都合なように、台所から大きめのビニール袋を探しました。
コウモリは暗いところが好きなので、カーテンを少しずつ這い上がってカーテンレールの
薄暗い部分に身を隠そうとしていました。私はその真下に椅子を置き、ビニール袋の口を
広げながらそいつの方へ向かって押しつけました。
 撮影されたいって思ったのか(?)意外にコウモリは簡単に袋へ入ってくれました。
 「さあつかまえたぞ。」
 まるで漫画『トム&ジェリー』のトムさんみたいな台詞が口をついて出ます。
 さて、ここから私の”悪趣味”が始まります。
 ビニール袋に押し込められては、さすがのコウモリ君も抵抗できません。私はわざわざ
デジカメを持ち出して撮影を試みました。しかし恐れをなしたのか、ギュッと縮こまって
いるのでカメラのファインダーで覗いても何を撮っているのかよく分かりません。
 それでコウモリ君に自分をアピールして頂くために、ポーズを取ってもらいます。即ち
コウモリと言えば誰でも羽を大きく広げたポーズを思い浮かべるでしょう。
 「こら。羽を広げろ。」
 ビニール袋の上から羽をつまんで引っ張ります。コウモリは仕方なく羽を広げました。
そうしていかにも”コウモリらしい”ポーズになったところで撮影しました。

生け捕りにされたコウモリ君 (30.5KB)
マクロ機能を使って撮影してみました。ビニール袋が室内の光を 反射するのでキレイに撮るのに結構苦労しました。こんな写真は 撮ろうと思ってもそうそう撮れやしないでしょう?。 (女性の方は不用意にクリックしない方が良いかも...)  羽を広げたときの大きさは30pくらい、顔はみたところネズミそっくりです。ネズミに 古くなってカビの生えた昆布をひっつけたみたいな感じの出で立ちやね。  撮影のため無理やり押さえつけてポーズを取らせていたら、ギェギェッと鳴きました。 コウモリが鳴くなんて知っていました?。  撮影に協力してもらった後は、住みかに帰してやることにしました。と言ってもどこが 住みかなのか分かりません。それで玄関を出たところで逃がそうと思いました。  玄関に出たところ、驚いたことに外灯の近くに別のコウモリが壁にひっついていた!。 このとき思ったね。もしかしてこのコウモリは夫婦なんじゃないかと。変な所に迷い込み 出られなくなったご主人(奥さん?)を心配して、ずっと外灯の下で待っていたのかと。 第一、普段こんなところにコウモリ居るの見たことないもの。  それで壁に登らせようとビニール袋の口を壁際に押し当てたんですが、本当に逃げても 良いのかと戸惑っているように、なかなか歩き始めようとしません。地べたに逃がしても 飛ぼうともせず、ノソノソと歩いて草むらの中へ歩いて行ってしまいました。  無事に家に帰れて良かったね。でも今後は家に無断で侵入するのは勘弁してよね。
20年以上前のことなので、自分で書いた日記と言っても当時の状況はあまり覚えていない。台所に逃げ込んだ後、冷蔵庫の上をグルグルと飛び回っていた。何処の家でも台所の上や天井には埃が溜まっていて、コウモリが羽ばたき回るので埃が散ってエラいことになってきたので、親から何とか捕まえて外へ逃がしてやってくれと言われて私がほうきを振り回したのは覚えている。たまたまクリーンヒットして、コウモリは冷蔵庫と壁の隙間に墜落した。

コウモリがネズミみたいな出で立ちなのは知っていたので、不用意に手を入れて引っ張りだそうとすると噛まれるかもと思った。それでほうきの柄の部分を使ってその黒々とした生き物を引きずり出した。

袋へ押し込めた状態で当時持っていたデジカメで通常の撮影とマクロ機能(現在で言うズーム)を使った2枚を撮っている。以下がその写真である。



日記の喩えの通りコウモリの顔はネズミにそっくりで、全体は干涸らびた昆布を無理やりくっつけたような出で立ちである。羽根はビロード風だが実際に触ったことがなく分からない。羽根を拡げたコウモリは今のところこの時以外にまだ撮影できていない。
《 注意すべきこと 》
洞窟や古い隧道、地方部で人通りが殆どない長いボックスカルバートを歩くと、ほぼ間違いなくコウモリが棲み着いている。近づかない限りじっとしていることが多く、確認するためにライトを当てても壁にじっとして留まっている。光の届かない深部になると集団で天井にびっしり群れていることが多く、見たこともない光景で恐怖を覚えるかも知れない。


ライトを当てるだけならゲジゲジとは異なり騒ぎ出すことは少ない。しかし大騒ぎしたり絶叫したりするとコウモリたちも非常事態と認識して飛び回り始める。出口が近ければ明るい方に向かって飛び去っていく。このとき至近距離を飛び回るためコウモリが苦手な人は恐怖に陥る。バタバタと羽ばたかせることによって後述するリスクも上昇するため、慌てず立ち去ることである。

そうかと言って動かない個体に近づきすぎるのもリスクがある。特に他の野生動物と同様、安易に触ったり捕まえて観察することは以下のようなリスクを伴う。
【 咬傷 】
近くで観察するとコウモリはネズミのような顔をしている。歯はそれほど鋭くないようだが、不用意に指を出すと噛まれる恐れがある。噛まれたことによる痛みや怪我よりも、後述する野生動物由来の感染症が心配される。
【 感染症をもたらす危険性 】
コウモリは人と野獣が共通して感染する病原体を保有している。日本ではまだ実際の感染事例は報告されていないようだが、コウモリに直接触れることはもちろん棲息環境にある糞や羽ばたくことによって飛散する病原体への接触が懸念される。

実際には夕方以降に身の回りでも飛び回る生物であり、過度に恐れる心配はない。しかし大量に棲息する洞窟内などで一斉に羽ばたく中を歩くことはリスクを伴う。これは他の動物でも同様なリスクがあり、その場所を観察することによってもたらされる利益との平衡を考慮して判断することになるだろう。

まさかコウモリを捕まえて飼ってみようという人は居ないだろうが、飼う以前に捕まえること自体が法律違反なので注意したい。
こうもり問題について
コウモリは鳥とも獣ともつかぬ中間的な外観をしていることから、どっちつかずの態度をとって巧く振る舞う喩え(寓話の卑怯なコウモリ)に登場する。現在の実務的な問題としては、大量に存在する物品やデータをAとBのどちらに分類整理すべきか迷う場面があり、こうもり問題と呼ばれている。 詳細は画像の分類手法|こうもり問題についてを参照されたい。
出典および編集追記:

1.「Wikipedia - コウモリ

2.「FBタイムライン|2023/7/15の投稿

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