白岩公園・第三次踏査【4】

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(「白岩公園・第三次踏査【3】」の続き)

法篋印塔のある広場から一旦メインの園路まで降り、例の巨岩がある場所へ接近した。

「大自然」の文字と短歌が刻まれている巨岩。
園路から少し登った斜面から撮影している。


第二次踏査では最初に短歌を見つけていたため、記事では位置関係がよく説明できていなかった。両者は同一の巨岩の隣り合った面に刻まれている。

改めて調べると、この巨岩に接近するための石段がちゃんと存在していた。
木の葉にカモフラージュされて気付かなかった。


巨岩は斜面の上に載っており、短歌が描かれている側は接近しやすいが大自然の文字が面している側は斜面が急である。このため第二次踏査では撮影に難渋したのだった。

この位置関係が分かるように動画で連続撮影しておいた。

[再生時間: 34秒]


斜面の下には奇妙な棒状の遺構が埋もれている。
存在自体は第二次踏査でも気付いていたが、撮影していなかった。
その直後に見つけた五重塔に興味を奪われていたので


元がどんな形状だったのか分からないが、斜めに折れたような痕跡がみられた。直径は約20cm、ところどころに縁状の出っ張りがみられる。
陶管の内部にコンクリートを封入しているようにも見える。


この遺構は私の後に現地を訪れたメンバーも確認している。元は一体何だったのかは未だ推測すらついていない。この斜面には他にも石材の破片などが散らばっており、木の葉の下に埋もれたままになっている破片もあるように思える。

短歌のある側の巨岩は縦にクラックが走っていて2つに割れていることは以前から分かっていた。
その下部は隙間が広がり洞窟のようになっていた。


内部に何か古いものが遺されているかも知れないと感じて接近してみた。
間口はかなり狭く大人が入り込めるようなサイズではない。


フラッシュ撮影してみた。
やはり内部は何もなく自然の空洞に過ぎなかった。
幼少期に中へ潜ってみたという人もあるのでは…


この巨岩がある付近が最も沢の幅が広い。中間部分を堰堤で締め切って2つの池を造っている。


柱状の石材を横に積み上げて堰堤のようにしている。
中央部に陶管が見えている。これで下部の池に水を送っているらしい。(正規の名前があるのかも知れないのでここでは仮に上池とでもしておく


上池の堰堤にあたる場所まで降りてみた。
上池は下池よりもずっと大きい。園路の反対側の斜面も石を並べて補強されていた。


この倒木がある最後の石段がメインの園路のピーク地点になる。今のところあの場所が白岩公園の北端だろうと考えている。
マップでは倒木峠と仮称している


上池の上端は細い沢になっていてその先に石橋が架かっている。これは初回踏査のときに分かっていた。
それはいいとして…


上の写真には沢の上部に何やら奇妙なものが写り込んでいる。
読者はお気づきになっただろうか?

これである。
少し接近してズーム撮影している。


全体がびっしり苔に覆われた何かが池の底に見えている。
これは初回踏査であの石橋を撮ったときにも気が付いていた。しかし投げ捨てられたウィスキーの瓶に苔が付いたのだろう…位に考えて調べていなかったのである。
しかし瓶にしては形が奇妙だ。お寺の釣り鐘のようにも見える。

詳しく調べるために斜面を降りての撮影を試みた。
上池の底はメインの園路から5m位低い位置にある。斜面は木の葉が大量に積もっていて滑りやすく足元に注意を要した。


やっと池の縁まで降りてきた。
水面は夥しい枯れ葉に覆われているためにどの程度足元がしっかりしているか分からない。


足元を確かめつつ少しずつにじり寄った。
さて…
これは一体何?


砲丸のように先が尖っており、底部はくびれがあった。先端に注ぎ口がないのでウィスキーの瓶でないことだけは確かだった。
ここまで近づいて眺めても材質が何であるか想像がつかなかった。外観は石材かコンクリート製のようだった。しかしこれと似た形のものを思い付かない。強いて言えば庭園に設置される石灯籠の異種というところだろうか。
まったく…次から次へとわけの分からないものが見つかるものである。

この正体不明の物体は単一の部材ではなく、台座部分とウィスキー瓶のような2つに分かれていた。台座の方にもウィスキー瓶状の物体と似たくびれのような装飾があった。
先の梵字池で発掘したときと同様、まず現状を写真撮影しておき、それから台座部分に載っていた枝を除去した。最初の状態を記録するためである。

ウィスキー瓶らしきものの先端を持ってちょっと傾けてみた。
やはり台座の上に載っているだけで動かすことはできたが…とても重い。この重さならやはりガラス瓶では有り得ない。石かコンクリート製だ。鋳物ではないと思うが、とても持ち上げられる重さではなかった。

そこで台座部分を観察するために先端を握り、縁を回すようにして動かしかけたのだが…
そのとき…


大きな「MKD」がカサカサッと走り去った…
うわわぁあーーー。・゜゜・(>_<;)・゜゜・。
どうやら台座あたりにひっついていたらしい。逃げたMKD以上に驚き、慌てて石を元の台座の上に戻した。
KMCも含めてこういう類の虫類には滅法弱い。目にするだけで全身が痒くなってしまう。

こういうことがあるので山中で落ち葉をかき分けて何かを探るときには素手ではなく軍手を装着することを強くおススメする。
結局、これは池の中に設置された石灯籠ということにしておこう。何でこんな奇妙な形をしているのかという疑問はあるが答があるとも思えない。この池を含めて白岩公園は私有地の庭園であり修養のための場でもあった。何でもかんでも興味本位に弄り回して現況を変えるのは行儀が悪いだろう。

上池の上端に架かる石橋。
今でこそ落ち葉に埋もれているが、取り除けばかなり秀麗な庭園の姿が現れそうだ。


メインの園路は2組の石段を経て峠部分に到達する。
倒木をくぐった先の左側に法篋印塔の広場に向かう園路がある。右側に向かう道はない。


しかしメインの園路向かって右側にはかなり立派な石積みが備わっている。
それも2段構えの石積みで、お城の外壁を思わせる規模だ。


この場所は初回踏査のときから気になっていた。単なる土留め目的でこれほどの石積みを拵えるものだろうか…
見落としがあるかも知れないと感じて再びこの周辺を調べることにした。

(「白岩公園・第三次踏査【5】」へ続く)

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