白岩公園・第五次踏査【8】

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(「白岩公園・第五次踏査【7】」の続き)

法篋印塔の裏手付近が周辺部の最高地点で、平坦な広場になっていた。そこに至る踏み跡もあった。

まず広場の縁をなぞるように歩き外部へ接続される道があるか調べた。
しかしピーク部分の先は酷い藪になっていてどの方向にも進攻不可能だった。
初回踏査時にこの先へ進めば白岩公園コースに出られるだろうと勘違いしていた場所である


昔は子どもたちが遊び回る広場だったような雰囲気がある。
実際はどうだったかは分からない。ただ、現地は枯れ草が堆積し割と新しい感じのゴミが落ちているだけで遺構は何も見当たらなかった。[15:18]


ここは丹念に調べれば何かが出てきそうな気がする。特に広場一体に地面が見えないほど枯れ草や木の葉が積もっており、何かが隠れていそうな気がした。もっとも地面を覆う枯れ枝をすべて片付けること自体が気の遠くなる作業だし、まして私有地であることを思い出す必要があった。これ以上の調査は見送り引き返した。

再び法篋印塔のところへ戻り、垂れ込める枯れ木などを除去して法篋印塔の写真を数枚撮った。[15:22]
明瞭に写っている写真が意外に少なかったので


法篋印塔のある雛壇部分は元から来園者が接近できるような園路はなかったのかも知れない。
園路と雛壇部分を行き来する石段が見当たらないからだ。


上がる石段があるとすれば石積みの端になるこの辺りだろう。
今は木の葉と土砂が積もっており殆ど確認のしようがなかった。


来園者向けの石材によるベンチ。
初回踏査時よりも周囲の藪が刈られベンチの上に拾い出したとみられるゴミが置かれていた。[15:29]


前回踏査時にはなかったので、記事を見て現地を訪れたどなたかによるものだろう。
錆び付いてラベルが全く読み取れないスチール缶、ビー玉、ビール瓶などだ。まだ白岩公園に訪れる人があった時期に遺されたものだろう。
ビー玉というのがよく分からない…どういう訳か白岩公園にはボールなど子どもの遊び道具がよく見つかる


有志メンバーによる幾度もの訪問を受けて枯れ木を片付けたり倒木を取り除いたりしているので、現地の藪は初回よりは薄くなっている。
そうは言っても現状はまだ藪に眠るアンコールワットだ。夏に向かえば再び藪も深くなるだろう。
6月入りした現在では蛇や虫害対策をしないととても近寄れないと思う


足元の悪い藪歩きに斜面の上り下りでさすがに疲労の色が見えてきた。目立った新しい発見もなく高台部分の大方の場所は調べたので、そろそろ帰り道の方向に近い場所だけ検証することにした。

法篋印塔に至る3連続石段の上から撮影している。
恐らくメインの道ではないが地図でも石段が記載されている主要な部分である。[15:31]


最後の石段の手前に四角い穴の痕跡を見つけた。初回踏査では気付いていなかった。
似たようなものが上池があるメインの広場にも見つかっている。木戸の基礎穴ではないだろうか。


連続石段の途中から振り返って撮影している。
五重塔は3連続石段の最初の一組の石段を上がった先右側にある。


岩の上に聳える五重塔。
四つ足の部分だけで立っており、尖った屋根の部分に破損がないことから一度も倒れたことはないと思われる。


五重塔の園路側に排水用の陶管が突き出ている場所がある。
ここはまだ報告していなかった。[15:35]


内部にカメラを押し込んで撮影。当然ながら閉塞していて先は見えなかった。
どこからの水を排出しているのか分からない。


この周辺には意味ありげな石材などの破片が多く見つかる。


「大自然」を見つけたときから気付いていた四角い石材。
この直後に五重塔を見つけたために調査を忘れて通り過ぎていた。


間知石よりはずっと小さい石材だ。形も整っているので石積みではなく他の部材に用いられていたものと思う。


この石材がある同じ平地にはゴミも含めて人工物が散らばっていた。
「大自然」の斜面のほぼ下にあたる場所だ。[15:37]


以前にも指摘した棒状の石材。
陶管にコンクリートを流し込んだような形状だ。
この場所にはかなりの遺構が埋もれているように思う


太さは30cm程度で長さは地表に現れている部分で60cm程度か。
K氏は五重塔の先端に取り付けられている部分に似ていると指摘している。


しかし五重塔の上部にある部品にしては直径が太い気がする。あるいは五重塔の先端部分が折れてここまで転がってきた可能性はあるだろうが、あいにく五重塔の上部がどうなっているか詳細に調べていなかった。
先に掲載した写真でも上部が隠れていてよく分からない

そしてこの円筒状の遺構と対になると思われるものが近くに転がっていた。

(「白岩公園・第五次踏査【9】」へ続く)

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