清水橋梁

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記事作成日:2023/6/10
最終編集日:2023/6/17
清水橋梁は、山口市小郡新町5丁目にある里道と水路共用の橋りょう構造物である。
写真は北側からの撮影。


位置図を示す。


この構造物にはJR山口線の他のものと同様、名称などを記載したプレートがない。周防下郷駅側にガーダー形式である柳井田橋りょう、上郷駅側に県道との平面交差となる柳井田踏切があることから、当初はその構造体から柳井田拱橋と仮称されていた。後述するように清水橋梁として紹介されたことから、当面はこの名称で記事を作成する。
《 概要 》
拱橋構造の両側は一般的な石積みで補強されている。


4層のレンガが接する部分は、切り欠かれた石材が配置されている。
分散された荷重を支えるこの構造で、円弧の3分の1だけのレンガ巻きで上部を支えることが可能になっている。


内部のフラッシュ撮影。
ここへ至る里道があるが、四輪は通れず現在は人の通行も殆どない。


石材とレンガはそれぞれ目地が充填されている。
綻びが殆どなく、最近造られたような印象を受ける。


JR山口線の小郡山口間は大正初期の建設であり、隧道あるはずでしょうで紹介された拱橋は後年北側へ延伸された津和野線にあたるので、この構造物の建設はそれらよりも古いと考えられる。

北側を内部から撮影。
撮影時では隣接する敷地で建屋の建設工事中で、里道が通行止めになっていた。


枯れ草が埋まっていて分かりにくいが、全幅のうち半分程度が里道で残りが灌漑用水路となっている。
水路部分には桟木を敷いて物置のように使われていた。


列車通過時の様子。


土被りがそれほどないので、殆どレンガ巻きの拱橋構造だけで上部の荷重を分散させている。
《 個人的関わり 》
隧道どうでしょうのシーズンIIIで浅地川橋りょうが紹介された後、鉄道構造物の同種の拱橋に興味が向けられ始めていた。スピンオフ企画である隧道あるはずでしょうが放映された後、同様の興味深い構造物がJR山口線の周防下郷〜上郷間に存在することが一視聴者のS氏によって示唆されていた。

初めて現地を訪れたのは、2022年12月末の第二次合同調査でS氏に案内されたときだった。
写真はこのときのS氏による撮影。


その後この物件が隧道どうでしょうで採用され、翌年2023年2月にシーズンVとしてロケが行われた。
【 番組での紹介 】
清水橋梁は山口ケーブルビジョン「にんげんのGO!」の中で、隧道どうでしょうのシーズンV企画として放映された。それまで名称が分からなかったが、放映にあたって諸資料を調べることによってこの名称で紹介されている。


この資料を直接見たわけではないが、JR西日本のパンフレットに依ると聞いている。通常、鉄道のガーダー橋には側面に「××橋りょう」の如く漢字平かな混じりで記載されているが、清水橋梁はすべて漢字表記であったためその表記を継承している。

現地の案内と解説は宇部マニアックスが行ったが、自力で発見したのではなく鉄道構造物に興味を持つ視聴者さんからの紹介だったことを明かしている。
番組でこのことを話したとき、どさけん氏は「宇部マニさんみたいな変わった人から連絡を頂いたってこと?」とコメントしている。


まさにその通りである。元々S氏は鉄道カテゴリの中でもいわゆる”撮り鉄派”で、鉄道構造物そのものにはまったく関心がなかった。特に隧道あるはずでしょうが受賞後に再放送された後、関連構造物の調査を提唱している。第二次合同調査では清水橋梁を視察後、徳佐駅などを含めた周辺の撮影を行っている。この過程で鍋倉橋りょうに立ち寄っている。
出典および編集追記:

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