「にんげんのGO!」

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記事作成日:2019/11/9
最終編集日:2022/1/16
情報この記事は記述内容が多くなってきたので各項目毎の分割再構成を予定しています。

「にんげんのGO!」とは山口ケーブルビジョンの自社制作しているバラエティ番組である。
写真は「にんげんのGO!」のトップタイトル。表示された瞬間の画面をデジカメ撮影している。
番組放映状態のテレビ映像を撮影しこの総括記事へ公開することに関して承諾を頂いています


番組のプログラムは毎週月曜日に更新され、週末まで放映される。プログラム予告や概要については公式ブログで案内されている。
外部ブログ記事: にんげんのGO!
2018年の春先より後述するような背景より、宇部マニアックスが散発的に番組に登場するようになった。殊に宇部市内の物件を紹介する折りにはFBページのノートで放映月日や時間を読者に告知している。そのとき番組名が分かりやすいように括弧付きで表記していたので、以下では(正式名は括弧付きではないが)括弧付きの「にんげんのGO!」と表記している。

番組に登場するメンバーおよび出演者は(前述のブログなどで公表されていることにより)写真や映像と共にすべて実名ないしは通称名で掲載している。なお、当初考えていたよりも記述量が予想外に膨れあがってきたので、更に編集追記して分量が増える場合は項目を分割してリンクで案内する。
《 概要 》
「にんげんのGO!」は、山口ケーブルビジョンが自社制作している20分枠の番組で、毎週月曜日に特集やシリーズが差し替えられ同じ週の日曜日まで放映される。放映開始時間は11時25分[a1]、14時40分、19時40分、22時40分の一日4回となっている。

山口ケーブルビジョンの自社制作番組なので契約家庭以外では視聴できない。番組のみを YouTube などで有償配信することは現在のところ行われていない。したがってNHKや大手民放のような全国規模で放映される番組と比較すれば視聴者の絶対数は規模が異なる。しかしスポンサーがついて大手民放会社が制作する番組の人気凋落からテレビ離れが進む中、山口ケーブルビジョンでは視聴契約を結び有償で番組を視聴するというハードルの高さにもかかわらず着実に視聴者数を増やしている。そこには従来の視聴率という古い物差しに依存するのではなく、視聴者数こそ限定されるものの一部のコアな人たちの知的好奇心を掻き立てて満足させるに余りある番組制作の方針によるものが大きい。この取り組みは他地域のケーブルビジョンと比べて抜きんでており、高い自社番組の制作率をもつ。[a2]

私個人としては自宅にテレビ自体がないものの、野山では何年も前から山口ケーブルビジョンを視聴契約している。大手民放の番組は視たいものがないという親の意見の他に、付随してインターネット環境の構築が僅かなコストで実現できる点も大きい。親自身はインターネットを使っていないものの同居する兄が利用している。私も野山でネット環境を必要とするドキュメントを親に見せるときには(スマホを持っていないため)ノートPCを持参してネットに接続している。
上記項目は山口ケーブルビジョンの項目を作成した折には移動する
【 番組タイトルの由来 】
恐らく国内何処の他局でも同じか類似するタイトルはないと思える独特な番組名は、一度耳にするだけで忘れられない。そしてどういう由来があるのかを尋ねたくなるのは自然である。公式ブログにはタイトルに関する説明は恐らくされていない。この由来に関しては独自に尋ねて説明を受けている。前半部分は予備知識を持たないままに私なりの解釈を含めて記述しているため、微細な部分で異なる可能性がある。

にんげんのGO!は、素直に読めば「にんげんのごう」である。これを自然に漢字表記すれば「人間の業」となる。そして実際、放映される内容は人間の業(ごう)に深く関わっている。業と言えば日常生活の会話では「業を積む」「自業自得」のように否定的な意味合いで用いられることが多いが、業とは一般には人の営みのすべてを指す言葉である。[a3]

それ故に元々は「人の営みにおけるすべてを番組の形で示現する」となる。ただし業という語は、前述のように人の営みすべてと言うよりも悪徳や後悔といった否定的なニュアンスも持つ。楽しい、面白い、驚くべきといったポジティヴはもちろんネガティヴな部分も含めた人の営みすべてを自然に受けいれ、番組を構成して視聴者に伝えるといった意味も込められている。業を「GO!」と表記するのは、前向きに進む義のダブルミーニングである。ここまでは私の恣意的な解釈であった。

現在では得てして悪い所作を指すことに使われがちな業(ごう)という語を番組名に取り入れたのは、落語家の立川談志が唱える「落語とは人間の業の肯定である」[a4]という言葉と思想にディレクターの松田氏が深い共鳴を抱いていたことに依る。したがって番組名は落語家の立川談志氏の言葉からの転用である。私が知らなかっただけで、人間の業と読める番組タイトルを聞くだけで即座に立川談志の言葉を重ね合わされた視聴者もいらっしゃったことだろう。
出典および編集追記:

a1. 以前は10:40スタートだったが、2021年5月1日より11:25スタートに変更されている。


この他の放送開始時間も山口市議会の代表者質問など山口市内における放映を必要とする事象が発生したときは一部の時間枠が議会中継に差し替えられることがある。

a2.「Wikipedia - 山口ケーブルビジョン|主な自社制作番組

a3.「Wikipedia - 業

a4.「Wikipedia - 立川談志|落語家として
《 宇部マニアックスが登場するようになった背景 》
株式会社宇部日報社におけるサンデーうべのコラムは、私の活動を知るある方の紹介によるものだった。これに対して番組制作に関わるようになったきっかけは、今思えば時の運による要素が大きい。この示すところは、山口ケーブルビジョンの編成部ディレクターである松田氏から声を掛けられたことが全てであるが、それも番組制作の流れに依るものが大きいという意味である。以下では、番組と宇部マニアックスとの関連に重点を置いて記述している。出典を参照しやすいように、前述の「にんげんのGO!」公式ブログより該当項目の記述がある部分をリンクの形で埋め込んでいる。
【 番組のおかれていた状況 】
前述のように番組は毎週一回内容が差し替わり、単発ものや息の長いシリーズなど多種織り交ぜて構成されている。宇部マニアックスの関与が時の運であったことは、それより随分と前から続いていたシリーズの存在がある。当時は県内の風景印が配備されている郵便局を追う「風景印220景」が展開されていた。

風景印220景では郵趣家の長谷川氏(通称ハッセー)と吉本興業所属で山口県住みます芸人のどさけん氏(以下敬称略)をレギュラーメンバーとして、息長く続けられていた。
写真は風景印220景のうちの一部を収録したDVD。


風景印220景は2018年5月末までにすべての該当する局を訪問することで終了した。6月から「にんげんのGO!再スタート」として、並行して続けられていた県内の滝を巡る滝シリーズが増強された。風景印220景に登場したハッセー、どさけんはコンビとしての掛け合いが好評で引き続き番組に登場している。

シリーズ終了後も風景印や滝に関する視聴者の興味は根強いものがあったらしい。滝シリーズでは山口ケーブルビジョン謹製の滝カードなるものを作成し、視聴者に配布する企画を行っている。風景印220景では収録された回をいくつかに分割してDVDに書き出したものを視聴者プレゼントに採用している。この過程で風景印を備えた県内の郵便局をリストアップしたところ、宇部市の風景印配備率が異様に低いことがハッセーにより指摘されている。
写真はそのことを説明するために放映された映像


山口ケーブルビジョンの県内展開エリアはお膝元の山口市をはじめ、宇部市、防府市、美祢市の一部である。シリーズでは単純に風景印をもらいに行くだけではなく、当該郵便局の歴史や格調高い外観なども併せて紹介されている。宇部市の風景印配備率の低さは、放送エリア内でありながら宇部市内にある見どころが紹介される頻度が低いことに繋がっていた。

風景印は一般に当該局が郵便物を扱う地域内にある名所などをテーマにデザインされている。細かいところまで観察すれば、風景印がない郵便局でもデザインになりそうな”物件”が見つかる筈である…だったら「風景印がない郵便局にはデザインになりそうなものを探して提案しようではないか」というアイデアが生まれた。

宇部市内で風景印がない局(具体的には東吉部、床波、東岐波)に提案するとして、当該地域に題材として向いているものを知っている要員が必要とされた。この過程で宇部市内限定で既にジャンルを問わずあれこれホームページやFBページで発信し続けている宇部マニアックスに声が掛かったのである。このときのやり取りは(相当に長くなるので)以下の記事に分割した。
本総括記事自体も将来的には同じ action フォルダへ移動する予定
総括記事: 「にんげんのGO!」と宇部マニアックスとの出会い
《 番組収録とロケ地下見 》
前述のように放送時間僅か20分の番組であるが、現地での収録と編集作業に膨大な時間が費やされている。一つのシリーズが概ね2週に分割して放映され、現地ロケは殆ど一日仕事となる。個人的にも貴重な体験であり、番組で放映されない部分やタイミングで随時(いつもすることだが)ポケットへ入れたカメラで撮影している。

番組への出演に関して新規入場者教育や相応な服装が必要になるのではと当初思ったが、実際は思い悩む必要はまるでなかった。自然体を視聴者に伝える番組なので、普段着のままで良い、むしろ日頃自転車に乗って街中の物件を探し回っているときそのままの服装や挙動がいいと伝えられ安心した。ロケでは何処の順番で何時頃訪れ、大体どんな流れで進めるかの簡素な事前打ち合わせはあったが、話すべき内容の脚本はなく、私を含めてメンバーの誰もがその場で思い付いたことを話している。

現地ロケの音声映像を持ち帰った後、編成部で補足説明の地図やナレーションを加えて構成するので、番組として映像に流れるのは現地ロケ収録される時間の数パーセントである。このため放映はされなかったものの面白い発言やシチュエーションがいくつもある。

こういった表に出てこない”舞台裏”は視聴者にとっても興味を惹くものだろう。番組で流れる放映は最終完成形で、いくつかの候補地を実地に訪問したときの下見で面白いドラマがいくつもある。それらはホームページで既に総括記事が作成されている物件では個人的関わりの項目に追記している。特に印象深かった物件では、後にロケ中に自分で撮影した画像を元にエッセイを書くようになった。
【 待ち合わせ場所 】
私が番組制作に関与する以上、その題材は宇部市内かあるいは市外ではダム・トンネルなど特定のジャンルの物件がある場所となる。市内中心で題材採取されるときとロケ地の下見を行う場合では、ランドマークとして分かりやすい護国神社下の参道(市道維新山線)で落ち合うのが定番となっている。

この写真は、初めてロケに参加した2018年2月の映像である。
まさにケーブルカーが到着した瞬間である。


その後は市内限定ではなくダム視察など県内の案件が増えたので、最近ではロケ地下見のときの待ち合わせ場所として使われることが多く、ロケ時での集合場所は新山口駅の新幹線口が多くなった。
【 宇部マニアックスの紹介映像 】
宇部マニアックスは番組のレギュラー出演者ではなく、各シリーズにおいて情報提供やナビゲートを行うメンバーの一人である。初回や回をおいて久し振りの放映となると視聴者が「この人誰だろう?」となってしまうので、冒頭に宇部マニアックスの簡単な紹介映像と解説が流れる。FBページやサンデー宇部のコラムの映像は実物の静止画像だが、自転車を乗り回し市内の物件を探し回っている旨の紹介では、自己紹介用の映像としてロケを行った後日に撮影されている。

このときに自転車で走った場所は、市道真締川東通り線新西ノ宮橋下流側である。
対岸の護岸へ降りる階段がある近くにカメラマンがスタンバイしている。


私は何かめぼしい物件はないか探し回りつつ自転車を漕ぐ人として表現された。この状況は対岸よりズーム撮影されている。この自歩道を数往復してその中から放映されている紹介映像が作成されている。

現在でもこの自歩道は自転車でよく通る場所である。今でも午後の天気が良い日に自転車を漕ぐときこの場所へ差し掛かると初回の自己紹介映像の収録を思い出す。この場所を宇部マニさん映像デビューの地などと名付けても面白いかも知れない。
せっかくの想い出の地なので記事を追加作成しました
【 ハプニング 】
生放送の番組ではないので放送事故のような重篤な問題が起きたことは(少なくとも私が関与しているシリーズにおいては)ない。想定されていた事象や展開が大幅に食い違ってしまったということはいくつもある。殊にある回では現地ロケと訪問約束を取り付けたものの、当日は下見で訪れていたのとは全然異なる場所で実施された。しかし番組ではいろいろな新しい場所を紹介していくのがコンセプトでもあるため、視聴者には予定外の事態になっていたことを感じなかっただろう。
《 宇部マニアックスが登場するシリーズ 》
以上のような背景から、宇部マニアックスが登場する最初のシリーズとして「風景印 その先へ…」が放映された。写真は放映中の画面を撮影したもの。


毎月一編かならず寄せている宇部日報社のサンデー宇部のコラムほどの頻度ではないので、登場するシリーズは今のところそれほど多くない。以下にこれまで宇部マニアックスが登場したシリーズのリストを記録する。リストは上から新しい順に配置している。

【 宇部マニアックスによる紹介編 】
宇部マニアックスの登場はないが、紹介を元に一回分の放映が編成された例として山内静香園の銀天街マップが挙げられる。山内さんの手製による「銀天街の店舗履歴マップ(通称山内マップ)」については、以前山口宇部経済新聞のFB公式アカウントから発信された情報で知っていた。

2018年の5月のこと、ロケ候補地を求めて市内のあちこちを巡っているうちに山内さんの銀天街マップ制作を思い出してお店を訪れている。写真は山内マップを閲覧しているときの撮影。


山内マップが番組に与えた影響は甚大だった。銀天街マップとしては一度放映されたのみであるが、このアイデアを持ち帰った松田氏は山口市内の道場門前アーケードに適用し、地道に調べたり地元在住者からの情報提供を受けたりすることで「アーケードヒストリー」が誕生した。このシリーズは数回にわたって放映され、アーケード店舗をはじめとする地元在住者に大きな感動をもたらした。詳細は「山内静香園」の総括記事で記述する予定である。

なお、番組が放映された後も山内マップは日々進化を続けている。翌年2019年の10月には挨拶を兼ねて山内さんが収集していた郵趣関連品(FDCなど)を見るためにレギュラーメンバーのハッセーと共に再訪している。このとき山内さんによるある種の占いを介して、宇部マニアックスとハッセーとの間で「47の奇跡」が成立していたという衝撃的事実が判明している。
《 番組への登場による影響 》
番組が与えた影響は極めて大きい。一部の郷土関連のコアな題材を求める好事家の集まりに始まり、知る人ぞ知る状態であったものが、映像と共に紹介されることで時の人となったと表現する人もある。
【 知名度 】
私のトークや出で立ちと共に映像で紹介されることによる影響がもっとも大きい。殊に前から眺めればごく普通の男性に見えるものの異様に長いポニテは未だ少数派であるせいか記憶定着に格好の題材を与えている。
写真は「風景印その先へ 第二弾」で桃山配水池を紹介したときの映像


目立とうとしてそのような髪型にしているわけではない半面、番組に出演するからと言って髪を切ろうなどとは露ほども考えなかった。親はキチンとした格好をするよう言い含めていたが、私は全く意に介さず7日に松田氏と会ったときと同じピンクのマフラーにピンクの帽子、更にはわざわざネイルもピンクに塗り直して登場しメンバーを仰天させている。もっとも宇部マニアックスの取り組んでいる題材自体が特異なので、どのような格好をしようが最終的には影響なかったかも知れない。

街中でまったく知らない人に声をかけられることは、普通の人なら殆ど起こり得ない現象である。放映前では髪を伸ばし始めた中期頃、珍しく髪を結わずに外出してある店で買い物をしたとき、レジの人と話をしていてすぐ後ろに並んでいた女性客から「とても綺麗な髪をしていらっしゃいますね」と褒められ当惑しながらも嬉しかったことがあった位である。放映後はその事象が起きる頻度が有意に上昇した。

広瀬浄水場の見学会での来訪者、夏場の「もりみず」ですれ違った参加者、市役所でたまたまエレベータに乗り合わせた職員、前職で勤めていた会社の従業員などなど…私が微かに覚えている方もいらしたが大半はまったく知らない人である。そういう人々が私にすれ違うなり「宇部マニアックスさんですね。にんげんのGO!視てますよ」と言われる。もちろん私は声を掛けられるなど前もって予想もしていないので、ありがとうございますと答えるのが精一杯である。

私が街中でたまたますれ違う人たちでそうだから、友達や親など人づてに語られている頻度はもっと多いらしい。同世代の年齢で自転車を乗り回す市民自体が少なく、街中の一般市民にはまるで意義を理解できないような場所でカメラを構えているので、そういった活動をしている合間も自分が知らないだけで「あの人だ」と気付いていらっしゃる方が相当あると思われる。

全国版で放映される番組とか、毎日のようにテレビに登場する芸人に比べれば知名度は比較に至らないが、市内というエリアで見るならば既に有名人の領域と表現する人もある。事件や犯罪などマイナスな出来事による有名人よりは当然良いが、名前や宇部マニアックスというブランド名、そして取り組みを一定範囲に知られた以上は更なるアウトプットを心がけなければ単なる渦中の人に終わってしまう。それ故にある程度準備を整えた上で世に送り出すことを企図していた。ただし「準備が整うとき」がいつであるかは自分で決めなければ永遠に訪れないので、ある程度「背中を押す人の存在と機会」に遭遇することは、先送りし続けた挙げ句何もしない状態に終わってしまうのを避ける意味で有用だった。
【 話術 】
番組制作に参加することによる話術に与えた影響も大きい。初めてのロケ時で編成部スタッフの藤田さん(カメラ担当の冨永さんだったかも知れない)から「滑舌が良いですね」と言われたことがあり喜んでいた半面、うちの親は「早口で分かりにくい」「一人でしゃべり過ぎる」などと低評価だった。

物事を誰かに伝える方法として、会話によるものと筆記によるものに大別される。以前から自覚されていたことに、私の場合は常に後者であった。それどころか私とうちの家族は、昔から「物言いが下手」であることが自覚され、人前で話をする場面をそれとなく回避するための免罪符のように扱われていた。これには口先ばかり達者で、面倒だったり嫌なことを巧く言いくるめて他人に押しつける狡くて如才ない人に多く接してきたことが大きい。弁が立つと言えば聞こえは良いが、過度に口の達者な人はお調子者とか口先ばかりで誠意がないといった見方をされてきた。

さて、番組制作では現地の映像を観ても説明されなければ視聴者が理解できないような物件も登場する。そういった場所へ案内したとき、自信をもって説明できるのは他ならぬ自分のみである。知っている人が話さないことには番組作りにならない。そして実際に場数を踏むことで、自分が熟知していることは自信をもって話せることに気付いた。
写真は大人の社会見学の放映会の映像


先述のように初回と2回目の番組を視聴して親から分かりやすい話しぶりで臨むべきと説かれていた。分かっていることを自分のペースで話すだけでは視聴者寄りの態度とは言えない。そこで3回目の収録からは聞き取りやすいレベルの大きさで明瞭に、ややペースを落として話している。

一般的な会話ではそのようなペースで話すことは殆どない。日常的な会話では異常に早口である。何でも速いの大好き(バドミントンも恐らく車の運転も)なことと、分かる範囲で速く話した方が一定時間内に与える情報量が大きいからである。番組でのトークをはじめとして複数人を前にしてのセミナーや巡回家庭教師で生徒に説明するような場面では、意識して抑え気味なペースで話すようにしている。

昭和期には、男性のおしゃべりはみっともないものとみなされていた。女々しくて始末に負えないなどというマイナス評価が強かったが、現在では会話の質や相手との会話キャッチボール比率が適正であれば、話題の拡がる多弁性はむしろ歓迎される。必要とされる場面プラスアルファで自分の思うところ、考えていることを表現する手段としては筆記やドキュメントよりも簡単かつ迅速だからである。殊に情報量の多い現代社会では手早く正確に物事を伝える手段として、聞き手の興味を引き込む話し方はむしろ現代人に遍く求められる能力の一つと考え直している。

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