市道丸山黒岩小串線・旧道区間

道路インデックスに戻る

現地撮影日:2012/11/24
      2013/1/1
記事公開日:2013/1/14
ここでは、市道丸山黒岩小串線のスポーツ広場入口バス停から常盤湖畔北バス停に至るまでの旧道区間について解説する。
なお、本記事は当初横話記事として公開されたが、常盤池の周遊園路記事との連携をはかるために一本記事に昇格させ内容を編集追記した上で再公開している。周遊園路の記事から相対参照するため主要部分に項目用アンカーを設置している。
《 旧道開始地点 》
スポーツ広場入口バス停のすぐ先で常盤池の入り江に向かって緩やかに曲がりながら下っていく経路があり、常盤スポーツ広場に向かっている。


昔のことはまったく知らないながら、現在はスポーツ広場に向かう通路となっているこの区間は市道丸山黒岩小串線の旧道と断定せざるを得ない。
昭和49年度に撮影された航空映像を参照してみよう。
「国土画像情報閲覧システム - 常盤池北東部(昭和49年度)の航空映像」
http://w3land.mlit.go.jp/cgi-bin/WebGIS2/WC_AirPhoto.cgi?IT=p&DT=n&PFN=CCG-74-12&PCN=C22&IDX=17
別ウィンドウで開いたページ右上にある400dpiのリンクをクリックすると高解像度の画像が表示される
南北を走る山口宇部有料道路が既に見えている。市道は黒岩バス停付近までは今の線形と変わらないが、そこから先は常盤池の入り江に向かって降りていく現在の遊歩道を辿っている。その道も幅が狭く、上空から眺める限りでは未舗装路に見える。そして現在ある直線的な道は存在しない。
近い場所で入り江に向かわず山沿いを進む細い道はあったようだ

かなり昔のこと調査員の仕事で後岡ノ辻まで自転車で来たことがあると話した。後岡ノ辻の一番奥にある事業所を訪ねたとき、この航空映像ほどではなかったが事業所どころか家屋そのものが少なく、市道はここで行き止まりだとばかり思っていた。恐らくそのときは現在の市道区間は整備されてなかったと思う。
後から思えば恩田に戻るならこの先の開まで抜けた方が近道なのだが、巡回区域の地図しか渡されていない状況で、まったく初めての土地ともなれば自分の居場所も分からずそのまま引き返している。あるいは狭い未舗装路を前にして行き止まりになっていると感じたのかも知れない。

沢へ真っ直ぐに下っていく。
普通車同士でもそれほど困難なく離合できる幅員である。


歩行者通路のペイントは、市道の起点側からみて左側にある。


歩行者は原則右側通行なのだが、この旧道では歩行者通路を左側に設定した方が良い理由がある。
すぐ後で述べる

幅は今まで走ってきた市道の起点付近に近い規格だ。現在もこの区間は一般車両も通行できる。
両側にある外灯や植樹は公園整備の折に追加されたのだろう。
撮影時期が古いのでまだ歩行者通路のペイントがない…以下同様[2009/11/26]


《 周遊園路・本線接続点1 》
直線的に下った左側に常盤池の周遊園路で湖水ホールに向かうメインの入口がある。[2009/11/26]


周遊園路に向かって撮影。
入口の部分だけ洒落たインターロッキング敷きで、車が進入しないようステンレスポストが設置されている。[2009/11/26]


この入口に正対して広い駐車場があり、常時無料で停められる。ウォーキングや施設利用者など訪れる人が多いため利用価値が高い。
一連の駐車場に対して横話の更に横話記事を作成している。
派生記事: ときわスポーツ広場|駐車場
《 周遊園路・支線接続点 》
駐車場のすぐ裏側が野球場になっており、旧道は野球場の外側をなぞるように進む。そして若干右カーブとなる先で、再び左側に遊歩道の支線入口に出会う。


入口部分を撮影。
こちらは先の本線よりも幅が狭い。車が入り込まないようにステンレス製のポストが設置されている。


この支線は土取の入り江近くまで到達し、ときわ湖畔北キャンプ場前を通って先の周遊園路本線に合流する。
歩行者通路が旧道の左側にペイントされている理由が自然と理解されてくるだろう。
この旧道は一般車両の乗り入れ可能で、実際ウォーキングに訪れる人の車が頻繁に出入りする。常盤池の周遊園路が旧道の左側に接続されるので、左側に歩行者の通行帯があれば車の通る旧道を何度も横切らずに済むというわけだ。

歩行者通路のすぐ横にある周遊園路の距離標。
自分の歩いている位置とスタート地点からの距離が分かるようになっている。


その先で常盤スポーツ広場の根拠地とも言える平屋が見えてくる。
想像するも困難だろうが、かつてはこの辺りまで常盤池の入り江があった。現在のサッカースタジアムは、入り江の先端部分を埋め立てることで造られたものである。スポーツ総合広場とするにあたってサッカー場の需要があり、遠浅で湛水容量にあまり貢献していない土取の入り江の先端部分を埋めて有効利用したのだろう。

サッカースタジアムや野球場に近いこの場所に常盤スポーツ広場の事務所の建屋がある。


各設備の写真を撮影してきたので派生記事にしておく。
派生記事: ときわスポーツ広場
この駐車場を過ぎて小さな半島部分を切り通しで横切る。


再び視界が開け、左側にインターロッキングの敷き詰められた広場のような場所が見えてくる。
写真には入っていないがこの右側にミニゴルフコースがある。


旧道区間は駐車禁止指定されていない。そのため花見などで2箇所ある駐車場の双方が満杯になると、旧道区間の路肩まで車があふれ出てくる。クラブ練習の終了時などは子どもたちの送迎バスや車が行き交い、ちょっとした混雑になるほどだ。

この広場には彫刻が設置され、入り江の左岸に沿って周遊園路の枝線が伸びている。
整備された枝線としては行き止まりになっている[2012/3/17]


旧道は緩やかに下り、常盤池の主要な7つの入り江とされる土取の先端部分を渡る。
橋と言ってもコンクリート床版構造で親柱などは存在しない。
昔は橋だったかも知れない


この水路部分は常盤池へ注ぐ数少ない自然河川の一つ(名称は不詳)である。常盤池の水位が上昇すると水路の上流側まで水が遡行する。
水路を渡る部分は旧道区間とその前後近傍を含めて市道がもっとも高度を下げる場所だ。
市道の最低標高地点は言うまでもなく起点の丸山である


この川と言うか高畑の入り江の先端を渡るとすぐに再び周遊園路の接続点が見えてくる。
《 周遊園路・本線接続点2 》
周遊園路接続部には車両進入防止のポストが設置されている。
この周遊園路は白鳥大橋が架けられたのと同時期の平成時代初頭に整備された。


ウォーキングまたはジョギングを嗜む来園者はここで旧道部分から袂を分かつ形になる。
左側に設置されていた歩行者通路を示すペイントも周遊園路接続点で途切れている。

ここから先の旧道区間は専ら車のみの通行で、健康志向のウォーカーでもここを歩く人は稀である。


石積みの目立つ家の前を通ると、現道部分が先に見え始める。
旧道はここで現道に直角に交わって終点となる。


現道との接続部付近は、旧道の痕跡と思われる内回りの線形が遺っている。
先に見える案内板と建屋は常盤湖畔北のバス停サインと待合室である。


現道側から旧道終点を撮影。
現道区間は市道全体でもっとも整備されている区間のせいか、往来する車はスピードを出している。旧道への出入りには注意を要する。


この経路が岡ノ辻を通って上宇部まで向かう昔の道であったことは確かだろう。しかし市道丸山黒岩小串線という呼称が与えられた時代からこの旧道部分であったかは不明である。

ホームに戻る