市道恩田通り小路線

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現地撮影日:2016/10/14
記事公開日:2016/10/30
市道恩田通り小路線は芝中町の北の端にある細い路地である。
写真は起点の映像。右側の細い路地が本路線で左側の対面交通の道は市道恩田通り線


ルートラボを載せる。


その命名からは恩田通り線の派生のように思えるが、むしろこの細い道の方が先行する道で、恩田通り線のこの区間ができたのは昭和30年代後半以降であることが分かっている。[1]また、ルートラボによる経路からは宇部線の引き込み線跡を連想するかも知れないが、鉄道とはまったく無縁である。

短い路線なのでこの総括記事にそのまま現地撮影したときの状況を掲載している。
なお、本路線は後述するように終点側からの一方通行になっている区間があるので、実際は終点側から撮影を行ったものを逆順に並び替えている。
《 路線の映像 》
対面交通の道から薄くスライスするように分岐している。
この道に挟まれた鋭角三角形領域は砂利敷きの空き地になっていた。


ゴミステーション用のカゴが置かれているので地元の共有地かも知れない。初期にはこの場所がかなり気になっていた。恐らくまったく大したことはない題材だが別途記述した。
派生記事: 砂利敷の三角形領域
道幅は1.2車線相当しかなく、対向車があれば双方かなり端へ寄らなければ離合できない。
そして終点側から入ってくる車が意外に多い。


この先でやや幅の広い道と出会い、本路線は若干左へ折れる線形となっている。横切る道は市道名切笹山線である。
折れ曲がった先は車両進入禁止になっているので徒歩でしか進攻できない。


起点側からだとこのようになる。
一方通行区間解除の標識が出ていた。


横切る道は、恩田在住期に自転車で市道恩田則貞線を介して市街地へ遊びに行くときよく通っていた経路だ。だから本路線の細い道自体は早くから知っていたが、常に一方通行の出口側から眺める形だったので通ったことが一度もなかった。

実際には終点側から自転車を押し歩きし、振り返って撮影している。
両側はブロック塀だったり民家そのものだったりで何処も車が離合できる幅がない。


道路のほぼ中央にグレーチングの掛かった開口部が点在している。
昔は排水路があって蓋をしたことが明らかだ。


その排水路自体も面白いことになっていた。
グレーチング蓋はそのままだが、下は既に塞いでしまっているらしい。


両側のブロック塀がなくなり進行方向左側が畑になる。
市街地にかなり近いこの辺りでは珍しい風景だ。


おそらく私有地だろうけど、土をいじれる畑は殊の外貴重で、反対側に見える市道を通るときもしばしば畑仕事をなさっている人の姿を見る。

また、畑が見え始める辺りから道路構造が変なことになっている。
そう広くもない道を縁石で仕切り、畑側に柵が設置されている。


この歩道はちょうど昔あったらしい排水路部分を充てている。こんな狭い道を仕切る必要があるのだろうかとも思われるが、昔は必要だったのだ。畑の反対側に見える市道がまだなく、歩行者もここを通らざるを得ない状況のとき危険だからと縁石で仕切ったと考えられる。そうなると幅広の道ができたのは昭和40年代に入ってからか、あるいはこの細い道が学童の登下校路になっていたのかも知れない。

鉄道に突き当たったところで本路線は鉄道の線形に沿うように進行方向を変える。
そして市道恩田通り線と市道宇部新川恩田線の交点の付け根へ接続するというまったくアバウトな設計となっている。


本路線が終点からの一方通行となっている理由が分かってくる。道幅が狭いだけではない。こんな所から四輪が出てしまうと合流するのが危険だからだ。
この道へ入ってきた以上、実質的に引き返すことになる左折はまずあり得ない。 東新川駅方面へ走り抜けるか、鋭角に右へ折れる形でハンドルを切って寿橋通踏切を渡る以外ない。

この場所がどんなに酷い交通状況になっているかは、一度でも車で近寄ったことのある人なら熟知されるところだ。冒頭のルートラボで示したように踏切を挟んでT字路が対峙するという救い難い設計になっている。宇部新川恩田線の交通量が非常に多く、現在でもT字路を介して割って入る車は(特に本線を走る車にとっては)嫌がられている状況なのに、更にチャチャを入れるが如く本路線からの流入を許していては混乱するだろう。

このため現状は本路線は踏切付近から乗り入れる以外ない。しかも沿線には民家があるだけで通行する理由がなく、地元管理道同様の死んだ市道となっている。
言うまでもなく後からこんな不合理な道を造ったのではない。最初に今の細い道があり、後から寿橋通踏切の輻輳を回避するために西側に広い道を造ることで「相対的に」少しはマシな状態にしたのである。昔は本路線は終点手前で折れていたのではなくそのまま真っ直ぐ踏切を横切っていたことが判明している。この辺りの事情が古い航空映像と現地観察の合わせ技によって判明した。長くなるので以下に記述している。
派生記事: 寿橋通踏切周辺の不合理な道路設計の理由
終点側から撮影。
一方通行を示す標識が出ている。しかし撮影時はもちろん今までにここを通る車を目撃したことは一度もない。


一度通行して精密に撮影しておいたから、後続記事が作成されるあてはまず無いだろう。
《 Googleストリートビュー 》
全線採取されている。
起点の映像を示す。


市道名切笹山線の交点から先は一方通行で起点側からは侵入禁止だがストリートビュー上では違和感なくそのまま逆走可能である。
実際には終点側から採取しているものと思われる
《 個人的関わり 》
学童期に恩田から市街地へ自転車で通るとき横切っていたのでこの小道の存在自体は知っていた。しかし実際に通ったのは2015年の夏が初めてである。
出典および編集追記:

1.「FBページ|2016/10/26の投稿(要ログイン)

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