市道春日町線

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現地踏査日:2013/10/18
記事公開日:2013/10/22
情報この記事は寿町にある市道春日町線について記述しています。
厚東区春日にある認定市道については 市道春日線 を参照してください。

厚東駅から県道宇部美祢線を北に進むと春日の集落があり、そこには似た名前の市道春日線が存在する。今後道路レポートを作成するかどうか分からないが、冒頭にリダイレクトを配しておいた。市道春日町線は真締川と塩田川の合流点から100m程度上流にある路線である。

市道春日町線の起点をポイントしている。
もはやこれだけで市道の行き先が分かるような気がする。


その名称から、かつてこの近辺に春日町という町が存在していたと想像される。もっとも現在は寿町に属するようだ。

この路線の存在は、市道路河川管理課で市道名と経路をメモしていた時代から知っていた。奇妙な特性を持ち合わせていることは知っていたものの、敢えて道路レポートする程でもない…と放置していた。後で掲載する写真でも分かる通り、撮影しづらい要素があったのも理由だ。

ここから線路を挟んだ北側は県営琴芝住宅と市立図書館の敷地内になっていて、かつての宇部紡績工場のレンガ壁が部分的に遺されていることが知られる。
一連の写真を撮りに行った後、レンガ壁の遺構から市道春日町線が近いのを思い出して撮影に立ち寄った。そしてもう一つの謎めいた事実の露呈から本路線を記事化することとなった。

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市道春日町線の起点である。真締川の東岸を北上する市道真締川東通り線を終点側から撮影しており、市道春日町線はこの左へ入る分岐である。


同じ場所から振り返ると、市道真締川東通り線の真締川東踏切がある。
左側に少しばかり見えかけている鋼橋が宇部線の新川橋りょうだ。


市道の起点に立つ。
最初の半分くらいの区間は下り坂になっていた。


今まで乗り入れてみようという気にならなかったのは、地図でも現地の写真を見ても想像がつくだろう。何処へも出られるあてがなく、単にこの道の突き当たりにある大きなマンションの居住者向けの通路に思えるからだ。
センターラインはなく歩道もない。行き交う人はマンションの住民か建物に用事がある関係者だけ…これが天下の公道とはとても思えない。

行き止まり地点が見えている程度の短い路線なので標識類はいっさいない。
本当に市道なのだろうかとやや不安になってくる。まあ、仮に市道でなくても自転車で乗り入れてイケナイ場所でもないのだが…


天下の公道なら、自転車で走るも写真を撮るも自由である。しかし地元管理の道ないしは私道だとそう簡単ではない。用事のない人間が徘徊していると思われたなら、マンションの管理人が出てきて一悶着…なんてトラブルも有り得る。たとえ市道と分かっていても、住民は居住者用の道だと思っているかも知れない。

本当にこの道が公道であるかの裏付けが欲しいところだ。
そしてタイムリーながら、この路線へ乗り入れたときから目に着いていた路肩のセフティコーンにヒントがあった。


駐車禁止を訴えるステッカーが貼られている。
そこには「宇部市」の表示があった。


地元の管理する道なら間違っても宇部市などと偽装はしない。素直に「〜マンション」などと書くはずだ。このことから間違いなく市の管理する道ということが分かる。
あるいは少なくとも隣接する緑地帯が市の管理地という裏付けになる

しかし公安の設置した駐車禁止の標識は何処にもない。即ち「車を停めてはいけない」という管理者としての告知を行うのが限界で、市が単独に取り締まりを行うことなど当然できない。
そういう事情を知ってのことか、路上には至る所お構いなしに車が停まっていた。


そのすべてが青空駐車とは言い切れない。実際、私が写真を撮っている間にも配送の人が車を留め置いて離れる姿を見た。すぐに車を移動できる状況におかれた車の留め置きは駐車ではない。[1]

この場所の駐車状況が普段どんな塩梅かは知っている。今日はむしろ少ない方で、多いときは線路側にこの倍くらい一列に並んでいることがある。もっともそのすべてが住民の不法駐車とは言えない。まさか公道での青空駐車で車庫証明が取れるわけもないので、来訪者の車だろう。

いずれにせよ市道レポートで糾弾してもしょうがないので先に進みますと…

確かこのどん詰まり部分が市道の終点だ。
ここにもセフティコーンが置かれているのだが、それを退けて車が停められている。別にいいけどさ…私は困らないし…
写真を撮るにも車のナンバーを入れないようにするのが困るという問題はあったが…^^;


舗装の端から少し先にステンレスのバリカーが設置されていた。
さすがにこの内側まで車を乗り入れられては困るということで設置されたのだろうか。


草むらに入って終点部分を撮影している。
車のナンバーが判読できなくなる程度まで離れてカメラを構える必要があった。


舗装部分のみを撮影。直線路一本である。
市道と線路の間には同じくらいの幅の緑地が残されていた。
この緑地が曲者なのであった…



認定市道で終点が何処にも接続されず行き止まり状態になっている例はそう珍しいものではない。山間部に向かう山道同然の市道は、人も歩くのが憚られるような荒れ道が多いし、市道北小羽山4号線のようにかなり明白な廃道状態になっているものもある。ただ、寿町は誰の目にも市街部であり、このエリアに何処にも接続されない認定市道が存在することはレアケースである。

行き止まりでしかもその先は民間のマンションに行き着くのみ…そんな道が認定市道となった裏には何か訳がありそうだ。
1. 市道栄町線まで出られる道を造る計画があった。
2. 市が埋設した汚水管などの管理として必要だった。
3. 隣接する緑地帯の管理上必要だった。
栄町線に接続する計画なんて理由を書いたが、これはまず有り得ない。市道の終点から先を延長しようにも塩田川に蓋を掛けなければ栄町線までの幅員を確保できない。
水道管や汚水管など地下埋設物があって管理する上で市道とする必要があったというのはどうだろうか。ちょっと根拠薄弱な気がする。

ただ、終点を過ぎた先のバリカーの内側には確かに関連する設備はあった。
フェンスで囲まれている部分がそれだ。


塩田川を跨ぐ形で水管橋が設置されている。
時期は分からないがかなり新しいもののように思う。


あと一つ考えられそうなのが、この市道と鉄道の間にある謎の緑地帯だ。
少なくとも現地ではただの緑地帯にしか見えないのだが、実はこの部分は市の管理する公園であることが分かっている。
この事実は本路線を実地撮影する以前から分かっていた。そして注意深い読者なら、本編の冒頭に掲載した起点の地図でもお気づきになったかも知れない。

この緑地帯部分について市道と重複しない写真を別途撮影しているので、後続記事として案内しておこう。

(「春日公園」へ続く)
【路線データ】

名称市道春日町線
路線番号481
起点市道真締川東通り線・真締川東踏切前
終点行き止まり地点
延長約100m
通行制限なし
備考春日公園の管理用通路?

延長など各データの正確性は保証できません。参考資料とお考えください
出典および編集追記:

1.「Wikipedia - 駐車|駐車とは

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