春日公園

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記事作成日:2019/5/18
最終編集日:2021/11/23
春日(かすが)公園は市公園緑地課の管理する近隣公園の一つで、寿町一丁目に存在する。[1]
写真は公園の入口と思われる場所。


この場所を中心にポイントした位置図である。


この総括記事を作成し直している現地点でも、上記のYahoo!地図では該当部分を薄緑色に着色した上で「春日公園」と明示している。しかし現地には公園名を明示する標識柱はもちろん、遊具やベンチなどおよそ公園に備わっていそうな設備が一つもないという奇妙な状況となっている。[2]この原因についてはよく分かっていないが推論を後述した。

公園入口と思われる部分は、市道真締川東通り線に接している。そして鉄道と公園に沿う形で市道春日町線が伸びている。
一見マンションの管理道のようなこの道が認定市道となっていることも推論の理由にある。


入口と思われる部分より中に入って撮影。
宇部線と市道春日町線に隣接する細長い領域が公園で、草地に割と背の高いイブキが植わっている。


反対側から撮影。
鉄道側にはロープが張られ立入禁止の札が下がっている。


写真で見ても実体は公園と言うよりは空き地ないしは緑地である。緑地の例としては、東新川町にある東新川緑地が知られる。面白いことに東新川緑地にはむしろ春日公園よりもずっと緑が少なく、地面は殆どが石盤やコンクリート張りで明確な標示板が備わり彫刻やベンチもある。

宇部線に沿って琴芝駅方向、塩田川に対しては上流に遡行するように公園内を進むと、やがて両者に挟まれて次第に先細りとなる。
元々がこのような公園なので、敷地内に入る人はもちろんここまで歩いてくる人は草刈り作業者くらいのものだ。


宇部線側のロープと塩田川の護岸がほぼ接しているため、春日公園の端は栄町通り踏切の手前で理論的に幅ゼロとなっている。上記の地図では薄緑色に着色されたエリアは市道栄町通り線に接しているが、実際には公園内を通って栄町線に出ることは(鉄道敷ないしは塩田川側へ越境しない限り)徒歩でも不可能である。

反対側から撮影。
イブキの他にマサキも植えられ、それらはキチンと剪定されるなどよく管理されている。


このように、春日公園は荒れ地のように見えて定期的に草刈りや剪定などが行われている。

公園の領域には一部コンクリート製の縁石のようなものが遺っている。
一部には長方形状に囲まれたものもあり、花壇の跡かも知れない。


旧版の総括記事を作成するために撮影に訪れたときと異なり、今回の訪問はまだ草丈がそれほど伸びていない時期だった。この状態で公園内を歩き回って調べたものの他に遺構は見つからなかった。
《 公園になった背景は何か 》
何もなく殆どイブキとマサキが植わっている緑地に過ぎないこの場所が春日公園として市公園緑地課の管理となっている理由を考察してみた。
これは昭和30年代後半に撮影された国土地理院の航空映像である。


現在マンションが建っている場所に、線路とは直角の方向に4棟の長屋のような建物が見える。しかし現在市道春日町線および春日公園となっている部分には何もない。この時から既に線路からは離した余剰地があったこととなる。昭和40年度初期に撮影されている航空映像でもこれとほぼ同じ状態だった。

更に遡り昭和22年の米軍撮影による航空映像では長屋もまだ存在しておらず、新川・塩田川・宇部線に囲まれた三角形状の領域となっている。塩田川のカーブの中ほどには橋が架かっているのが分かる。この橋は現存しないものの、現地には橋台の痕跡が確認される。また、昭和40年代頃までは架かっていたことが在住者の談話より確認されている。

米軍撮影映像では三角形領域に建物は見当たらないが、これは他の場所も同様であり、焼夷弾攻撃によって焼失したまま復旧されていない状態と思われる。個別の土地の区画らしき跡は見えているので、かつては木造平屋の民家が軒を連ねていたのではと推察される。もしかするとこの三角形領域は早くから市が買い取ることで市有地となり、市営住宅などの形で運営していたのではないだろうか。後に部分的に売却され、長屋あるいはマンションの用地となり、進入路と公園部分が市の管理地として残ったという推論である。

現在のところ他の資料を参照しない推論に過ぎず、別の理由があるかも知れない。同種の推論は市道春日町線の旧総括記事でも何故公園や道路が市有であるかについて記述しており、そこにある「市道栄町線まで接続する道を造る計画」は(塩田川の上を斜めに横切ることになるため)あり得ないと思う。また、他の「隣接する緑地帯の管理上市道とした」は、原因と結果が逆と考えている。

かつて春日町という町名が存在し、隣接する寿町との境界として塩田川を横断する形で線路と平行に伸びているのも、当時は双方が居住区で塩田川のカーブに架かる橋で往来可能だったからだろう。どの年代の航空映像でも現在の進入路と公園部分に建物がみられないことから、列車往来の騒音を避けるために当初から木造平屋を建てず地域住民の公園として供されていた可能性もある。

以上の推論は、旧版の記事に書いたものよりは幾分尤もらしい。それでも別の背景が隠されている可能性もあるので、判明次第この項目を編集追記する。
《 その他の話題 》
近年では携行可能なモバイル機器にアプリをダウンロードし、現地まで足を運ぶといろいろなイベントが起きるタイプのゲームがいくつも知られる。
2017年6月頃にある大手製菓会社による同種のアプリゲームで、市公園緑地課の管理するいくつかの公園へ行くことでイベントが起きる種の企画が実施された。この中で春日公園がリストに入れられていた。写真は岩崎チェーン北琴芝店で掲示された案内。


リストには10の公園が記載されているが、現地へ行っても殆ど何もない春日公園が選定された理由はよく分からない。「とても公園のようには思えない公園」として驚きをもたらす効果か、あるいは単純に訪れる人が少ないため他の来園者の迷惑にならないということかも知れない。実際にこのアプリを利用して春日公園を訪れた人がどの程度いるのか不明である。
しかし何もないこのエリアをスマホ片手にウロウロするだけで怪しまれそうな気もする
最初に作成していた総括記事。
新しい総括記事を作成し直したので、旧版を時系列記事に降格した。
時系列記事: 春日公園【旧版】
初版では公園の名称がありながら、普通の公園とはおよそかけ離れた外観に興味の中心をおいて記述している。実のところ地元管理の公園まで含めれば、公園という名称がついていながら実体が緑地であるどころか純粋な空き地や荒れ地になっている事例は市内でも無数に知られている。
出典および編集追記:

1.「宇部市の都市公園一覧

2.「FBページ|2018/5/17の投稿
《 個人的関わり 》
・初めて現地撮影に訪れたのは2013年10月である。そもそもこの場所に着目したのは、公園の横を通る行き止まりの市道春日町線であった。このときまでにこの細長い緑地部分が市の公園緑地課が管理する公園であることを知っていた。後に春日町がかつての町名であったことが判明している。

・2019年5月に2度目の撮影に行き、この総括記事を作成し直した。画像が OneDrive 依存であり、いつ表示されなくなるか分からない懸念材料があった。現に数日前のこと(旧総括記事ファイルの画像ではないが)OneDrive から参照している画像の一部が表示されなくなる現象が起きたために再作成を急いだ。同様に OneDrive 依存の記事は無数にあり、そのすべてに対処が必要である。
対処済みの総括記事が作成された後で旧総括記事の画像が表示されなくなったら古い記事ごと削除する予定
地名としての春日町について
情報この項目は記述内容が増えたので地名カテゴリの独立記事に移動されました。記事の移転先は項目タイトルに設定されたリンクを参照してください。

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