市道藤曲門前線・横話【4】

市道インデックスに戻る

《 小松原通り線接続部 》
六角堂のある急坂で知られる市道小松原通り線の終点は市道小松原桃山線の交点だが、そこから直進して桃山配水池へ向かう道もある。この部分も実質的には市道と同等に通行されていながら、実態は市ガス水道局もしくは地元管理の道となっている。


この付近の地図と経路図を載せる。
調査部分は黄色に着色されている部分のうち西側の方である。


ここより南側が市道小松原通り線になる。
十字路の地元管理道部分に住居案内図が設置されていた。


時系列では市道藤曲門前線のイレギュラーな経路を確定しきれず、市道ではないこの区間の写真を併せて撮りに立ち寄っていた。

地図のコピーを持たずネットを直接参照できるモバイル機器も持たない私にとって、たまたま見つけたこの案内図の存在が大きな助けとなった。


元々は東桃山の町内会が設置したもので、班の担当範囲を示すものである。それは等高線やあぜ道も記載された詳細な地図だった。


やはり道として記載されていた。


それは地図の等高線に紛れてしまいそうな細いラインだった。
しかし等高線を横切っているから道であることがわかる。のみならずあぜ道クラスの道まで点線で描かれている。


住居表示で言えば12と14の表示がされた家の間に道が存在することになっている。
ここが市道藤曲門前線の左折点であると断定せざるを得ない。


この後、一見民家の敷地へ向かっていると思われる場所こそ市道の続きと断定しそこへ戻った。

《 緊急遮断弁制御室 》
現地撮影日:2013/11/12
記事公開日:2014/1/9
この区間には桃山配水池から送られる上水道の本管が埋設されており、途中に緊急遮断弁制御室が設置されている。


この辺りは道路上に鋳鉄蓋がきわめて多い。
市道に近い側にある蓋は…


超音波流量計が格納されているらしい。


同様のものは上水だけでなく工業用水でも設置されている。

流量計のすぐ前に薄いベージュ色をした奇妙な形の構造物が設置されている。
市水道事業部の所有物件で宇部市の紋章と水のロゴが描かれている。


緊急遮断弁制御室となっていて、1997年1月に設置されている。


制御室は何故か角に丸みを帯びた独特な形をしている。まるで昔は街中の何処にでもあった古い電話ボックスを大きくしたような感じだ。

制御室のすぐ上流側にも別の鋳鉄蓋がある。


緊急遮断弁となっている。
この下に桃山配水池の水を守る砦が格納されている。


即ちこれは地震など不測の事態で電源が失われたときに遮断され、配水池に蓄えられた水が失われないように機能する。同様の遮断弁が霜降山配水池、西ヶ丘配水池にも設置されていて全市民の1ヶ月分の飲料水を確保できる体制が整っているとされる。[1]

緊急遮断弁制御室から少し上がったところにコンクリート建ての小さな小屋があった。


場所柄、上水関連の設備と思われるのだが関連性があるのだろうか…[2]


錆び付いた縞鋼板の隙間から中を覗き込んだがどうなっているか分からなかった。


利水関係は今のところ工業用水までで、上水や下水はカテゴリを作成しておらず体系的に記事化する予定もない。そこまで手を拡げてしまったら一人では管理しきれなくなりそうなので…
【 記事公開後の変化 】
項目記述日:2018/5/11
この設備の重要性を明確にするために、後年設備の外壁に振動を与えることに対する注意書きが追加して貼られた。


前述のように地震による配管の破損などで貯留している上水が失われることを防ぐ装置のため、内部には地震計が設置されている。震度5相当の揺れで動作する設計となっているため、恐らくはそれ以下の揺れや衝撃でも市上下水道局の制御室に警報が入る。前面の市上下水道局管理道で車が急ブレーキをかけて停車する衝撃でも警報が作動したことがある模様。近隣施設の見学などで車を停める場合は注意したい。
出典および編集追記:

1.「宇部のみず」宇部市水道局パンフレット p.14
ただしこの「1ヶ月分」というのはあくまでも飲料水レベルでの話であり、入浴や洗濯、洗面所などの排水に要する水は考慮されていない。

2. 市上下水道局職員随伴時の歩行踏査においてこの設備は当局の所管物件ではないことが示された。小屋には電源線が繋がっていないので地元管理のポンプ室とも異なるように思える。(2018/5/11)

ホームに戻る