市道内唐戸下条線

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記事公開日:2014/3/3
元来は、この路線の記事を作成する積もりはなかった。
道中に見るべきものがなく、何処にでもありそうな街中の道のレポートとなってしまった。
はからずも記事を制作することとなったのも、当初記事化しようと企てていた市道下条浜通り線の記事を書いている最中、どうも手元のデータに不整合があるので再度調べ直したところ、撮影した写真に別の路線のものが混じっていたのである。

本路線の起点となる場所をポイントした地図である。


この地図だけで即座に場所が同定できる読者は地元近辺在住者か、後続の市道記事で述べるような目的をもった一部のドライバー位だろう。
当初制作していた市道下条浜通り線の起点がこの場所と思っていた。ポイントされた地点からは3方向に道路が伸びている。この路線にしても如何にも中途半端な場所に起点を持つことになる。もっとも本来意図していた路線名からして浜通りを目指すのだから、起点からどう進むべきなのかは分かるのだが…

…ということで、地図でポイントされた地点の映像だ。
これから向かう東を向いて撮影している。


反対側を撮影。
この道は市道東小串西小串線で、県道琴芝際波線の尾崎から始まる登り坂の途中にでてくる。


道路としては当然一本に繋がっており、浜付近から小羽山へ向かう信号の少ないショートカット路として最近よく通るようになった。
いずれ派生記事で述べるだろう

したがって見かけは一本の道なのに途中で路線名が数回変わる事態になっている。平成初期からごく最近まで継続して行われていた区画整理事業に依る結果だ。これについては末尾に派生記事的に付記した。
派生記事: 小串土地区画整理事業について
やや高い場所からスタートし、下った先は平坦路になる。
センターラインはなく1.2車線相当幅の道だ。


起点はサドルに跨っているだけである程度転がり降りる程度の起伏がある場所だ。やがて道はほぼ完全にフラットとなり、進路は若干南へ振れる。


「この先十字路あり」の標識で、右側の枝部分にシールが貼られている異種だ。
なるほど…右への分岐に工事看板が立っているからまだ通れないことが想像される。
供用開始されたらシールを剥がすのだろう


対面交通の広い道に出会う。現在工事中の市道西の宮小松原通り線だ。


この道は工学部通りを東側へ延伸したような経路となっており、路線名の通り将来的には市道小松原通り線まで直線的に繋がる予定である。しかし現在のところ先の工事が進んでおらず、[1]本路線との交点から先は供用されていない。

いずれ作成されるであろう市道西の宮小松原通り線の項目で述べるが、全通した暁にはこの場所の交通量は激増するだろう。間違いなく信号機付きの交差点となる筈だ。

実際、この場所から途端に交通量が多くなる。特に工学部通りを通って県道を横切り、このT字路を左折して本路線に流入する車が極めて多い。
のんびり写真を撮っていられるのも今のうちだろう。


写真では車がそれほど通らないように見えるだろう。
写り込まないタイミングで撮影しているだけだ。交通量がかなり多く、サドルに跨ったまま視界から車が消え去るのを待たなければならなかった。


先に逆トの字型の分岐標識が見えてきた。
ただし正確な形状ではなく直進側も若干右へ曲がっているのでYの字分岐に近い。


右の分岐は登り坂、左の分岐は若干の下りだ。
分岐路を前にしてさて…本路線はどっちだ?


…と問うまでもなくこれにて終了となる。即ち答はどちらでもない。本路線はここが終点で、この先が元々記事化を意図していた市道下条浜通り線の起点および別路線の終点である。
逆向きにここへ到達してこの場所が終点になるのが市道下条2号線…ややこしい

経路を国土地理院の地図に示した。


中途半端な形で終わった本路線の経路理由はよく分からない。区画整理によって一部が変わったのは確からしいが、それ以前の経路の復元は難しいだろう。
整理番号が元々の小串地区に与えられている500番台であり、終点からすぐ市道下条浜通り線に繋がっていることから、もっと手前の何処かに元の起点があったのかも知れない。
【路線データ】

名称市道内唐戸下条線
路線番号569
起点市道東小串西小串線終点 エコーハイツ付近
終点市道下条浜通り線・起点
延長約300m
通行制限特になし。
備考小串土地区画整理により起点が変更している可能性あり。

延長など各データの正確性は保証できません。参考資料とお考えください
まだ前方に道が続いているのにここで終了なんてのもおかしな話なので、先に続く昔からの道を後続記事として案内しよう。
後続記事: 市道下条浜通り線
収録内容が少ないので派生的記事をあわせて載せる。

情報以下の記述部分は、将来的に追記内容が増えたとき単一記事に分割されるか他記事へ併合される可能性があります。
《 小串土地区画整理事業について 》
記事編集日:2014/12/30
かつて小串から島近辺にかけては路地が複雑で主要な道も狭く、防災面や交通面での問題が指摘されていた。道路と居住地の整然化を目的に足掛け十数年掛かりで進められてきた。この目的で現在の浜バイパス沿いの黄幡公園に隣接して小串土地区画整理事務所が設置された。現時点では同事業は終盤局面に差し掛かっており、本路線の起点付近にもなる西小串に及んでいる。
狭く入り組んだ道は碁盤目状に改められ、それぞれに新たな路線名が与えられた。したがって区画整理事業の対象区域にある認定市道の多くが新設を意味する800番台以降の整理番号をもち、そうでない本路線のような認定市道も起点や路線が改訂されるなどの変更を受けている。

区画整理事業は市によるものだから、対象となった道は尾崎から小串台へ向かう県道琴芝際波線を除いてすべて認定市道である。いくら整然化されたとは言っても数がもの凄く多く、しかも名称と経路を逐一メモするのはまったく退屈な作業である。一部の路線は元からあった小字を元にした命名だが、東小串・西小串をキーワードに組み合わせた路線名が非常に多い。
当サイトではそれらのレポートはもちろん交点に現れる路線名記載も割愛するかも知れない

区画整理の終盤局面となる西小串地区の認定市道には、まだ正確な経路が確定していない計画線・予定線も含まれる。この中にはかつて宇部で最も重要な道だったとされる小串往還道も含まれる。
なお、小串の土地区画整理事業の一段落を受けてからか、小串土地区画整理事務所は2014年の中ほどに撤収された。コンクリート平屋の分社は撤去されて跡地には学生向けアパートが建設中である。(2014年12月現在

《 唐戸について 》
項目記述日:2018/3/22
本路線の名称に含まれている内唐戸(うちからと)はこの近辺の小字である。
写真は開発許可行為標識に現れた字内唐戸。


内唐戸・外唐戸という派生小字のみが存在し、唐戸という小字そのものは存在しない。唐外と漢字表記した資料もある。

唐戸の「唐」とは唐代に発明され日本に伝わったものを指し、戸とは木戸や井戸のように「出てくるところ」を意味する。特に唐戸の場合は舶来の技術に依る樋門を意味する。海に面した場所で潮の遡行を阻止するために排水路の末端部へ木製の戸を設置し、干潮時には外側へ開いて余剰水が排出され、満潮時に水圧で閉じる機構のものは市内およびお隣りの山陽小野田市にも知られる。これらは特に唐樋と呼ばれる。

内唐戸・外唐戸の近辺は尾崎と共にかつては海に面していた場所である。地名の由来は潮止めの唐戸があったことが強く想起される。
これらの小字は現在では認定市道以外殆ど遺っておらず西小串として塗り変えられてしまった。
私事だが、社会人になって日が浅い頃付き合っていた彼女のアパートが市道北琴芝鍋倉町線、現在の浜バイパス沿いにあり、[2]近所の人づてで唐戸という地名を知っていた。このため近隣地区在住の年配者なら今でも相応な知名度を保つ地名と思われる。
出典および編集追記:

1. 計画線では工学部通りを東へ直線的に延伸したルートとなっている。しかし現地の舗装は民家の手前までで停まっている。
民家は築年数が浅い新しい家のようで、用地買収協議が難航しているのかも知れない。基本的に車両進入禁止だが、現地在住民の便宜をはかり砂利道を通って小串北向地蔵のところまでは出られるようになっている。

2. 当時既に浜バイパスは4車線状態で舗装まで完了していたが、浜通りから東側は供用されず単管バリケードで塞がれていた。角地のコンビニは既に営業開始していた。
沿線住民だけは例外的に内部を通ることができた

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