市道下条浜通り線

市道インデックスに戻る

記事作成日:2021/12/19
最終編集日:2021/12/20
市道下条浜通り線は、西小串5丁目の丘陵部から西進し、小松原町1丁目で市道北琴芝鍋倉町線(通称山大病院通り)に至る市道である。
写真は小松原通りとの交差点。


現在の経路を地理院地図に重ね描きした画像を示す。は起点、矢印は終点を表している。
経路のGeoJSONデータは こちら


起点は通常の一続きの道路なのに途中から始まっているように見える。起点の東側は管理上は市道内唐戸下条線という別路線となっている。この理由は恐らく小串土地区画整理事業で街区が大幅に変更された影響と思われる。
《 経路の概要 》
起点は下条の丘陵部にあり、これは北側から下ってくる尾根の先端である。


この最高地点より南へ下る狭い路地があり、四輪の通れない市道下条線として遺っている。

緩やかな坂を下った麓部分の左側に北向き地蔵尊の祠がある。かつて小串と上宇部方面を連絡するもっとも重要な道とされた小串往還道を示す木製の標識柱があるが、道幅が拡がると共に宅地造成が進み昔の面影は喪われている。


その後冒頭の写真に示した小松原通りを横切る。小松原通りの方が優先側となっている。かつては同等の交通量があったが、北側に市道西の宮小松原通り線が全通してからは本路線を通る交通量はやや減っている。

更に本路線よりはやや狭い市道小松原桃山線を横切る。
この道を経て山大病院通りへ出ることができるが、一方通行なのでこの十字路で左から四輪が出てくることはない。


かつてこの十字路には小松原桃山線側を赤点滅、本路線側を黄点滅とする簡易2灯式信号機が設置されていたが、近年撤去された。

山大病院通りへ接続する終点手前で直角近くに左へ曲がっている。
ミラーはあるが、どちら側から通るときも対向車と離合する幅に余裕が少ない要注意地点である。


直進する側は市道浜線の終点側で、山大病院通りに中央分離帯があるため四輪でこの路線を通っても鍋倉町側へ抜けることは出来ない。逆に鍋倉町側からの車は、浜通り終点との交差点の信号待ちを嫌気して市道浜線を使ってショートカットする車が非常に多い。
《 歴史 》
周辺の四輪が通行可能な道路としては街区に沿っていないことから推察されるように、区画整理前より遙か前から存在していた古道である。具体的には鵜ノ島開作により陸地化する以前の波打ち際だった場所を東西に辿る経路と考えられている。この地勢は現在も町名となっている浜町や南浜町からもかなり明白と言える。

鵜ノ島開作以降は上町通りから小松原通りの少し西にあったとされる南北の土手上を進み、現在の浜で西進して鍋倉地峡(向山と鍋倉山がまだ低い尾根で繋がっていた時代の地勢)を越えて藤曲村や船木方面を往来していたと言われる。[1]

これは1961〜1969年の地理院航空映像に現在の路線を薄く重ね描いたものである。


北側に産業道路は見えているが、まだ山大病院通りは存在していない。なお、先述の市道小松原桃山線はかつて小松原通踏切から薄くスライスするように分岐する線形だったが、戦後周辺の街区に合わせて改変されている。この初期の道が先述の南北の土手道(鵜ノ島開作の一期工事で造ったと推察される土手)である。
《 Googleストリートビュー 》

《 近年の変化 》
生活圏に近くよく通ることもあって沿線の変化は細かく観察されている。

・2020年の6月から7月にかけて北向き地蔵尊の真向かいの擁壁が再整備された。この場所は永らく空き地になっていた。なお、取り壊す前の擁壁は2010〜2012年に建設されたもので、それ以前は石積みで道幅も狭かった。

・2015年頃に本路線の終点屈曲部の外側にあった民家数軒が取り壊され、2017年頃から進入路が設けられて広域の造成工事が始まった。岩盤の破砕作業はこの総括記事を作成する現時点でもまだ続いている。周辺一帯は工事区域として立入禁止となっている。かつてこの屈曲点より向山へ登る小径があったのだが、墓場の手前までが造成されることで殆ど喪われた。市内でも短期間に景観が大きく変わった代表的な地点である。

・2021年2月末頃に本路線と市道小松原桃山線との交差点に設置されていた一灯点滅式信号機が除却された。たまたま近くで交通取り締まりを行っていた県警担当者に尋ねたところ、維持管理費の削減(特に電気代)が最大の目的という話だった。


同種の信号機が今後取り除かれていくことは全国的な流れである。なお、本路線と小松原通りにあった同種の信号機は先行して除却されている。

・2021年4月より本路線の小松原町1丁目から蟻ヶ迫池下を通る工事が始まった。これは桃山都市再生整備事業の一環として市道整備を行うもので、本路線に接続するのは市道西桃山3号線の終点側である。事業費は約1億円が見込まれ、国の交付金補助率は40%となっている。工期は令和3年8月末日である。
以前の総括記事。時系列記事に降格している。
派生記事: 市道下条浜通り線【1】
出典および編集追記:

1.「米寿紀藤閑之介翁」p.112〜113 に、上町通りと小松原通りの交点から北の土手道に対して”そこから鍋倉地峡までの見通しが良くかつての大名行列の到着を知りあるいは長くお見送りするのに好適な場所だったと推理するのである”と書かれている。
《 個人的関わり 》
注意以下には長文に及ぶ個人的関わりが記述されています。レイアウト保持のため既定で非表示にしています。お読みいただくには「閲覧する」ボタンを押してください。

ホームに戻る