市道新町線

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現地踏査日:2012/7/15
記事編集日:2014/5/9
市道新町線はその名の通り新町にある認定市道である。この方面を訪れた方なら一度は通ったことのある道だろう。

新町線の起点はかなり妥当で予測可能な場所にある。
地図で示そう。


地図でポイントした位置から進行方向を眺めた映像はこんな具合である。


真締川を背に撮影していて、市道真締川西通り線に起点がある。入口に新町商店街のアーチが架かっている。

振り返った先は市道新天町線で、真締川を新錦橋で渡っている。
いずれの方向からも大型車両は真締川西通り線に曲がることはできない


これから進むのと真反対な方へ道草というのも変な話だが、一応案内しておこう。
派生記事: 市道新天町線
さて、市道新町線とは一体どんなネタを持っている路線なのだろうか?

更新履歴からご覧になっている方は気付かなかったかも知れないが、市道リスト一覧にはそれぞれの市道の特徴を載せており、そこでネタを暴露してしまっているから今や隠しきれない。
だから開始早々ネタバレしてしまうのだが、
起点が一つに終点が2箇所。
…という奇妙な路線だ。即ち経路がY字型で、分岐した先のいずれもが同等な終点になっているのである。

国道や県道では途中で分岐して複数の終点を持つことは殆どない。道路改良などで複数の起点や終点を持つ場合はあるが、整備完了後に古い区間が払い下げられ一本の路線となることが多い。[1]

市道は路線数が沢山あり、枝道部分をすべて独立した路線名に割り当てるのは煩雑なせいか、しばしば枝線が本線部分に組み込まれる。この近辺では真締川東通り線で図書館駐車場に向かう枝道部分が枝線になっている例があり、他にも若干存在する。しかし主従関係を持たない終点を複数持つ市道はそう多くはない。[2]

それ以外特筆すべきことはないように思われるが、このほどいつもの車ではなく自転車で走ってきてみた。

最高時速は30km/hに制限されており、生活道路の扱いだ。


商店街とされているだけあって、沿線には商店が目立ち一般の民家は少ない。
さて、問題の分岐点にさしかかる。


まずは右側の分岐に進んだ。


この分岐から先は軽車両以外は一方通行となっている。
国道190号へ向かって出て行く交通のみで、向こうから車が入ってくる心配はない。


最初の終点…というのも変な表現だが、若干左へ捻れて国道に出てくる。国道は中央分離帯があるので右折禁止だ。


この場所からあまり眺めないだけで、宇部市民にはお馴染みの場所だろう。ここは常盤通りの末端部分になる中央町交差点で、すぐ前に見えるのが国道190号、奥に見えるのは市道常盤通り宇部新川駅線だ。


カメラを左に振っている。
国道と市道常盤通り宇部新川線に挟まれたこの先の場所はかつて宇部の顔とも言える「広告的な一等地」だったのだが…まあ、それは国道および常盤通りの記事を書くときに述べることにしよう。
今更なのだが…惜しいことをした…本当に惜しいことをしたと思う


この出口部分は中央町交差点を若干過ぎた場所にあるので、交差点の信号状況とは無関係に左折することができる。

第一の終点から振り返って撮影。
こちらにも新町商店街のアーチがあるが、軽車両以外当然進入できない。
国道からの標識見落としによる左折進入違反が極めて多いので注意


第二の終点を目指して一旦引き返すことになる。
初めてのパターンだけに変則的だ。


Y字分岐の付け根に戻り、今度は左側を目指す。
すぐ先で狭い道が斜めに横切っており、左折進入しないよう標識が出ている。


ここで横切るのは市道新町2号線で、今しがた走った新町線よりずっと狭い。そのため軽車両以外は左から右へ向かう終日完全一方通行指定になっている。
こちら側の路線に優先権があるので一旦停止の必要はない。
仕事でここ最近かなり頻繁に通るようになった路線だ



やがて先の市道新町2号線よりは幅のある別の道に合流する形で「第二の終点」を迎える。
ここで接続するのは市道万来町線である。


万来町とは聞き慣れない名称だが、現在いる新町9丁目付近にかつて存在した町名だ。この路線については以下を参照。
派生記事: 市道万来町線
第2の終点より振り返って撮影。
全線通じてセンターラインはないが、普通車の離合は減速すれば問題ない道路幅だ。


万来町線から終点を眺めている。
この近辺は何故か斜めに接続する路線が多い。


冒頭の国土地理院の上乗せ地図では町名と重なって見づらいので、拡大地図にも経路を書き込んでみた。


この拡大地図をよく観察すると、中央町交差点のすぐ北側にも同様の枝道が観られる。
恐らく中央町交差点から発するY字型分岐があり、後から周辺の道を整備する過程で見通し確保で直角に取り付けたために似たようなY字分岐路が増殖したような感じだ。

さて、これだけか?と言われれば遺憾ながらその通りだ。
幼少期は中央町方面に出かけることはそれほど多くはなく、中央町交差点から先は国道を走ることすら少なかった。
私に関しては新町方面には格別な思い出はないし、古い情報も何も持ち合わせていない。先に述べた通り、むしろここ数年前から仕事で割とよく通るようになった路線だ。
新町線沿いに一軒何度か利用した商店があるが横話掲載は割愛する

もしかすると今から更に十数年経って私のおかれている環境が違ったものになれば「昔仕事でここによく来ていたものだ」という横話を書くことになるかも知れない…

【路線データ】

名称市道新町線
路線番号587
起点市道真締川西通り線 交点
終点国道190号・中央町交差点付近
市道万来町線 交点
延長約計200m
通行制限国道190号終点側は終日一方通行
備考途中で分岐し異なる場所に終点を持つ。

延長など各データの正確性は保証できません。参考資料とお考えください
記述項目が少ないので将来的に派生的記事を書いたときのために項目のみ設定しておく。
《 新町について 》
宇部市街部においての新町(しんまち)とは、国道190号が真締川を渡り、中央町三差路を過ぎて新町交差点に至るまでの区間の南側に存在する町名である。


現在の新町は単独で1〜9のブロックを構成する。新町9は東海岸通りより北側の離れた一区画である。公的な設置物としては新町市営駐車場がある。現行の町名として機能しているほか、本路線名と新町2号線という認定市道名を構成する。また、国道190号の中央町三差路を過ぎて市道東海岸通り線と合流する三差路は新町交差点と呼ばれる。
昭和12年度版の宇部市街図には既に新川橋の左岸下流側に新町二丁目や本町一丁目の表示がみえている。新町の成り立ち以前に存在していた町名は完全には明らかではないが、万来町事件として知られる万来町は新町にあった。

「〜町」という町名の呼称を問題にするとき「〜ちょう」と「〜まち」の双方が考えられる。町名にあたる部分が音読みのときは「ちょう」、訓読みのときは「まち」と呼ぶ傾向はあるにしても確定的なものではない。新(しん)は音読みにもかかわらず常に「しんまち」と読まれる。この傾向は恐らく地域性に関係がない。恐らく「しんちょう」と読むと同音異義語と重なって紛らわしく(「身長」や「慎重」など)町名であることを明示するために「まち」の読みが選好されたのではないかと思われる。
市内には市街部の新町以外にも「〜新町」という呼称を含めて他に複数が存在する。しかしそのいずれも「まち」と読まれている。

新町という町名の由来は同名の全国にある新町と同様、いくつかの旧町が併合されてできた新しい町という以外の意味づけが考えられない。このような場合、構成される町名から最も規模の大きい町名に代表させるか、一文字ずつ採用して造る(合成地名)などの方法が考えられる。新町は旧町名の何処にも偏らない公平な命名であるが、半面新しい町名の誕生により古い町名の履歴を記録し遺さなければ、後世において忘れ去られる恐れがあるのも確かである。
出典および編集追記:

1. 県道妻崎開作小野田線は現在なお国道190号の2ヶ所に起点を持っている。このうち流川交差点からの旧区間は市道流川原線に格下げされる予定である。

2. 山陽自動車道の宇部I.C.に近い市道杉原上白石線も相互にかなり離れた2箇所の終点を持っている。

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