島2丁目の生活道【2】

道路インデックスに戻る

(「島2丁目の生活道【1】」の続き)
別ウィンドウのマップを閉じてしまった方はこの「島2丁目マップ」から再度開いて下さい。
再び折れ点に差し掛かる。
この辺りはすべて未舗装路で土の地面だ。草がちらほら生えていて通る人はそれほど多くなさそうな気がする。


これは本当に生活道なのだろうか…という気にさせられるほどの細い路地。
石垣もブロック塀もないまま直接民家の軒先に接している。まるで他人様の庭の中を通っているようでちょっと気が引ける。
里道ではなく本当に民家の敷地の一部となる私道かも知れない


メインの道、市道島線に到達。
マップではここがC地点になる。


市道側から撮影したこの生活道の接続部分である。
コンクリート電柱の裏側になっていて注意していなければ分岐点が分からない。


建坪率ほぼ100%で現在だったらまず認可されない程に生活道と民家の軒先が密着している。
しかし昭和後期頃まではこのような生活道は島地区のみならず至る所にみられた筈だ。


自転車を置き去りにしているので来た経路を引き返す。
道の片側に溝を造って雨水処理している。縁も底もすべて土を露出させず石材とコンクリートで処理していた。


これは隣接する民家の裏口になるのだろう。
溝に石材を数本並べて出入りできる造りになっている。


ここまで歩いて先ほどのB分岐点まで戻った。
《 B→D→E区間 》
分岐点Bまで戻り、先ほど確認した別の路地に向かう。
土が流れないよう地面はアスファルト舗装されているがもの凄く狭い。自転車で乗って通るのも困難な幅だ。


先ほど石畳の坂を登ってきているため、下の土地とは家半軒分ほどの高低差がついている。


軽く曲がった先は両側が石積みの敷地で、アスファルトの生活道は石畳の坂に変わった。


長さは精々10m程度。ほぼ直線で単勾配になっていた。
敷き詰められた石材は両側の石積みと同じ素材のように思える。水路は付属していなかった。


この石畳を過ぎた先にまた別の分岐が左側へ見えた。この場所をD分岐点としておこう。
迷子になりそうなので取りあえず今追跡している生活道の先に向かう。


先の市道が見えてきた。
その手前にこれは石畳坂と言えるだろうか…ごく短い石畳部分があった。一跨ぎできる程度の段差を石畳で坂道にしている。


石段は足が地面に対して鉛直につくから体重をかけやすいが、足を置く場所が限られるし土砂を載せた一輪車を押し歩きするには不向きである。それほどきつくない坂なので石材を斜めに敷き詰めて石畳にしたのだろう。

市道島線に行き着き振り返って撮影している。
建築ブロックとレンガの塀で、先の到達点よりは若干幅が広く生活道らしい様相だ。


B→D→E区間の調査は以上である。
第二次調査では市道側からE→D→Bと逆順に辿っている

---

さすがに暑い。天気の良すぎるのが災いした。この日の調査では分岐路Dから先には行かずそのまま引き返した。
何となく民家の庭先へ入り込んでしまうような気がしたので


分岐点BをD〜Bの経路から撮影している。


高い側の敷地は下を通る生活道から6m以上の高低差をもつ。レンガ塀の天端からみれば10m近い。
遙か昔に傾斜地を削って敷地を造り、外側を石積みで補強したのだろう。
これほどの間知石を何処から調達してきたのだろうか…


それにしても味のある石畳の道だ。
遙か昔、地域の住民たちが話し合って共同の道であるこの部分に石を敷き詰めたのだろうか。


この石畳道周辺の動画撮影を行っておいた。

[再生時間: 60秒]


石畳の始まり部分は軽く折れ曲がっていて、最初ここに来るとき左への分岐があるようにも見えた。
実際には路地はなく民家の通路らしかった。


ふてぶてしくも自転車は生活道の真ん中へ留め置いたままだった。
ここで自転車に跨り、この日はA地点から退出した。


現地で一連の撮影を終えた時点ではまだ徹底的な調査を行う前段階だった。有名どころの石畳がある認定市道以外に秀麗な石畳の道を見つけたので、それである程度満足していたというのもあった。

その1ヶ月後、島地区を再訪して生活道すべてを洗いざらい調べてみようという気になったのには、市道にみられる石畳道を始めとする島の生活道をFacebookページで紹介したときかなりの反響があったこと、歩いてみたい秀麗な生活道に目が注がれる関連イベントが開催されていた[1]ことによる。

この過程でまだ体系的な分類撮影を行っていなかった1丁目の生活道を調査し、その後2丁目の未調査区間を撮影した。1丁目の生活道のリンクは以下を参照。

(「島1丁目の生活道【1】」へ続く)

その後引き続いて行われた2丁目未収録分の記事は以下を参照されたい。

(「島2丁目の生活道【3】」へ続く)

出典および編集追記:

1. 10月4日「都市景観の日」にあわせて「まちなかアート・フェスタ」のイベントとしてお勧めしたい路地裏写真の募集が行われた。

ホームに戻る