地理院地図で位置を示す。
一般に、地名などに現れる「はな」は、海や湖などに突き出た地の端を意味する。漢字は後世に「端」「花」など適宜同じあるいは似た読みのものが当てられるのが通例である。常盤池には古くから名前を与えられた岬が3つあり、山炭生の鼻はもっとも西側にある岬と言える。
(他にも岬となっている場所がいくつかあるが明確な名前は与えられていない模様)
《 アクセス 》
山炭生の鼻は南遠山の鼻と同様すぐ近くを遊歩道が通じており、徒歩であれば常盤池の周遊園路によって容易に到達することができる。しかし車で直接この場所を訪れたい場合、最寄りの駐車場は北側にある常盤スポーツ広場、東側はときわ湖水ホール駐車場となりいずれも相当歩かなければならない。周遊園路は一般車両はもちろんこの記事を作成する現時点では自転車に乗っての通行も認められていないので、別の経路を考えなければならない。自転車で訪れる場合は、出発地点や経路の兼ね合いもあるが、岡ノ辻方面から向かうなら自動車学校へ向かう地元管理の道を利用する方法がある。詳しくは以下の派生記事を参照。
派生記事: 市道丸山黒岩小串線・東條の入り江に下りる道
周遊園路とは独立した未舗装路が平行に通っている。この道は自転車に乗っての通行は特に問題ない。あぜ道が周遊園路に吸収される手前に自転車を留め置けば、岬までは目と鼻の先だ。
《 岬周辺の様子 》
カーブの内側から離れて岬を写している。袋状の部分は畑になっている。
以下は、過去に何度か周遊園路を歩いたとき山炭生の鼻付近で撮影した写真である。
春のウォーキングイベントに参加したとき撮影した岬付近の写真。
サクラの時期には遊歩道沿い満開になり大変美しい。
冬場の風景である。
遊歩道が岬の近くまで回り込んでいる。
(ズルをしたい人はしばしばこのカーブをショートカットしている)
遊歩道カーブは完全に岬まで到達しているのではなく、適度に内回りしている。
かなり目立つ場所なので散歩していて結構記憶に残りがちな場所だ。
土取の入り江側からカーブを撮影。
さて、岬に立ってみよう。
岬から東側の眺め。
東條の入り江を締め切って造られた遊歩道が見える。自然の岸辺だ。
反対側を撮影。
土取の入り江になる。こちら側は岬の途中から傾斜のついた護岸になっていた。
岬に立った足元の様子。
遠浅になっているようだ。段差が1m近くあって当然降りられない。
岬に立ってパノラマ動画撮影してみた。
[再生時間: 32秒]
以下の2枚は、秋口のウォーキングイベントに参加したときの撮影である。周回ウォークメンバーからちょっと脱落して撮影してきた。
岬はにしめの鼻と同様西に張り出しているので、天気の良い日の午後に訪れると逆光になって巧く写らない。
岬は遊歩道より一段低くなっており、芝生状態でアクセスは容易だ。
白鳥大橋が見えている。
《 特徴 》
・東條の入り江が締め切られる以前は兵右衛門屋敷から岬に向かうにも大回りしなければならず、到達困難な岬だったかも知れない。・岬の突端から常盤池に向かって遠浅の長い浅瀬になっている。このことは常盤溜井之略図で浅瀬を示す描写があることから分かる。
常盤池となる以前は、南に向かって低くなっていく細長い尾根だったと言える。
・山炭生の鼻に現れる「山炭生」とは、この近辺の南山炭生という小字に由来する。炭生(タブ)とはその名が示す通り「炭が生まれる」場所、即ち石炭が産出する地によく見られる小字だ。遊歩道沿いには今でも当時の炭生跡が遺っている。東條の入り江が埋められる以前は常盤炭鉱があり、昭和中期まで採掘していた。
(現在自動車学校がある近辺とされる)
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常盤池の低水位に乗じて、山炭生の鼻を汀から撮影し、周辺の踏査を行った。
後続記事として案内する。
(「常盤池・山炭生の鼻【1】」へ続く)