常盤池・小鍋島

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現地踏査日:2012/12/3
記事編集日:2014/5/18
情報この記事に登場する物件の呼称(小鍋島)に疑義が持たれています。正式名称が異なる場合は、判明次第修正します。

常盤池はいくつかの島があるが、存在こそ認識されていても名前がそれほど知られないものが多い。小鍋島はその代表格で、常盤神社が祀られている島を指す。

小鍋島の位置が分からずとも常盤神社と言えば、市民なら殆どすぐに理解できるだろう。
その場所を地図で示す。


石炭記念館の展望台からズームで眺めた映像である。
団扇型の半島の先にある小さな島がペリカン島、その奥に橋で渡る島が小鍋島である。[2009/4/8]


小鍋島は切貫付近にあり、常盤池の古地図として有名な常盤溜井之略図にも記載されている。このことから常盤池が誕生した当初から島を形成していたようだ。
なお、当サイトでは寺院関連を収録するカテゴリが存在しないので、島に至るまでの参道および島内にある常盤神社関連の石碑なども合わせて収録する。
《 アクセス 》
ときわミュージアムより常盤池側に島へ至る参道が存在する。野外彫刻広場と切貫にある上小場の間になる。
写真はときわミュージアムに背を向けて撮影している。


この参道だが、外部からの参拝を考慮したのかかつては市道常盤公園開片倉線から直線的に常盤神社まで伸びる参道があった。ところが直線路の上にときわミュージアムが建造されたため現在は直線部分はミュージアムの建物から先しか存在しない。[1]

園路の舗装種別が変わる場所(白いのは自然色アスファルトである)が十字路になっており、その手前に鳥居が建っている。
この鳥居から常盤神社まで120mという案内標識が立っている。


一の鳥居。この参道から島に向かうことになる。


一の鳥居の少し先に参道から外れた場所に建っている鳥居がある。
詳細は明らかではないが、かつての参道の一部ではないかと想像される。
年号などが刻まれているようだが詳しくは調べていない


本土から島まで長さ50m程度の橋が架かっているので、周遊園路から常時歩いて到達できる。
島の周囲は約100m程度で、現在は全周をすべて護岸に固められている。
2009年8月撮影の映像である


橋についての詳細は以下の記事を参照されたい。
派生記事: 新宮橋
新宮橋を渡った先に最後の鳥居があり、正面に本殿がある。


島の外周に沿って散策用通路が整備されている。近くから本殿を撮影するのは畏れ多いので割愛し、ここから島内を時計回りに歩いてみた。

護岸はコンクリートだが、手すり部分は特別に誂えた朱色の欄干である。


石橋を模した軽い湾曲をもつ橋のオブジェ。
この場所を選んで設置された意味があるのかも知れないが、詳細は不明である。


島の突端部分には狛犬と灯籠が置かれていた。
ここからも白鳥大橋が見えている。


この場所は常盤池に突き出ているせいか、風当たりがかなり強い。水面を渡る風は水で冷やされており、今の時期は散歩するにはかなり寒かった。

隣接する半島部分で形成される入り江には網が設置されている。
この内側にペリカン島があり、ゴミが流れ着くのを防ぐためと思われる。


反対側にも同様の網が張られている。
もっとも常盤池の水位が低いため網はカーテン状になって完全に水上へ現れてしまっていた。
切貫側の半島部から撮影している


彫刻広場の半島からも同様のネットが張られている。[2013/1/1]


本殿の東側には常盤神社の由来などを記した石碑が設置されている。


常盤神社の由来を示す石碑。拡大対象画像です。
画像にマウスをかざすと拡大、ダブルクリックで最大化します。
クリックすれば元のサイズに戻ります。


常盤池を築造した俊平公の功労を記す石碑。拡大対象画像です。
画像にマウスをかざすと拡大、ダブルクリックで最大化します。
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なお、石碑の説明文では「常盤湖のほか小羽山の蛇瀬池造成による鵜ノ島開作なども手がけ…」とあるが、歴史的には蛇瀬池の築造が先である。蛇瀬池で得られた技術や経験が常盤池の築造に大いに活かされたのであった。詳しくは蛇瀬池の概要を参照。
さて、この島の名前となる根拠だが…
この石碑の斜め後ろに島の名前を示すと思われる表示柱が建っていた。


小鍋島とだけ書かれた標識柱が建っている。


この周囲には島を模したオブジェなどは存在しなかったで、常盤神社が祀られている現在地のこの島を指す名称と判断せざるを得ない。[2]


もっとも今まで調べた限りでは、小鍋島というキーワードが現れるのは園内ここだけである。案内看板では常盤神社という名称だけ記載されていて小鍋島という文言は現れない。常盤溜井之略図にも小鍋島という文字はみえておらず、恐らく後世による命名と思われる。
もっとも松が植わっているイメージとして「鍋島の縮小版」という意味で小鍋島という標識柱を立てたに過ぎない可能性もある。少なくとも個人的には常盤神社があるこの島を指して小鍋島と呼ばれるのを聞いたことはない。もし島名を指すのでないことが判明した場合は、記事はそのままで記事タイトルだけを変更する。
ファイル名を"konabeshima"ではなく常盤池の3番目の島の"island3"とした理由でもある

訪れる観光客はそれほど多くはないが、今でも信心深い来訪者が本殿に手を合わせに来る。
私が島の周囲を撮影している間にも年配の方が拝みに来られていた。
《 その他の写真 》
白鳥大橋から撮影した小鍋島。
宇部空港を飛び立った飛行機が旋回しているのが見える。


彫刻広場のある半島からズーム気味に撮影。


追加の写真を採取した折りには編集し掲載しておこう。
出典および編集追記:

1.「国土画像情報閲覧システム - 常盤池切貫付近(昭和49年度)の航空映像」で確認できる。

2.「Wikipedia - 鍋島(山口県)|関連項目」によると、島に生えていた松の木を移植し30分の1スケールで鍋島を復元したと記載されている。このことより、標識柱はあくまでも復元されたミニチュア鍋島を説明する意図で立てられたものでありこの島自体の名称ではないと考えるのが妥当であろう。
編集追記の現時点までこの島を小鍋島と呼ばれた実例をまったく耳にしない

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