馬の背池・新堤【1】

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現地踏査日:2013/2/15
記事編集日:2013/7/5
新堤は、馬の背池として知られる上池下池の近くにある溜め池である。


余水吐を中心にポイントした地理院地図を示す。


新堤は馬の背池の近くにありながら、誕生時期など詳しいことは何も分からない。平成期に入って整備された上池・下池とは異なり初期の姿がほぼそのままで遺っている。現在では岸辺への接近は甚だ困難である。
《 アクセス 》
後述するように堰堤へ接近する道が失われているので、ここでは俯瞰できる場所へのアクセスを示している。

馬の背下池と馬の背コースの分岐点までは先行公開している下池と同じである。
以下の市道記事を参照されたい。
派生記事: 市道門前馬の背線【2】
一部上記派生記事と重複するが、下池方面に伸びる小さな川を渡った後登山道となり、坂の途中で新堤との分岐点にさしかかる。


中山観音コースとして知られる左の分岐に向かう。


道中は周囲を原生林に囲われて殆ど視界が効かず、新堤の位置を確認できない。
道なりにするむと更にきつい斜面登りで高度を上げる。


一気に高台まで登り詰め、ここで初めて視界が開ける。
振り返って撮影している。北小羽山の市営住宅群が遠くに見えている。


ここから新堤を見おろすことができる。登山道から張り出した露岩に立って見おろす形になる。


中山観音コースは霜降山登山の経路の一つであり、急な坂を登って視界が開けた直後に見える溜め池なので意外に認知度は高いかも知れない。
《 概要 》
中山観音コースを歩いている間で新堤の姿が初めて見えるのはここまで登り詰めた後である。堰堤に向かう分岐路が存在する筈なのだが、現在では失われてしまっているらしく分岐路は見あたらない。

安全に観察できるのはこの高台からだけである。
大きな岩の突端でもう一歩も動けない。水面まで殆ど崖状態だ。
転落防止柵などはいっさい無いので寄りすぎないように注意


樹木が大きく育っていて池全体を見渡すことはできない。
高台からは堰堤付近の一部が見えるだけである。


ズーム撮影。
コンクリート製の古い樋管が見えている。


池の上流側は木々に遮られていて見えない。


以下の2枚は3年前の冬に訪れた映像である。
このときも同じ高台から見おろして撮影している。


ズーム撮影では分かりづらいが、このときは透明度が極めて高く、水底まで伸びる樋管が下の方まで見えていた。


新堤に到達できたのは十数年前の初回だけで、汀まで到達して写真を撮っていた。当時の自分はこの美しい溜め池が馬の背池と考えていた。
この東側にもっと大きな溜め池があることを全く知らなかった

不思議なことにこの池の岸辺まで到達できたのは初回のそのときだけだった。その後、自転車で市内の物件をデジカメ写真と共に掘り起こすテーマ踏査なるものを手がけ始めた数年前から少なくとも3度ここを訪れている。しかしいずれも堰堤に向かう道を見つけることができず、十数年前の自分がどうやって到達できたのか謎に包まれていた。

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今年に入ってこのミステリーを解決するために綿密な踏査を行い、堰堤に向かう場所を特定できた。
概ねこの場所である。


このときの様子を後続記事として案内する。

(「馬の背池・新堤【2】」へ続く)
【追記】(2013/7/5)

市役所横に設置された宇部市住居表示案内図により、この溜め池の名称が新堤であることが判明した。
以前「小池」と表記している部分は、すべて書き換えている。ただし市内には「新堤」と呼ばれる溜め池は他にも複数存在するので、馬の背堤の系列としての新堤と表記している。

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