塚穴川【4】

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現地踏査日:2012/3/25
記事公開日:2012/9/12
(「塚穴川【3】」の続き)

続きと言っても前編で塚穴川の踏査を行ったのは3月上旬のことだ。
国道190号から地区道に入り、この場所から降りて滝の下にある池を観てきた。


更にそのとき滝の下にある池から下流側をここまで辿っていた。


コンクリート護岸が続いていたが、両側から張り出す木の枝に進行を阻まれ引き返していた。

それから同月の25日に女夫岩滝の落下口上部を訪れた。
実はそれから塚穴川の下流をある程度たどっていた。しかし上流側に比べて殆ど観るべきものはなく、河口まで辿り切れてもいないので記事化されずにいた。

しかしその後河川カテゴリなるインデックスを設定して記事の収録場を整えてしまったので、この際だから最後まで追跡して完結した記事にしようと思った次第だ。実際の踏査から半年近く経ってからの記事制作となるので、あまり濃い話は語れないかも知れない。

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女夫岩滝の落下口上部接近に成功した後、更にこの地区道を進んでみた。


滝の下側には立ち寄らなかった。前回護岸まで張り出す木の枝に阻まれて進めないことが分かっていたからだ。それで下流側から遡行することにした。

そのためにはあまり塚穴川から離れる方向には行けない。
程なくして分岐路があったので沢を下っていく右側の道に向かった。


道は畑地を緩やかに下りつつ真っ直ぐ進んでいた。
本当にここは私にとってまったく初めての場所だ。
この道も地元管理の道路ということだけ分かっている


やがて進行方向の右側近くに深い沢が見えるようになった。この下に塚穴川の続きがあるはずだ。
沢は傍目にも深いばかりではなく幅が広い。地区道は一旦塚穴川の流れる沢地まで降りるようで、ここから先は次第に下り勾配が急になっていた。

下り坂の途中、鋭角に折り返して上流側に向かう道をみつけた。
先の方は笹藪の奥へ伸びている。通れそうな感じはあるのだが…


かなり古そうな感じの道で、方向からすれば塚穴川の上流に向かって降りるように思われた。しかし民家の庭先に入り込んで行き止まりというパターンが頭を過ぎったので見送った。ここから既に坂の下で塚穴川を横断する部分が見えていたからだ。

丘と沢の底を無理やり繋げただけの道で、厳しい下り坂だ。ブレーキレバーを握りしめてもズズズーッと引きずり下ろされる状況だった。ブレーキパッドの禿びが心配されたので自転車を降りて押し歩きした。
乗ったままフリーフォール状態で下れば爽快だが…そうするにはあまりにも坂が急で道も曲がりくねっていた

この道は一番低い場所で塚穴川を渡っていた。
周囲は家屋から塀から護岸まですべてコンクリート一色…自然な川の様相は微塵もなく、橋というよりはコンクリート床版、川と言うよりは排水路といった感じだ。


この場所は次回以降のキーポイントともなるので地図で示しておこう。
地区道が塚穴川を渡る場所を中心点に設定している。


この地図で言えば、国道から滝の下へ降りる場所を通過して右折地点に至るまでは一旦下ってまた登り直していた。
地区道を右折してからは緩やかな下りに、そして塚穴川が近づいたところで急激な下り坂になっていた。

コンクリート床版の上から上流側を撮影している。
右岸側は一定距離をおいて民家のブロック塀が連なり、歩いて通れる程度の叩きコンクリートが施工されていた。


地区道との段差部分は階段が設置されていた。
階段があることから、人が通るようには一応設計されていることになる。


しかしこの幅では道と呼べるほどの信頼性がない。最後はそれ以上進めない場所になっている可能性もある。
そこで自転車は連れて行かず道路脇に停めて施錠し歩いて偵察することにした。

護岸はすべて練積ブロックだが、直線ではなくかなりうねっている。
ブロックを築くのにわざわざ曲線混じりの難しい線形にする筈もないから、昔からこういう川岸だったのだろうか…


歩いているのはブロック塀の外側だから、私有地立ち入りを心配するには及ばない。しかし人が経常的に通るような場所ではないので予期しないアクシデントが起きないか気になった。
このような場所を歩くと得てしてブロック塀越しにいきなり番犬に吠え立てられがちだ


案外、問題なく進める。恐らく溝普請をするときゴミなどを搬出しやすくするために当初から設けられていたいたのだろう。
もっとも左岸側は天端まで藪が張り出していて寄り付きならない状況だ。


通路部分の高さは河床から1m程度、他方左岸のブロック積は背丈以上ある。
一気に大量の水が流れるようなことがあったら、この通路は水面下に沈んでしまわないだろうか…


ブロック塀の末端部分で段差があり、そこから先に家はなく草地になっていた。


開けた草地に出てきた先、右側から降りてきて塚穴川を横切る道があった。
それを見てやっぱり…と思った。


急な坂を降りるとき、進行方向とは逆に沢を遡行する道を見つけていた。右手に見えるのは紛れもなく同じ道だ。塚穴川自体はもう少し上流側まで辿れそうだ。

結果論だが、最初からこの道を下ってくれば良かった。更に進んでも良いが、まだずっと先があるならどんどん自転車を留め置いた場所から離れてしまう。

アスファルトの道は塚穴川をコンクリート床版で渡り、そのまま草地に繋がっていた。
広い草地でご婦人がバケツ片手に何かを摘んでいらした。ツクシか何かが生えるのだろうか…
この手前にあるコンクリート床版の意味が分からない…ゴミ置き場なのだろうか


取りあえず今たどってきた叩きコンクリート通路を引き返して自転車を取りに戻った。停め置いているのはそう広くもない地区道の端で、いくら施錠していても長いこと放置しておきたくなかった。

下り坂の途中に見えた道から入るには、ブレーキパッドにはよろしくない急坂を押して歩き、ここから再び乗って下ることになる。それでも下り坂はサドルに跨っているだけで進める分ラクだ。
正直な話それほど手間をかけてでも歩きたくない…


予想通り、鋭角に折れて下っていくこの道は先に引き返したツクシ採り草原(?)に続いていた。
この道を下る途中、昔の塚穴川の歴史を語ってくれているのかも知れないあるものに出会うこととなった。

(「塚穴川【5】」へ続く)

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