市道男山線・横話

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ここでは市道男山線の派生的記事をまとめて掲載している。

《 真締川上流端石碑 》
現地撮影日:2013/10/22
記事公開日:2014/10/3
本路線の終点付近、道路の右側に水路同然の真締川が暗渠に潜る場所があり、その付近に真締川上流端の石碑が設置されている。


位置図を示す。


石碑は道路の端に台座付きで据えられ、車止めのチェーンが張られている。


市道の終点側から撮影。
ガードレールの向こうに見えるのが真締川だ。


石碑を正面から撮影。
丸ゴシック様の字体で真締川上流端と表記されている。石材の種類は分からないが、緑色をした特殊なものだ。


これは河川管理の限界地を明示するもので、県管理の河川上流端にはかならず設置されている。正確な所在地はすべて告示されており、真締川の場合は大字川上字烏帽子岩755番129および223地先とされている。[1]
上流端に設置される標注は標準規格があるようで、一般的には白い三角柱のそれぞれの面に山口県・(河川名)上流端という文字が記載されるだけの簡素なものである。真締川の場合は石碑であり些か特殊だ。

近づいて撮影。
「川」の字の第一画目のところが茶色くなっているのが気になるだろうか。


写真を撮りに行ったとき、ちょうど一匹の土蜂が石碑に巣を造ろうと作業している途中だった。

石碑の裏に文字が刻まれている。
近くで撮影したいのだがブンブン飛び回る蜂が怖くて近づけない。


なかなか石碑の裏側に接近できない。カメラを持って動き回る人間も蜂にとっては目障りな存在らしく、巣作りの邪魔をする者は一刺ししてやるぞと待機しているように見えたのだ。
余談だが、小学校中学年のときに従兄弟の家でスズメバチに刺されてから蜂は恐怖の対象だ。その数年後に自宅でミツバチ程度の小さな蜂に刺されたのに免疫反応が過剰に出てかなり腫れて痛みも強かったのを覚えている。それからは一度も刺されていないだけに、次に刺されたらどんな酷い事態が起きるか想像つかないだけに怖い。何の種類の蜂であろうが踏査中に姿を見かけたら諦めて撤収している。
渡り八十八箇所の調査中にも姿を見かけたので途中で撤収した

営巣材料を確保するためか、蜂が遠くへ飛び去った隙にサッと撮影した。
平成十九年四月 男山有志と刻まれている。


このことから上流端標注が標準タイプの三角柱ではなく石碑となった経緯が推察されそうだ。
平成19年と言えば真締川ダムの完成する2年前である。その頃には本路線の付け替え工事や未来湖に吸収されなかった真締川上流部の整備もほぼ終わっていた。
恐らく整備以前は通常タイプの標注が立っていたのだろう。男山地区へ通じる対面交通の良好な道路や河川が整備されたので、何か記念になるものを設置しようという動きがあったのかも知れない。

道路の端に石碑を建て、基礎部分は御影石で囲みマルチングが施されている。今のところこれほど立派な上流端標注を他に見たことがない。男山地区の新たに生まれた代表的モニュメントと言えるだろう。

下流側の様子。
コンクリートブロックと擁壁に固められた水路同然である。ここから下流が県管理ということになる。


上流端のこの石碑の存在を知ったのは初めて男山地区を自転車で訪れた2009年秋である。とても目立つので見落としはなかった。他方、上の写真にも見えている真締川上流端から下ったところにある有名な江戸期の遺構、御作興に気付いたのはずっと遅れて2014年の秋口であった。詳細は以下の記事を参照。
派生記事: 御作興
《 男山について 》
男山(おとこやま)は川上校区にある地名である。
写真は市道高嶺中山線通称テクノロード)と本路線の交差点付近にある男山入口バス停サイン。


バス停名で示される通り男山地区までのバス路線はないが、真締川ダム工事に伴い本路線が対面交通規格として整備されている。[2]真締川ダムより更に本路線を北へ進んだところに集落がある。川上校区では第8区で男山集会所が本路線の終点付近にある。自治会の前身は昭和21年入植の男山開拓団であった。[2]

一般の宇部市民に対して男山というキーワードを投げかければ、連想されるものとして霜降山ないしは日本酒という答が返ってくるだろう。
前者の霜降山に関しては、県道西岐波吉見線から分岐し登山車道が整備され車で到達できる標高232mのピークを男山と呼ぶ。鍛錬遠足の行き先として多くの小学校の目的地とされてきて男山集落を通る登山道は男山コースと呼ばれている。日本酒に関しては、男山は宇部を代表する清酒のブランド名となっている。
日本酒を嗜まないのでこれ以上の詳しいことは分からない

地名の由来は定かではないが、一般にはなだらかな山が多い中で比較的嶮岨な外観の山がある地に由来すると思われる。小字絵図で確認された範囲では旧宇部村内に同名の小字は存在しない。
出典および編集追記:

1.「山口県の管理する河川一覧|真締川」山口県河川課

2. 当初は市道高嶺男山線であり、国道490号の旧道区間を取り込む形で市道男山線となった模様。
「歴史散策かわかみ」p.121

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