市道常盤町寿町2号線【1】

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現地踏査日:2010/12/1
記事公開日:2012/8/13
市役所のお膝元に、自転車隊は
「小さなナンバーワン」を見つけた。
名称は市道常盤町寿町2号線。2号線を名乗るくらいだから、1号に相当する市道常盤町寿町線も当然存在する。それにもかかわらず、後で述べるナンバーワンは2号線の方に与えられている。もちろんそうであるに相応しい理由があった。

ここが起点だ。
背中に目がないから見えないが背後には市役所の建物がある。右側は市役所の駐車場の一部、左側は税務署の敷地になる。そう言われれば思い出して頂ける場所だろう。
実は一昨年撮影の写真…速度標識が色褪せて古い


市役所をご存じなら、恐らくこの路線の場所は理解できただろう。
すぐ前を通る市道常盤通り小路3号線に立って撮影している。これから向かう市道常盤町寿町2号線はここから左になる。


この場所を地図で示そう。


国道から降りてくる市道栄町線が4車線で間断無い交通量を担っているのに対し、市役所の裏からひっそりと伸び、それほど車も通らない市道である。市役所の建物の裏手から始まっていて市道栄町線からは一本東側の通りになる。

しかし…
市役所のお膝元というだけのことで、他に何かナンバーワンになりそうな要素があるのだろうか…

市役所に用事があって車で来ているときは、この写真で見えている「先着十数名様限定」の場所が空いていればそこへ車を停める。私が初めてこの市道の”ナンバーワン性”に気付いたのはここに駐車したときのまったくの偶然によるものだった。

仕事で少なくとも週に2回市役所を訪れる。雨でなければ自転車を使っている。そこで別の日、自転車で市役所を訪れた帰りにこの路線を走って写真を撮ると同時に走破したわけだ。
そのために空模様が違う写真が混在している

この最近撮ってきた起点の写真。
天気が良すぎてチリチリになりそうなくらいに暑い。
速度規制標識が新しいものに取り替えられている


さて、起点早々この場所にネタがある。
市役所のこのスペースに車を停めようとした方ならきっとお分かりの部分なのだが…


この場所って一台分の駐車スペース扱いになるの?


冒頭の標識で明示されている通り、市道は何処も駐車禁止である。だから市役所を訪れる人は(助手席など誰か乗って待っているとかごく短時間を除いて)誰もキチンと駐車場に車を留め置く。
この近辺では市道常盤通り小路3号線沿いに普通車が停められる区画割りと、これから向かう市道常盤町寿町2号線側に軽四向けの区割りが数台ある。
「軽」の文字ペイントがある

両方の市道が交わって生じる角っこの台形領域に普通車は入らない。軽四を停めるにも真横の車がキチンと枠内に駐車しているという前提で、タイヤが縁石の上に載っかる状況である。

食パンの耳や豆腐の端っこは一個分に満たず歓迎されないように、この台形領域は一台分に満たないので最後まで空いていることが多い。それでも「先着十数台限定」スペースが全部埋まってここが空いていれば、最終的には必ず誰かが停める。市役所まで歩く距離が短くて済むしチケット発券の手間を省けるからだ。

正規の駐車スペースとみなされていないらしくここには「軽」のペイントも施されていない。しかし小さな車なら市道の通行に支障は来さないせいか、大抵は軽四が駐車している。今のところ少々タイヤがL型側溝部分にはみ出ていても正規の駐車状態車両として許容されているように思える。
当局による正式な見解ではないのでご了承を…

さて、本論の市道をスタートさせよう。

自転車に跨るだけで、ペダルを踏まずともユルユルと転がっていく。明らかに内陸部へ向かって下り坂になっている。この状況は本路線より東側にあって国道190号から北へ向かう道はすべて同様である。
市道真締川東通り線は当然ながらフラット…したがって真締川の近傍では平面が捻れている


そうなっている理由は…

宇部市民ならそろそろ常識的に知っておいても悪くない事柄なので、何処かで本腰入れて詳細を語ろうと思う。そういう訳で今は説明は省略…宿題にしておこう。[1]

ユルユルと下っていく途中、左から細い道が接続してくる。
市道常盤通り小路5号線で、この近辺に集結する小路地の一つだ。真締川東通り線側に起点があってここが終点になる。


同じ場所から振り返って撮影。
市役所が近いせいか、この近辺を通る車、歩く人々は概ね市役所関連の用件だ。


すぐその先右側にある市役所駐車場の裏門。
通常ここは閉鎖されており、駐車場への一般車両の乗り入れは市道栄町線側のゲートを通る必要がある。宇部祭りの開催時はここが開かれ資材などの搬入路として使われる。


市の中心部にあってこれほど広い駐車場が存在することに驚きを感じるべきである。
元からこの駐車場があったのではなく、かつては宇部警察署の敷地だった。神原町へ新しい庁舎を構えることでここが市役所来訪者用の駐車場として生まれ変わったのだ。
このあたりの事情は市道栄町線の横話を参照されたい。
派生記事: 旧宇部警察署
さて、市街部の路地なので展開は急である。
駐車場の裏門付近を過ぎると、やや大きめな別の市道に出会う。

ここで市道緑橋芝中線を横切る。国道190号からすれば、最も北側で近くを通る幹線市道になる。


終点を目前にして、左から細い路地が交わってくる。
市道寿町4号線で、真締川東通り線と本路線の間を結ぶ100mばかりの市道だ。


自転車一漕ぎでまた別の幹線となる市道宇部新川恩田線に突き当たる。
ここが本路線の終点だ。


この場所はちょっと分かりにくいので周囲を写してみた。
T字路の西側は、市営の有料パーキングである。
一昨年の秋口に撮影された写真である


宇部新川恩田線を渡り、反対側から振り返って撮影。
延長が短いので、ここからでも起点が見える。緑橋芝中線に出るまでが下り勾配で、そこからはフラットになっているのが分かるだろう。


この市道の経路図を国土地理院の地図に書き込んでいる。マイナーな路線とみなされているせいか、一部の経路が記載されていなかった。


そういう訳で、アッサリと攻略完了。

ところで…
「小さなナンバーワン」って一体何?
実は、起点から撮ってきた写真の中で既に現れている。しかし写真を眺めることは元より、現地へ行ったとしても注意しなければまず気が付かないだろう。

市役所来訪者用の駐車場は、周囲をネットフェンスで囲まれている。起点付近のフェンスに答があった。


認定番号1番!!


認定された順番かどうか定かではないが、ここに1番があった。

この楕円形の表示板を見たことがあるだろうか。
注意深く観察すれば、結構あちこちの市道で観ることができる。別の記事から参照するかも知れないので、インデックスをつけて書いておこう。
《 美化ピカロード宇部 》
”美化ピカロード宇部”と描かれた独特な楕円形の表示板は、車や自転車で市道を走っていて数ヶ所在り場所を確認している。市道宇部駅小野田線の終点付近に立っているのを見たし、市道高嶺中山線にはちょっと薄汚れた標示板があった。最近のレポートでは小羽山中央線の終点付近にも立っていた。

美化ピカロード宇部とは、市の道路河川管理課が窓口となって、道路の清掃やごみ拾い、除草や花壇の世話などを行う”まち美化・アドプトプログラム”の一環のようである。
「宇部市 - 市道の里親制度について」
http://www.city.ube.yamaguchi.jp/machizukuri/dourokasen/satooyaaigo.html
「美化(ピカ)ピカロード宇部」
http://www.kankyobika.or.jp/adopt/domestic-activites/jirei-tyugoku/yamaguchi-ube2
認定番号は、恐らく認定された順番だろう。市道の整理番号は北から付与する等一定の法則によって早期に決められたものなので、当然一致はしない。
隗より始めよということで、市役所のお膝元にあるここが1番として設定されたと思われる。この路線は神原47区自治会に所属する方々によって管理されている。
もっとも路面の修繕や側溝設置など自治会では手に負えない作業は市の管理になるだろう

自転車隊のアジトのすぐ前にも交通量の多い市道が通っている。しかし全線を何度も通行していながらあの標示板を見かけないので、車が日常的に通行するすべての認定市道が里親を持っているとは限らないようだ。

認定番号の上欄には里親となっている団体名が記載される。これは自治会であったり道路維持修繕関連の企業だったりする。資格審査を経て個人でも里親になれるらしい。無報酬ではあるものの自治会や団体、企業名が掲示されるのだから相応の宣伝効果があると言えるだろう。

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”ナンバーワン”と言明したので「もっとも短い市道のナンバーワン」を予想された方があるかも知れない。
残念ながらこれよりはるかに短い市道がいくつもある。例えば市道南小羽山19号線あたりなどは全長50m以下で最短候補になるだろう。
しかし全宇部市道の中で間違いなく最短であると確信をもって言い切れない
【路線データ】

名称市道常盤町寿町2号線
路線番号456
起点市道常盤通り小路3号線・宇部市役所裏
終点市道宇部新川恩田線・市営パーキング横
延長約200m
通行制限なし
備考

延長など各データの正確性は保証できません。参考資料とお考えください
出典および編集追記:

1. この件については内陸部に向かう道が下り勾配になっている理由に派生記事として記述しておいた。

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