市道崩金山線

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記事作成日:2022/11/27
最終編集日:2022/11/27
市道崩金山(くずし・かなやま)線は、宇部変電所の外周を通る市道小松原桃山線に起点をもち、北側の山を越えて金山地区を通って中山浄水場の東側へ到達する認定市道である。
写真は藤山八十八箇所の第75番御堂がある付近の様子。


現在の経路を地理院地図に重ね描きした画像を示す。は起点、矢印は終点を表している。
経路のGeoJSONデータは こちら


実際の起点・終点と合致しない路線名(後述する)と、他よりも高低差の低い経路を辿っていることから、小串と中山方面を連絡する古道だったと思われる。現状は起点の僅かな区間と終点側に四輪の通行可能なアスファルト舗装路があるだけで、道中は軽四がどうにか通れる幅のうらぶれた舗装路と山道が殆どである。特に峠から金山地区までの間は近年まったく往来がなく、徒歩でも通過困難である。
《 経路の概要 》
起点側から終点まで道の形態と通行難易度によって概ね4区間に分類される。
【 起点〜峠 】
宇部変電所の外周を回る市道小松原桃山線から北側へ分岐する道がある。アスファルト舗装されているが、地元在住者以外の通行はない。しかし山越えの主要な道の一つであったことは、登り坂の始まる場所にある祠や石碑で示唆される。

登り坂はかつて未舗装路だったが、2021年に送電鉄塔の建替工事が行われたとき大型車両が進入可能なように拡げられた。

この登り坂の途中で市道藤曲門前線が横切っている。この市道は交差地点付近で道の痕跡が完全に喪われていて何処で横切っているかを特定するのも困難である。
【 峠〜金山 】
概ね最高地点に到達したところで、道は送電鉄塔のある右の方へ曲がっている。これは後年鉄塔の管理道として整備されたものであり本路線の経路ではない。藪の中へ突っ込む形で直進する経路をたどっている。この入口部分は日当たりが良く草木が伸びているため完全に隠れていて特定困難である。藪を突っ切ればその先に踏み跡が現れる。

概ね大八車を牽き通せる程度の幅の道で、かなりの勾配で下っている。道の痕跡は明瞭だが、両側から竹が倒れかかっていて歩いて通過するのも非常に困難である。
【 金山〜大笠 】
竹藪を通過するとやや開けた場所に人家が現れる。落ち葉に覆われない部分には古いアスファルト舗装もみられる。この場所は市道金山線の終点でもある。人家には最終編集日時点で居住者はない。

軽四一台がやっと通れる幅の古いアスファルト路になる。路上の枯れ葉は堆積するに任せてあるが、倒れかかった木などは取り除かれている。ガードレールはなく、特に狭く高低差のある場所には市道路課の路肩標が設置されている。

中山地区へ降りていく農道のような近道以外、有効な枝道は殆どない。途中に目立った分岐路があり、藤山八十八箇所の御堂があったことを思わせる遺構がみられる。そこから先は枯れた竹が堆積しており調査されていない。このような一本道が延々と続き、藪のトンネルを抜けて周囲が少し開けたところで、右下から登ってきて合流する道が見える。中山地区へ向かう市道栄ヶ迫大笠線で、この道も途中に四輪の通行ができない区間がある。
【 大笠〜終点 】
合流地点の先にある民家への往来があることから、この合流地点より終点までは路面が見えるアスファルト舗装路となる。道路の両側に民家が数軒あり、途中には藤山八十八箇所の御堂が3箇所知られている。

道はうねうねと曲がっており途中に離合できる場所が少ない。ただし地元在住者以外車の往来は殆どない。やがて中山浄水場に向かう管理道が沢地の反対側へ見えるようになってからは、徐々に高度を下げていく。この辺りは幅員も次第に広がり、上条よりフロンティア大学の横を通って県道に向かう市道上条金山線の終点に接続する。
《 Googleストリートビュー 》
起点側から数十メートルと、終点側から200m程度が採取されている。

起点側の映像。


終点側からの映像。


《 崩について 》
藤山校区において崩(くずし)とは現在の本路線の所在地からまったく離れた大字中宇部の小字である。現在の路線の起点は字大場山、終点は字赤崎である。

現在の県道琴芝際波線の小羽山入口付近を通る路線が、かつて市道崩中山線として広報うべに掲載されていた。
終点側から入った sv カーは道幅が狭くなったところで引き返している模様。終点から逆にたどって物理的には金山地区まで到達できるが、近年四輪が通った形跡がなく路肩が弱い部分があるかも知れない。
初めて本路線を自転車突破したときの肉弾戦レポート。全4巻。
時系列記事: 市道崩金山線【1】
なお、上記の記事に用いられている写真は撮り直しを行った後に削除され原典画像が存在しないものもある。
出典および編集追記:

1.
《 個人的関わり 》
この周辺には四輪の通行できない認定市道がいくつかあり、早くから市道路課の台帳で把握されていた。2009年の暮れには周辺の市道を一通り訪れている。
【 近年の変化 】
以下、この路線の探索を始めてから近年までの主要な変化である。

2021年2月頃から近くを通る送電鉄塔西宇部線 No.27-28 の建替工事が始まり、作業道を確保するために本路線の急坂区間を大型車両が通行できる程度に道幅が拡げられた。

市道金山線を経由して本路線の途中にある一軒家から終点までを辿っている。一軒家には居住者がなくなりほぼ完全に往来需要がなくなったため、これより市道栄ヶ迫大笠線まではアスファルト舗装路ながら非常に荒れている。

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