市道一ノ坂黒瀬線

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記事作成日:2017/6/12
市道一ノ坂黒瀬線は、国道490号一ノ坂地区より小野湖の方へ下っていく物理的なピストン市道である。
写真は起点付近にある三界萬霊の祠と小野湖へ向かって下る本路線の経路。


ルートラボを示す。
後述するようにこの経路はあくまでも市道路河川管理課が公表している管理上のものである。


起点は国道490号一の坂バス停より少し北寄りにある。国道が最高地点の堀割を過ぎて下り坂に向かい、小野湖へ向かってやや急な下り坂になっている狭い道が本路線である。

進入可能地点まではアスファルト舗装されているが、幅員は普通車一台ちょうどしかなく離合可能箇所はない。ルートラボでも示されるように、小野湖へ向かって下る途中に民家が数軒あるだけで何処へも抜けられる道はないため事実上地区道のように機能している。

車両進行可能な末端部は形式上は未だ認定市道であるものの実質的に小野湖内に属し、小野湖を管理する県の作業用管理道となっている。この区間は関係者以外立入禁止で、外部車両が誤って進入しないように一番奥の民家への分岐路(私道)から若干のスペースをおいてチェーンが張られている。


上記のような写真が撮影できることは稀で、殆どいつ訪れてもチェーンが張られている手前に車が停まっている。これは地元在住民の車ではなく小野湖へ釣りに訪れる外部からの来訪者が勝手に駐車場のように使っているという。車を停められがちな場所は市道上という公の土地ではあるものの、この件で沿線の地元在住民は間接的に多大な迷惑を被っている。(後述する
《 歴史 》
この道は、厚東川ダムによる小野湖が誕生する以前の昔からの幹線道路である。宇部と萩を連絡する南北道路の一部で、宇部市の有力者渡邊祐策もその建設構想に大いに賛同して用地や資金を提供している。即ち現在の国道490号(前身は県管理の宇部秋芳三隅線)は厚東川ダムにより南北道路が水没するために付け替えられたもので、ダム以前は一の坂の峠を越えてから本路線を通り、そのまま昔の厚東川に沿って臼木の方へ伸びていたことが知られる。[1]この場所は、南北道路を宇部市側から辿ったとき小野湖へ没する最初の場所である。

南北道路の痕跡がどの程度遺っているかは興味の対象であった。そのため小野湖の水位が下がる都度散発的に本路線の終点付近を訪れている。しかし永年ダム水に洗われたことに加えて霜降山系の花崗岩に近いぽろぽろと崩れがちな地質と傾斜地という地勢のため、水位が低下した折りにも単一斜面が見えるのみで既に道路線形は完全に喪われている。
写真は通常水位であれば水没する地点から本路線の行き止まり部分を撮影


元々は重要な幹線だったため、ダム建設に伴い一の坂より臼木方面への道が一段高い場所へ付け替えられた後に水没せず遺った区間を認定市道へ格下げ指定したのではないかと思われるが詳細は分からない。その場合は水没地点を終点とすると思われるのに現在の経路指定には不明な要素がある。現在の路線名に現れる黒瀬は対岸の地名なので、ダム建設後に指定された可能性もある。
《 経路について 》
市道路河川管理課では、認定市道の経路をゼンリン(R) 地図へピンク色のペンで上書き表記することで実現している。閲覧に供される台地図には、起点の国道490号分岐点に○印があり、そこから水没地点まで経路に沿ってなぞりそこからは小野湖の上を直線的に横切って対岸の県道小野木田線へ向けて矢印を描く形で示している。当然ながら小野湖水没地点には道も橋もなく、また橋を架けるような計画もない。そもそも計画線は破線で記述されるものだが、台帳では実線表記となっている。

この経路が描かれている理由はさまざまに推測されているものの今も分かっていない。臼木から分岐する市道臼木櫟原線も同様に小野湖上へ経路としての実線が引かれている。明白に通行が不可能な湖沼を実線で経路が描かれている認定市道は上記の2つに限られ、謎めいたものとなっている。[2]

数年前に認定市道名リストを閲覧したとき、この2路線の備考欄に片仮名で「トセン」と書かれていたのを見つけている。これは渡船のことで、もしかすると小野湖により両岸の往来が分断されてしまったため、通行補償として市営の渡船が行われていた時期があったのではとも推測されているが、未だ確認はできていない。
【路線データ】

名称市道一ノ坂黒瀬線
路線番号761
起点国道490号・一ノ坂
終点県道217号小野木田線・黒瀬
延長約180m(陸路)
通行制限経路の途中で市道自体が小野湖に没している。
備考渡線。

延長など各データの正確性は保証できません。参考資料とお考えください
本路線の経緯および昔の道が水没する地点を訪れたときのレポート。後日あらためて訪れたときのものを含む。全2巻。
数年前のレポートであるが、この時点で四輪が進行できる最終地点での駐車問題が起きていることが分かる。
時系列記事: 市道一の坂黒瀬線【1】
出典および編集追記:

1.「小郡 1948/1/19(昭和23年)米軍撮影の航空映像
画面左下の高解像度表示ボタンを押すと詳細画像が閲覧できる

2. 計画線を含めれば市道常盤公園岡ノ辻線の例がある。この路線は常盤池の入江の一つを通る計画となっていた。
《 Googleストリートビュー 》
国道490号の起点が採取されているのみである。


現状がピストン市道であり今後も採取されることはないと思われる。
《 現地を訪れる際の注意 》
本路線は認定市道であり、市道路課による通行制限は課せられていないため外部からの四輪乗り入れは自由である。しかしながら全区間が狭く離合困難であり、沿線で駐車可能な余剰スペースは殆どない。車を若干台数停める場所なら起点付近の御堂横や行き止まり地点があるが、そこへ駐車することで沿線の地元在住民が間接的な迷惑を被っている。

外部から押し寄せる車のほとんど全てが小野湖での釣り客である。しかも近年頓に増加し、中には早朝から軽トラで乗り入れ騒音を立てつつボートを取り卸すなど明らかに地元在住民の迷惑となる行為が起きているという。乗り入れた車も個人の庭先まで勝手に入って転回するなどの行為があり、地元在住者の対釣り客への感情は非常に悪化している。

小野湖の写真を撮影するなど、釣り目的以外でも車は本路線の沿線以外の安泰な場所へ駐車し、現地まで歩くことを勧める。基本的に本路線の沿線に車を停められる場所はないと認識すべきであり、やむを得ず駐車する場合にはかならず声をかけること、その場合でも行き止まり地点は絶対に駐車しないで欲しい旨の要請を頂いている。詳細は以下を参照されたい。
派生記事: 行き止まり地点での釣り客による駐車問題について
このことは不法投棄に対する嫌疑を避けるためにも同様のピストン市道へ車で進攻することへの注意に繋がる。
《 個人的関わり 》
その経路の特異性から、認定市道であることを知った比較的早期に訪れている。

注意以下には長文に及ぶ個人的関わりが記述されています。レイアウト保持のため既定で非表示にしています。お読みいただくには「閲覧する」ボタンを押してください。

《 近年の変化 》
・本路線の行き止まり地点より先の小野湖領域では斜面の崩落が酷く民家が脅かされる状態になっているため、県が斜面に大型土のうを築いている。この工事に伴い行き止まり地点から先のアスファルトやコンクリートは剥ぎ取られている。また、水位低下のために湖底へ伸びるコンクリート階段は自重で崩壊し散乱している。

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