市道まかよ山門線

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現地踏査日:2009/10/18
記事編集日:2015/1/8
以前からとても気になっていた市道があったので、自転車で走ってきました。
幸い、それはアジトから割と近い場所にありました。

何が気になるかと言うと、記事タイトルを見ただけで気になる一風変わったこの路線名です。
市道まかよ山門線。
すぐにでも尋ねたくなる質問です。
「まかよ」って何?
市の道路河川管理課で市道の経路と路線名が書き込まれた地図を閲覧するようになった当時から、しばしば目にするこの路線名が気になっていました。
それは全くの知らない道でもなく、車で何度か通った記憶がありました。

すぐに思いつくのが古い地名ではなかろうかという推測です。
市道まかよ山門線…
山門(やまかど)は分かります。風呂ヶ迫の麓に鴨たちが集うやや大きな池(小路ヶ池)があって、その近くに山門郵便局があります。地名だってことは早くから知っていました。
じゃあ…
「まかよ」っていう地名があるの?
しかし地図を見てもそんな地名は何処にも載っていません。載っていないどころか、私も宇部にX十年住みながら一度も聞いたことがない地名です。

地名ではなくて、建物とか自分の知らない著名な何かの名前を借りているのでは?
市道馬渡橋西割線もそうだった…馬渡橋っていう地名ではなくそのものズバリの橋が起点になっていました。

ネット使いの常として、分からないものがあれば当然、検索します。
しかし単純に「まかよ」で検索すると、個人のブログや日記に現れるセリフ「そのまんまかよ?」なんてのが大量ヒットする有様…
「宇部」のキーワードを追加して複合検索したのですが、何一つ有用な情報に行き着きませんでした。
「Bing検索 - まかよ 宇部 の結果」
http://www.bing.com/search?q=%E3%81%BE%E3%81%8B%E3%82%88%E3%80%80%E5%AE%87%E9%83%A8&go=&form=QBRE&filt=lf
私が知らないだけで、起点か市道の経路中に「まかよ」という何か有名な物があるのかも知れない…
とりわけ平かなで書くと、女性の名前が想起されます。
真香世? 麻佳代?
そういう歴史上の著名な女性が居て、銅像とか建っているのでは…という想像(妄想?)に駆られて現地に行ってきました。

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道路河川管理課で調べたところによれば、この市道は国道490号のここに起点があるらしい。
琴崎八幡宮まで車で走ったことがある方なら、まったく見慣れた風景でしょう。


Yahoo!地図でこの場所をポイントしています。


沼交差点から琴崎八幡宮側へ2つほど信号を進んだところにある信号機付きの交差点です。見かけは十字路ですが、国道を挟んでそれぞれ別の市道(国道の反対側は市道沼2号線の終点)で、押しボタン式信号なので車は自己判断で国道へ合流または横断することになります。


さて、この道が市道まかよ山門線らしい…
起点から向かって右側は業務系のディスカウントストアー、左側はコンビニです。
何処にでもあるような住宅地向けの道で、ざっと周囲を見回しても「まかよ」を思わせる古めかしいものや女性らしきものは見あたらなかった(微笑)


コンビニの駐車場が切れる辺りに立っている標識。
大型車は無条件に進入不可、朝の時間帯は起点側からの一方通行になっています。
それにしても天気がいい…空の青さが印象的


これと言った特徴もない道なので、カメラ構えて撮影しつつ進攻するのもちょっと気が引けました。

起点から100m程度進んだところで、同じくらいの道と直角に交わります。
この道もあらかじめ経路と路線名を把握しており、市道まかよ小串線です。


またしても現れた、謎の名称「まかよ」。
道路河川管理課は、よほど「まかよサン」に入れ込んでいるのでは…^^;
…と思いかけたけど、地名を表すのなら、かつてこの近辺一帯を指す呼び名だったのではと推測しました。

このキーワードを含む市道は、今自転車隊が辿っている市道まかよ山門線、ここで交わっている市道まかよ小串線、そしてすぐ後で現れるマイナーな道、市道まかよ線の3つです。
いずれ別の記事で書くように、今は答えを持っています。しかし市道名と経路のみを把握し、こうして走っている当時の自転車隊にはまだ理解できていませんでした。

やや視界が開け、幅広の水路に沿って北上します。直接は見えませんが、右手のブロック積みの一段高い場所に上宇部中学校があります。


道路幅はそう広くもなく、普通車同士の離合は徐行しなければ困難です。少しでも離合を容易にするためか、ところどころが胃袋のように膨らんだ離合スペースがあります。
水路への転落防止にガードレールが設置されていますが、ここは個人的にとっても「忌まわしい」場所。

今から5〜6年前のこと…
仕事で上宇部市営住宅に用事があり、その帰りのことでした。この道は何度か走っていたから狭いけれどもそれなりに慣れていました。
国道に出ようとこの近辺に差し掛かったところ、向こうから戦車みたいなデカい車(当時はまだ流行っていたっけ)が入って来て、胃袋の離合所があろうにこの狭い場所でガッチンしてしまったんだ。

デカい車に乗ると態度までデカくなるのか、相手は一歩も譲る気配なし。 それどころか「さっさとバックして端に寄れよ」ってな具合で、逆ににじり寄って来やがった。仕方ないから慣れないこの道でバックし、端に寄ろうとハンドル切ったんだ。
ガガガガガ...
相手がせかすものだから、慌てて下がって助手席側のバンパーをガードレールで思いっきり擦ったのよね。運転していても大きな音が聞こえた。そいつは何食わぬ顔でさっさと行っちまったんだが…

ええ、被害甚大でしたよ。
車検に出したとき担当者が気を利かせてちょちょっと塗ってくれたものの、今でも目立ちます。それ以来私は「パ」で始まるあの戦車みたいな無駄にデカい車が大嫌いです。
当時の車は廃車にして今は軽四に乗っています

ここでやり過ごせば楽だったのに…
元々幅員が1.2車線くらいしかない市道なので、ところどころにこんな感じの「胃袋」があります。


この胃袋を過ぎると今度は反対側、水路の方へ膨らむ十二指腸(違っ)が…
そこから分岐する道に出会います。極めて短く当初は見逃してしまっていた市道まかよ線です。


市道まかよ線はここが起点になっていて、チョー短いので寄り道可能です。殆ど何も大したものはありませんが道草したい方は下のリンクからどうぞ。
派生記事: 市道まかよ線
水路との位置関係が変わり、ほどなくしてまた別の市道(中村寺の前線)に出会います。


見かけは十字路ですが、少しよじれて接続されています。
もちろん直進です。


その先は更に幅員が狭まり、普通車同士の離合も困難になります。
右に見える5階建ては上宇部市営住宅です。この市住には駐車場がないので、訪問者はこの写真の前方左側にある「胃袋」に車を停めるのが暗黙の了解になっています。
最近市営住宅敷地内に来客者用の駐車スペースが出来た模様


この近辺…訪れたことがあるって人はさすがに少数派でしょうね。

右側の舗装されない広場は、教念寺の駐車場です。参拝関係者以外は駐車禁止なのですが、いつ来ても大概何台かは車が停まっています。しかもお寺からは遠い筈の市道側に…


写真では分かりづらいですが、手前左側に見えるやや広い道は地区道ですが、向かって右側、教念寺の方からやってくる細い道がカーブミラーで映し出されている細い道に繋がっています。
市道寺の前大小路線で、市道よりもずっと昔からあった古い道です。

幾分広い道ながら、地元管理の地区道らしき風合いです。念を押して一方通行の標識が出ています。
その下の駐車禁止表示の下にある補助標識は→になっていてここから禁止区間が始まるとも解釈可能


市道はこのあたりから緩い上りになります。
その先にあるちょっとシュールな感じの看板。


近づいて撮影。
一体、誰が可愛い猫チャンをわざわざ同じ場所に捨て続けるのでしょうか…(怒)


左手に上宇部小学校の建物やグランドを眺めつつ登っていきます。


この坂から学校とは反対側を眺めています。
なだらかな丘陵部に田畑が広がっていてとてものどかな感じ…


市道は小学校のプールを抱き込むように左へカキッと折れています。
ここは見通しが悪いので自転車で下ってくるときは車に要注意です。


真っ直ぐな登りの途中に上宇部小学校の校門がありました。
確かに道幅は狭い…横断歩道のゼブラが僅か4列しかありません(微笑)



そして終点到着。ここで行き着くのは、市内の至る所に顔を出す謎の道、市道丸山黒岩小串線です。


終点より振り返って撮影。
走った後になって思えば、ごく普通の地区道に近い市道という感じでした。


正に「普通の市道そのまんまかよ?」ってな状態で、期待されていた日本女性「まかよサン」には出会えませんでした。
実はその後の足取りとして、一旦起点近くまで引き返して一度は横切った市道まかよ小串線も走破しました。しかしやはり手がかりになりそうなものは何もありませんでした。

上宇部にお住まいで、仕事で顔を合わせる年配の方に尋ねたところ、この市道と路線名は確かにご存じでした。しかし「まかよ」が意味するものが何かは分からないという答えでした。地元にお住まいだから路線名までご存じだっただけで、普通の宇部市民ならまず知らないだろうし、仮にこの道を知っていても道路関係者でもなければ、路線名ではなく「ローソンのところから入って上宇部市営住宅の横を通って上宇部小学校の横に出てくる道」と表現するでしょう。

どう思っても「まかよ」は歴史上の女性の名前ではなく古い地名…いわゆる「小字」と呼ばれるものだろう…
だけどそれを明らかにするには、何処かに証拠を求めなければなるまい。しかし検索で何もヒットしないってことは、未だネットには掲載されていない情報なんだろう…
ホームページのドキュメントとして掲載するのはこれが初めてなのでいずれキーワード「まかよ」でこの記事がヒットするだろう…

市道の経路をルートラボで示しています。
地理院地図では表示されなくなったのでルートラボに描き替えました


この謎を解明すべく、後日自転車隊は郷土資料館を訪ねることになりました。
その当時のことを市道まかよ線の後半部分に記載しておいたのでリンクで案内しておきます。

(「市道まかよ線|まかよとは」に続く)
【路線データ】

名称市道まかよ山門線
路線番号834
起点国道490号・ローソン横
終点市道丸山黒岩小串線・上宇部小学校横
延長約1200m
通行制限大型車通行禁止。7:00-8:30は全区間起点側からの一方通行。
備考

延長など各データの正確性は保証できません。参考資料とお考えください

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