開黒岩古道(仮称)

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記事公開日:2015/1/2
情報この記事は単一物件を構成する部分記事です。将来的に単一記事に統合されることでアドレスが変わる可能性があります。

市道常盤公園開片倉線開墓地公園を過ぎたところから黒岩山の北側を通って市道黒岩線に向かう昔からの道がある。
分岐点をポイントした地図を示す。


本編ではこの一本の道において開側から進攻できた区間において開黒岩古道と仮称して記事を進めている。実質は一本の道であり、通り抜けが達成できた場合や古道の正式名が判明したときは記事構成を変更する。
《 概要 》
この道は黒岩と開を連絡する昔からの道で、かつては徒歩のみならず車でも往来ができていたようである。現在は開側から入ったとき途中にある私企業の往来部分までが舗装路、その先は畑地まで通行可能な道があるが途中からまったく普請されることのない廃道状態になっている。
かつて繁栄したものの現在では墓地と神社跡を遺すのみとなった伝説的な存在である黒杭村は、この道の北側にあったと考えられている。恐らく道中に黒杭村在住者が寄進したとされる道標があると思われるが、現状は徒歩での接近すら不可能で未だ確認されていない。黒杭村の時代考証を行う上で重要な道である。以下、初めて通り抜けを試みたときの時系列レポートを記述する。
現地踏査日:2014/1/26
時期は市道常盤公園開片倉線の2度目の走破を行った去年のことだった。このときは黒杭村に関しては宇部村から消滅した謎めいた村であること、黒岩山の裾野にあるという大まかな情報のみを把握していただけで、この道との関連性は何も知らなかった。
地図では開から直接黒岩山の北側を通って黒岩方面へ抜けられる道が記載されている。この二地区を連絡する道は他になく、相応な重要度を持つ筈でありながら自分自身まだ通ったことが一度もなかった。

市道に面した入口にはこの先に入っている私企業の案内看板が出ている。


路面はきちんとアスファルト舗装されている。
事務所を過ぎた先も舗装が続いていて相応の交通はあるように思われる。通行止めとか立入禁止の標識はなかった。


このため自転車での進行についてまったく楽観的に考えていた。もしかすると車でも通り抜けられるのでは…

道はやがて幅こそ狭くなったがまだ舗装されている。道路脇はキャベツ畑になっていた。


ところが安泰な道もこの畑の端までだった。
上の写真でトラックが停まっている先へ進むと、いきなり先行きが怪しくなってきた。

畑を過ぎたところにかなり時期の経った資材置き場があり、その先に分岐路があった。


左にも分岐はあったもののここは明らかに右側だろう。左への分岐はすぐ細い山道になっていたからだ。
舗装路はそこまでで先は未舗装路になっていた。

この道は小さな沢を遡行するように伸びていた。
沢地の中にはスレート屋根の抜け落ちている倉庫が見えた。相当長いこと誰も近寄らない状態になっているようだった。


そこを過ぎると道は突然荒れ始めた。
道幅はそう変わっていないものの落ち葉がかなり堆積していて雑草も進出している。往来が殆どなさそうだ。


やがて木々が左右から垂れ掛かってきて先行きが完全に怪しくなってきた。
自転車はここへ留め置いて歩行踏査に切り替えた。


この灌木を振り払って先へ進んだところ…
道の形状そのものが失われていた。さてここから先何処に道が通っているものやら分からない。


一番低い場所を辿るのか、それともやや左側の尾根を伝うような坂道になるのか…尾根伝いの道としてもあの中へ分け入って行くというのも…

塩ビ管が野積みにされている横に僅かながら道らしき痕跡があった。
しかしとても進攻できるような状況ではない。藪からイノシシでも飛び出して来そうだ。


見通しもまったく効かず少し我慢して藪を漕げばすぐ先に黒岩側の道があるのかさっぱり分からなかった。むしろ山の中で道なき藪の中を彷徨うことになる恐怖の方が強く、この先は「道なし」と判断せざるを得なかった。

到達地点から振り返って撮影。
自転車を置いて歩いてきているのだが、藪の中に埋もれた自転車が何処にあるか分かるだろうか。


自転車を押し歩きして引き返しつつ市道分岐から進んで最終的に進攻できた辺りを確認した。


このすぐ近くに屋根の抜け落ちたスレート倉庫があった。これは冒頭に掲載した地図でも確認できる。その位置関係からして、開側の市道から入ったときの最終到達地点は地図でこの辺りと思われ、黒岩側に出るまで100m程度が進攻不可能になっているようだ。

読者情報によると、この道はかつては徒歩のみならず四輪も通り抜けられていたようだ。途中にランドマーク的存在となる大きな樹木があったらしい。[1]もしそうなら、既に書籍で知られていた黒杭村に関する道標はこの道の途中にある筈と考えている。他に黒杭村周辺を通る主要な道がないからだ。[2]

この区間を突破するには冬場でも剪定バサミや鎌など道を切り拓く道具の携行が必須になりそうである。現状は荒れ道となって行き止まり状態であること、沿線は産廃業者の資材置き場など私有地になっていて現状でも不法投棄が目立つことから車でこの道へ乗り入れないことを強くお勧めする。
不法投棄の場所探しをしているのではと疑義を差し挟まれかねない

下片倉にある団地から沢を遡行して南へ進む別の道もある。藪漕ぎ可能な時期を狙って再訪を検討している。新しい情報が得られたなら追記を予定している。
同一古道において2014年11月に黒岩側から初回調査を行ったときのレポート。
時系列記事: 黒岩開古道(仮称)
出典および編集追記:

1.「FB版|2014/12/5の投稿」に寄せられた読者コメント情報による。(要ログイン)

2. 市道常盤公園開片倉線の終点付近、下片倉方面へ向かう古道は経路を2度検証済みで道標は存在しないことが確認できている。

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