西琴芝2丁目の生活道【1】

生活道インデックスに戻る

現地踏査日:2012/6/3
記事編集日:2013/10/16
2024/11/20 画像リンク修正済み
本編では西琴芝2丁目にある特筆すべき生活道路を相乗せ記事として掲載している。
なお、各項目に設定された経路の名称は正式名ではなく区分上の仮称である。
《 総合庁舎前T字路への近道 》
市道樋ノ口琴芝線の起点付近に総合庁舎前T字路へ抜ける自転車・歩行者限定の近道がある。
認定市道ではないのだがキチンと標識が出ている。


本項目で収録する区間の地図。


幅はやや狭いがアスファルト舗装されており自転車でも通行に支障はない。
ただし物理的にも軽四は通れない。


総合庁舎前交差点側からみたこの近道部分である。


歩行者用道路の標識が出ていることから分かるようにこの道は(自転車も含めて)誰でも通ることができる。市道樋ノ口琴芝線は琴芝交差点をショートカットして斜めに進むので距離を節約できる。
例えば図書館に向かうときはどこかで県道を横断しなければならない。この場合、市道の起点まで走るよりはこのショートカットを使って総合庁舎前交差点に出た方が安全に県道を渡ることができる。

ただし注意すべきことがある。この小道は県道に向かって緩やかに下っており、自転車は跨っているだけでも転がっていく。下った先の県道に付随する自歩道は結構頻繁に自転車が通り、この狭い道からは見通しが極めて悪い。信号が青だからと突っ込むのは大変に危険だ。

個人的には市道樋ノ口琴芝線側から下ることは殆どなく、市役所方面からの帰りにアルク琴芝店で買い物したいときにしばしば通行している。
地勢的には県道から緩やかな登りで、沢地の端をなぞるような線形になっている。上記の地図を見てもこの経路を北側へ延長した先に赤崎の児童公園跡があり、緑地として記載されている。この近辺でのかつての海岸線と考えられており、実際現在の慶進高校武道館がある土地は湿地状の池があったとされる。
本件は初期の宇部市街部の海岸線について考察したとき改めて論ずる
《 琴芝公会堂前の三角路 》
現地踏査日:2014/6/15
記事編集日:2014/6/23
琴芝公会堂から市道琴芝通り南京納川津線本項では以下琴芝通りと略記)を挟んだ真向かい、市道樋ノ口琴芝線との間を短くショートカットする道がある。


この場所の分岐路をポイントした地図。


琴芝通りの左側に寄って撮影。右端に見えかけている石積みの上に琴芝公会堂がある。
問題となっている道は理髪店の左側から入る部分だ。


もしかすると軽四なら通れるかも知れない微妙な物理幅だ。
しかしまずい位置に電柱が立っているためかここを通る四輪の車を見たことがない。


片側が側溝で、若干曲がっている以外は特筆すべきものはない。
完全にフラットで、そのまま市道樋ノ口琴芝線に通じている。
汚水管の蓋がコンクリート製なので比較的古そうだ


市道樋ノ口琴芝線側から振り返って撮影。
琴芝公会堂の石垣がここからも見えている。


たったこれだけであり、さほど重要なネタがあるとも思えない。個人的な関わりも実のところまったくなく、自転車で通ったのも今回が初めてという程度だ。
しかし…各種地図を眺めることによって相当に古くからある重要な道かも知れないことに気付いた。

その根拠となるものが2つある。
その1: 昭和12年作成の宇部市街図に掲載されている。


既に琴芝通の文字が地図中に見えている。それを北へ辿ると、この三角形状の道がそのまま記載されていることに気付く。しかもあぜ道レベルを示す破線ではなく、琴芝通りと同じレベルの道として描かれている。

その2: この道が字琴芝と字前昆布神の境界となっている。


この小字絵図は昭和中期頃の割と新しい時代のものだ。三角路に相当する部分が何処か分かるだろうか。
字琴芝の西側の境界は、琴芝通りをそのままなぞるのではなくこの三角路側を通っている。このため字の領域が分断されることなくくびれた形で繋がっている。

この三角路に沿って字境界が設定されているので、ショートカット目的で後年できたのではなく少なくとも昭和初期には存在した道と考えられる。琴芝通りのような主要な道であればともかく、昭和初期の地図にある道が現在も線形を変えずそのまま遺っている例はそれほど多くはない。
宇部市街図では既に居住地となっているものの、現在よりも家屋が相対的に少なかったのは明らかで、あぜ道のような感じの道だったのではないかと想像される。

ホームに戻る