市道樋ノ口琴芝線

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現地撮影日:2012/8/20
記事編集日:2014/6/22
この記事を書く現時点で、野山からアジトを現在の街中に引っ越して3年が経つ。
街中の移動は、近い範囲なら車よりも自転車の方が断然手軽だし早い。また、何処へ行くにも通っていく選択経路の幅が広がる。車だと慣れない道に入り込んで右往左往し、挙げ句に行き止まりで大汗かきながら車を転回させた…なんて経験から狭い道を敬遠しがちだが、自転車だとへっちゃらだ。

この過程で自転車行動半径に入る多くの細い道を覚えた。その中でもかなり早い時期に自転車での有用な経路として覚えた路線があり、それが今から向かう市道樋ノ口琴芝線だ。
この市道はしばしば通行される地点の有用な近道となることは、初等幾何のもっとも素朴な定理の一つとなる「三角形の一辺の長さは、他の二辺を足した長さよりも短い」で見事に証明される。

ここが起点だ。
市内を車で丹念に走っていらっしゃる方なら、この写真だけで具体的な場所まで理解できるだろう。
3年前撮影の写真を流用している…正面の建物は数年前までコンビニだった


現在位置は県道琴芝際波線の歩道で、この少し先に市道栄町線の終点があり、左側に県総合庁舎の建物が見える。

ここから左へ薄くスライスする形で分岐する狭い道がある。存在こそ認識しているが、きっと行き止まりだろうと考えて一度も通ったことがないという人は多い。
現在はマンションが建っている上の写真の左側には、かつて家電会社の宣伝塔が建っていた。詳細な情報は殆どないがこちらに記事を書いた。
派生記事: 日立の宣伝塔
起点に立つ案内標識。
日曜・祝日を除く7:30から8:30は歩行者および自転車のみの制限がかかる。道幅が狭いこと、学生の通学路になっていることを考慮しての制限だ。


県道から撮影。向かって右側が市道の入口になる。
県道を走る車が制限時間帯に進入してしまわないように、直進のみを指示する標識が出ている。もっとも制限時間外でもここを右折して入り込む車は滅多にない。


それでは短い市道だがスタートしてみよう。

起点から若干だが緩い登り坂になる。車一台分程度の高低差が生じていることが分かるだろう。
終点から走ってきたときここで右折するのは非常に困難


ほどなくして、市道は学校のグラウンドを横切る。校舎側のグラウンドから市道へボール類が飛来しないように高いネットが張られていた。
起点から走った場合は逆戻りになるが、この先右側に総合庁舎前T字路へ下っていく道がある。


この道は市道ではなく地元管理の道なのだが、歩行者専用路の標識が立っている。自転車は通れるが車は一切通れない。


起点からだと逆戻りになるので意味がない。しかし終点側から自転車で走ってきた場合には総合庁舎や図書館に向かう近道になるので覚えておけば便利に使える。
派生記事: 総合庁舎前T字路への近道
市道はこの先でちょっと変わった構造になっている。両側が一段低い学校のグラウンドになっていて、その中央を堰堤のような形で横切っている。市道の左側にある武道館への通路は立体交差でグラウンド側と繋がっているので、生徒は市道を直接横断せず行き来できるようになっている。
むしろ市道に上がる階段部分はガードレールで塞がれている


一旦通り過ぎ、振り返って立体交差が分かるアングルから撮影。
立体交差の袖には石積みになっているので、この堰堤構造は市道ができた頃から既にあったようだ。


法面が崩れないようにコンクリートで保護されたのは、比較的最近の施工のように思われる。ちょうど法面にサクラの木が取り残された格好だ。

グラウンドを過ぎて、市道は再び軽い上りになる。グラウンド横断部分の堰堤で高度を稼いでいるのでそれほどきつい坂には感じられない。


最近、この市道の北にあるスーパーへの近道を探そうと左の地区道を入ったとき、偶然に廃児童公園を見つけた。派生記事として案内しておく。
派生記事: 赤崎児童公園(仮称)
グラウンドに面した敷地の側面に観られる石積み。
この辺りでは県道から比較すると家一軒分以上の高低差がついている。


市道はこの先で石積みの天端に相当するまで高度を上げる。この近辺に市道区間でのピークがある。峠に相当する前後は狭く対向車も見づらいので注意が必要だ。
自転車でも変速ギア付きならともかくママチャリは若干きつい


ゆるい坂を下る途中、路面に「歩行者注意」のペイントが見えてくる。右から出てくる道と学校の裏門があり、見通しが悪いために3年くらい前にペイントされた。
ペイントされる直前の路面の写真はこちら


高校の裏門になっている。
なお、写真には映っていないが右側には県道まで出る分岐路がある。
恐らくは里道


裏門を過ぎると道はフラットになり幅も若干広がって離合しやすくなる。


上の写真で見えかけているのでここに掲載するが、細い路地の横に古い地蔵尊らしき姿が見受けられる。
それほど関心がないので詳しくは調べていない←きちんと調べろよw


キチンと調べろというお達しだったので追加の写真を撮影してきた。
派生記事: 琴芝の南向き地蔵
この近辺も市道の両側が学校関連の敷地であり、向かって左側が高校の第3グラウンドとなっている。このグラウンドは2010年頃に造られた。
以前はどうなっていたか覚えていない


グラウンドは真砂土を盛って市道より若干高めの位置にある。
市道に面した側面は低い石積みになっていて、部分的に異なる形状になっている。
派生記事: 混在する石積み
また、この石積みを過ぎた先の右側に琴芝通りへ抜ける三角形状の近道がある。


道としては短いがある重要な意味を秘めていたので追加で記事を作成した。
派生記事: 琴芝公会堂前の三角路
先に終点が見えてきた。
押しボタン式信号が見えていてやや広い道に合流する。
右側の石積みの上にある一段高い建物は琴芝公会堂である



ここが終点。

先方のセンターラインがある道は、市道琴芝通り南京納川津線で、市民には「琴芝通り」としてよく知られている。


押しボタン式信号を渡った先は市道琴芝梶返線という別路線の起点になる。
引き続き寄り道していきたい方は派生記事へ。
派生記事: 市道琴芝梶返線
終点より振り返って撮影。
琴芝通りへの接続場所は再び若干狭くなっている。


本路線のルートラボを示す。


どうだろう。この経路はまさに東へ向かう県道琴芝際波線と、北へ向かう琴芝通りに対して「三角形の原理」によって近道するルートになっているではないか。
そして実際この市道は時間帯制限こそあるものの、上手に利用するなら車でも琴芝交差点を近回りするショートカットになる。
派生記事: 琴芝交差点のショートカット
そうはいっても狭い道は多くのドライバーにとって歓迎されず、またこの道が何処へ抜けられるのか知らず行き止まりだろうと考える人が多いのも確かだ。
通り抜け車両が増やれば近隣住民には騒音になるし危険にさらすことにもなる。したがって当然積極的に推奨はしない。騒音も排気ガスも出さない自転車や歩行者にとっては、若干の上り下りはあるが活用できる市道と言えるだろう。
【路線データ】

名称市道樋ノ口琴芝線
路線番号486
起点県道琴芝際波線・西琴芝2丁目
終点市道琴芝通り南京納川津線・琴芝公会堂前
延長約380m
通行制限日曜・休日を除く7:30-8:30は車両通行不可。
備考

延長など各データの正確性は保証できません。参考資料とお考えください
最後に本路線名に現れる地名の樋ノ口と琴芝についての派生記事リンクを掲載する。
派生記事: 樋ノ口について琴芝について
《 近年の変化 》
・本路線から見える慶進高においては2014年の7月末に木造校舎が解体され、翌2015年9月からは県道に面したコンクリート校舎も取り壊された。2016年3月現在では跡地を掘削して新しい校舎のための基礎工が進められた。一連の校舎解体は、当初は都市計画道路にかかるためと思われていた。

市道栄町線は現在産業道路に対して総合庁舎前T字路を形成しているが、ここを十字路として浜バイパス(市道北琴芝鍋倉町線)まで延伸する計画が策定されている。[要出典]
下記に計画線ルートを示す。


この計画線上で本路線と交わり、その北側には未だ民家が多く建ち並ぶ。また、自動車学校とアルクの間を通ることとなり、駐車場を斜めに横切ることとなる。この状況に加えて解体撤去と思われていた慶進高校の校舎が新しく建て替わると知って、都市計画道路の計画は頓挫したものと思っていた。

しかし同年夏場以降に建築が始まった新しい校舎は元の鉄筋コンクリート校舎と同位置であり、計画線にかかっていた木造校舎のみが撤去されたことから、むしろ都市計画道路に合わせての改修だった可能性がある。ただしグラウンドより北側の民家やアルク琴芝店の駐車場などがあるので、計画実現はまだ先のことであることに変わりはない。(2016/9/22)

・2016年9月頃に本路線起点の草地だった角地がアスファルト舗装で整備されている。


この場所は平成初期まで日立の広告塔があった場所でもある。詳しくは同項目を参照。
《 個人的関わり 》
アジトから市役所をはじめとして西の方へ自転車で走るとき頻繁に通る道である。産業道路に比べて若干の起伏があるため自転車では上り坂に若干の労力が必要だが、産業道路は交通量が多いこと、自歩道のインターロッキングの不陸が酷く自転車走行の乗り心地が良くないことから個人的には本路線を選好して通っている。
市役所からの帰路で買い物をしたいとき、しばしば総合庁舎前からT字路の近道を経て本路線の途中に至り赤崎児童公園(仮称)の横を回り込む里道を通っている。図書館に寄った帰りに買い物する目的で通るという人もあるようだ。

本編で記述したように車でも何度かショートカット目的で通っている。2015年春期以降は終点から先の市道琴芝梶返線の国道490号取り付け部が拡幅工事で分断され通行できなくなっていた。

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