《 初期の症状 》
発生した日にちは正確には覚えていない。3月上旬、右肘の関節部分に痛みを感じるようになった。初期の痛みは関節部分とハッキリ特定できる程度に狭かった。痛み方は怠さを伴うようなジーンとした感じで、肘を動かしても動かさなくても変わらなかった。頭痛持ちな身であるが故に消炎鎮痛剤はいろいろな種のものを常備しているので、いつも使っているイブプロフェンを服薬したが、痛みはまったく収まる様子がなかった。重い物を持った記憶がなく、最近はバドミントンもしていないので肘の使いすぎは全くあてはまらなかった。
9日になると痛みはかなり強くなり、机に向かってじっとしていても何をしても痛みが引かなくなった。その日の晩はベッドで横になっても痛みが非常に強くて眠りに就く障害になった。寝るときは常に右側を下にして横向きになっているのだが、そうすると腕が圧迫されて良くないかも知れないと思い、初めて逆向きになって漸く寝ることができた。
《 初回の診察と施薬 》
翌朝になってもまったく痛みが軽くならず、延々と痛み続けるため整形外科に行った。痛み始めたのが木曜日の午後というのも不運だった。[1]
痛む肘を中心としたレントゲン写真でも異常は特にみられなかった。肘の骨の一部に変形があり、腕を動かすたびにコクッとひかかるような音がするのはこの痛みの直接的な原因ではないらしかった。内科的原因も疑われるために血液採取された。
目立った異常が認められないため、施薬と言っても対症療法的なものしかあり得なかった。
ロキソニン(ロキソプロフェンNa)は消炎鎮痛剤の中でも比較的作用が強いものであり、一緒に出されたレバミピドは、ロキソニンが胃を荒らすので作用を和らげるためであった。いずれも同じ薬自体はストックしているし、ロキソニンはドラッグストアで入手可能である。服薬した当日の夜は前日ほど苦しまなかったが、全く効いた感じがなかった。幾分痛みが軽減されたように思えるのは、間違いなく薬を飲んだという心理的効果に過ぎない。
ちなみにこの整形外科へ行ったのは、遙か昔にバドミントンで肘を痛めたときに通ったことと、当時一緒にバドミントンをしていたメンバーが勤務していたことによる。後述するようにこの診察ですぐには治癒も寛解もしなかったのは、私の体質に依るものであって当院の技術的問題ではないことに注意されたい。
《 2回目の施薬 》
翌週の月曜日(13日)に血液検査の結果を聞きに行った。若干総コレステロール量が高かった以外は、痛みの原因と思われる顕著な異常はみられなかった。この段階で以前処方されたロキソニンが全く効いた気がしないと訴えた。
そこで異なる作用機序の鎮痛薬として、タリージェ(ミロガバリンベシル酸塩)とプレドニン(プロドニゾロン)が処方された。
今はネットで調べればどういう薬であるかが分かる。タリージェは薄紅色のごく小さな錠剤である。かなり期待して服薬したが、これもまったく効いた感じがしなかった。消炎鎮痛剤の系統がまったく効かないことから、この痛みは炎症に由来するものではないらしいと推測した。
またこの頃には痛む場所が散らばって特定しづらくなった。初期は肘の関節という狭い範囲だったのが、腕の中ほどから肩に近いところまで痛みだした。痛む部分を庇う動作をすることで、他の部位に影響が出るからではないかと思われる。
【 痛む理由の考察とセルフメディケーション 】
昔だったら医者にかかって薬をもらい、真面目に服薬しているのに一向に治らなければ「あの医者はヤブだ」なんてことを言っていたものだ。現在ではその主張の殆どは当てはまらない。自分の肘の痛みが「どういう痛み方でどの程度痛いか」を他者へ客観的に伝える手段はないからだ。[2]ちょっとした痛みや不具合ですぐ救急車を呼ぶ人があれば、致命的に近いような状況なのに堪えて自分で処置しようとする人もある。私は恐らく後者で、過去には永らく後遺症に悩まされることになった外傷や自業自得の重傷を何度も経験している。就寝時に痛みのせいで寝付けないのは深刻であり、酷いときにはベッドの上でのたうち回った。独り暮らしで周囲には家もないため大声を出しても誰にも迷惑にならないから、ベッドで転がり回りながら「一体いつまで痛んでやがんだ!
いい加減にしろよ!この野郎!
」と毒づいたこともあった。有り体に言って酷いときはそれ位に痛かった。痛み方は波があるようで、割と調子が良いときは治ったように思えるときもあった。そうかと思えばぶり返すように痛みが強まることがたびたびあった。不規則な生活と身体を冷やすことが増悪させるようで、更に翌日から天気が下り坂という状況で痛みが強まった。これは加齢現象の一つである神経痛と俗称されるものに似ている。
それでも痛いからと言って誰も助けてはくれない。自力で何とかしないと精神を冒される。実際、寝ても覚めても延々と続く痛みに何をする気も起きず、朝起きて眠気が取れて疲労も解消はされたが、痛みだけは消えなかった。
手持ちにストックしている薬として、何年か前に肘か何処かを傷めて処方されたセレコキシブがあった。処方箋医薬なので簡単に服薬して安全とはとても言えないが、現在飲んでいる薬(指湿疹向けのもの)との禁忌がないことを確認した上で試してみた。
今までのよりも若干効いたような感じはあった。しかし痛み方に波があることから、たまたま症状が軽かった時期に重なったかも知れずこの薬が効いたと断定はできなかった。[3]実際、そのときは調子が良かったように思えて数時間あるいは翌日にはまた悪くなるという状況だった。この薬は薬価が結構高いのでそれ以降服用していない。
この痛みのせいで明らかに QOL が損なわれていた。机に向かっていて「痛みなど気にするな」と言われようが延々と強い痛みが続く状況では、何かしようという気も起こらないのである。加齢に伴う痛みで、もうこれはある程度軽くはなっても治ることはないのではという諦めにも似た気持ちに傾き始めた。
《 3回目の施薬 》
気が付けばこの原因不明な痛みを抱え込んで半月が経過していた。異なる薬を処方してもらうとなれば、より強力だけれども副作用が強く出るリスクを覚悟しなければならない。27日に通院して「今までの薬はどれもまったく効いた感じがしない、痛みが酷くて日常生活に著しい障害が出ている」と訴えた。これは知り合いからの助言である。前述のように他人の痛みは分からないので、普通に訴えただけだと(医師も投薬のリスクを考えているので)万人向けで作用の弱い施薬になりがちである。「本当に痛いのなら少々大げさに訴えた位でちょうど良い」と言われていた。
こうして従来の消炎鎮痛剤よりもワンランク強い痛み止めを処方してもらった。
処方薬はトアラセット(トラマドールとアセトアミノフェンの合剤)とナウゼリン(ドンペリドン)だった。
トラマドールは麻薬系鎮痛薬と呼ばれるカテゴリの薬で、単剤ではなくても作用が強い。このことは施薬時に院長からも説明を受けていて、人によっては酷いめまいがしたり嘔吐が収まらなくなることもあるらしかった。一緒に出されたナウゼリンは制吐剤である。
日本では劇薬扱いであり、説明を受けた上で処方されたとしても最初の服用はなかなか勇気が要った。吐くのは嫌だし実際に吐き気を覚えるのがどれほど苦痛かは、半年くらい前に腐った食品を誤って食べてしまった後の自己症状で体感できていた。それで最初の一錠を服用したとき、服薬時間とその後の経過をメモしていた。吐き気が襲ってきたとき耐えられるように、服薬前の食事は軽めにしておいた。
服薬から1時間してかなり肘が楽になったと体感される程度に痛みが弱まった。心配されていた吐き気は殆どなかったが、椅子から立ち上がったとき自分の視野の中央から上がややフワッと浮いているような感覚があった。ただ、元から立ちくらみを感じやすい体質であり、耐え難い程ではなかった。
【 他の薬との併用について 】
問診票には「現在、飲んでいる薬がありますか?」という設問がある。初回の診察時で指湿疹の対症療法薬を服用していることを申告した。これは非常に重要である。申告しないと診察を受けて処方された薬の中に重複する成分が含まれることが起こり得るからである。初回診察時に指湿疹の薬はいつも通り服薬しても良いと言われていた。しかし先述の薬を飲んだ後に指湿疹の痒みが酷いのでいつものセット(エピナスチンとエンペラシン)を飲んだ後、強い倦怠感と眠気、そして明白な吐き気を感じた。気持ちが悪いので起きていない方が良いと思って窓のカーテンを閉めて部屋を暗くしてベッドで横になった。数十分ほど横になっていることで症状は収まった。日常的に飲んでいる薬があるとき、この成分を含む鎮痛剤を服用するのは注意が必要である。
吐き気という副作用が実際に出たので、その後の服薬がかなり躊躇われた。痛みが再び強くなってきた今日の昼食後に服薬した。しかしめまいも吐き気もなかったので、指湿疹の対症療法薬を飲むことで精神的影響が強く出るのが原因のように思われる。
【 痛みの原因は何なのか? 】
身体的反応にはかならず原因がある。少なくとも3月に入るまではまったく痛みなど知らない世界だったのに、今では程度の差はあっても常に右肘から肩にかけての鈍重感、倦怠感、明白な痛みがある。消炎鎮痛剤のどれもがまったく効かなかったことから、使いすぎや菌による侵食などで炎症を起こしている可能性はほとんどない。それでも明白な痛みあるいはそれに類似する不快感がついて回っている。自分の身体の痛みであって他人には「絶対に分からない」「判定のしようがない」のだから、痛みと表現される不快感が何であるか自分で考察する以外ない。
思うにこれは痛む部分が何かの障害を起こしているのではなく、その周辺の神経系が”誤った信号を送り続けている”現象ではないだろうか。極端に言えば、周辺部はまったく異常がないのに「そこが痛む」という感覚を身体が学習してしまい、微細な痛みに類似する感覚が極度に増幅されて脳内で”痛みを感じる”状況になっているという考えである。
神経というものを実際に目にしたことはないけれども、何でもない状況や普通の人には殆ど検知されない現象が増幅されて伝わっている可能性がある。例えば天気が下り坂に向かうとか冷え込む前日あたりに頭痛や関節の痛みを訴える人は非常に多い。これは低気圧の接近によって気圧変動が起きているのを身体が察知するからである。俗に神経痛と呼ばれている部類である。
雨の降る前に関節が痛いと言うと、それはもうトシだからと言って片付けられる。それほど一般的にみられる現象で、その中でも特に痛みが激烈なものは病名が与えられて対処される。そこまで酷くはないけど痛みに悩む人は多い。個人的に振り返ってみても確か去年の今頃も何かの身体的不具合があり、そのとき「来年の春を迎えるとき大変だろう」と感じた記憶がある。喉元過ぎれば熱さ忘れるで、具体的にどんな不具合だったのかは記録していないので思い出せない。
指湿疹の薬と服用時間が近すぎたことに起因すると思われる副作用の発生から、この痛みは指湿疹のようなアレルギーの一形態かも知れないと考え始めた。春先のアレルギーは人によって症状の出方が多彩で、杉花粉のようにアレルゲンが明確に分かっているものでは目の痒み、鼻水、くしゃみが観察される。それ以外でも関節が痛いとか肩が凝るという人も居る。この症状はアレルゲンの減少や気温気圧が変化することで知らないうちに改善され忘れ去られることが多い。
かなり長いお付き合いになっている指湿疹も、近年増加(と言うよりは顕著に観測されるようになった)していると言われる。それほど深刻視されないのは、季節が進むことで軽減されたりキレイさっぱり解放されることもあるからだろう。それでも一年が回って再び同じ時期がやってくれば、また悩まされることになる可能性が高い。それ故に冒頭で書いたように「季節痛」という表現を用いてみた。
こうした患者が有意に増加しているなら、近年の気候や環境の変化に伴うものかも知れない。致命的ではないが QOL を損なうこうした症状への対処が必要になってくるだろう。
《 その後の変化 》
記事作成日現在での状況は以上である。この項目では最終編集日以降の変化について編集追記する。3月末が提出期限であったLFDXアテンダントの報告書を昨日提出完了し、目先で追われるタスクが一つなくなったことで精神的に楽になった。若干の影響はあったかも知れないが、これでただちに痛みから解放された状況ではなかった。
処方されている強い鎮痛剤の服薬による副作用は、指湿疹の薬を飲む時間帯を考慮することでその後一度も起きていない。3月末日は殆ど終日外出していて、帰りにかなり酷く痛み始めたが、クルマの運転があるため眠気を催してはいけないので我慢していた。途中で家賃の入金のためにコンビニへ寄ったとき、我慢しきれず服薬した。帰宅まで眠気などの影響はなかったし帰宅後に痛みが和らぎ始めている。
鎮痛剤は毎食後3回の服薬が標準である。次の服薬時間が近づく頃に痛みが起き始めることから、今のままでは延々と薬を飲み続けなければならないのではという懸念がある。
【 4月中旬以降の状況 】
4月中旬に向かう頃に気温がかなり上昇し、おそらくそのことに起因して痛みがやや軽くなった。体調が良いときは無症状に近い程で、右肘に意識をもっていかなくて済む程度になった。シャワーを浴びるとかなり楽になる。夕刻時の冷え込みはてきめんに悪く痛みが増悪する。このことより肩から下を冷やすのが良くないと推測された。痺れるような痛みは肘を中心に悪いときは上腕・下腕から肩の後ろまで及び、痛む場所が殆ど特定できない。12日にロケで終日外出したとき、帰宅時にやや痛みを感じて弱オピオイドの鎮痛剤を服用したのが今のところ最後である。その後は右肘に軽い痛みを伴う違和感があるときは、経皮吸収型消炎鎮痛剤(ロキソニンテープ)を貼るか塗るタイプの鎮痛剤を使っている。これらには殆ど気休め程度の効果しかない。
4月に入って特に試したこととして、ビタミンと酢の摂取が挙げられる。ビタミンCの摂取はまったく何も変化を体感できなかった。たまたま安売りに出ていて買って飲んでみた黒酢はやや効いた感じもあったが、恐らくプラセボだろう。
最終編集日時点では肘のみに倦怠感に近い感覚があるのみで、薬を必要とする状況ではない。夜もいつも通り痛む側の肘を下にして横になって寝ることが可能になった。このまま寛解に向かうと予想される。
なお興味深いことに、痛みの軽減に合わせるように指湿疹の症状が軽くなっている。水疱だらけで見る目もないほど荒れていた指は少しずつ正常に戻りつつある。このことから、今回の肘痛も指湿疹と同様に季節の変化に伴う温度湿度の変化に身体が順応するまでの反応のように思われる。来年の春先にまた苦しめられることになるのは確実だろう。
指湿疹は、梅雨時と梅雨明けで一気に気温が上昇する頃に再び悪くなる。このときに肘の痛みもまた現れるかも知れない。今のところ気候変化に順応する以外なく、加齢に伴う自然現象として受け入れざるを得ない状況である。
《 関連記事リンク 》
お知らせ履歴に書いたこの症状の概要。お知らせ履歴: 甚だしい体調不良からの脱出(2023/3/21)
出典および編集追記:
1.「FBタイムライン|3月9日の投稿
」
この投稿で「今日で3日目」と書いているので7日頃から痛み始めたようである。
2.「FBタイムライン|3月19日の投稿
」
3.「FBタイムライン|3月16日の投稿
」
1.「FBタイムライン|3月9日の投稿
」この投稿で「今日で3日目」と書いているので7日頃から痛み始めたようである。
2.「FBタイムライン|3月19日の投稿
」3.「FBタイムライン|3月16日の投稿
」