黒岩観音【1】

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現地踏査日:2010/11/14
記事公開日:2012/11/25
Q&Aのページでも宣言している通り、このホームページでは寺院仏閣の類は物件として扱わず記事の対象外としている。私が事改めて踏査しなくてもどの寺院も由来を記した古文書がある筈だからだ。

しかし市道丸山黒岩小串線の初回市道向けレポート走行時、初めてここに立ち寄ってかなりの写真を撮影している。そこでは本堂だけでなくその周辺も踏査しているので例外的に一本記事に仕立てておいた。
なお、冒頭に示した通り写真は記事制作の2年前のもので、現在は写真と異なっている場合が有り得ることを了承されたい。

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市道丸山黒岩小串線から入口を撮影している。画面には写っていないが右側が常盤スポーツ広場でありその先に常盤池の入り江が広がる。


舗装された道があるが通常は車止めが設置されており車は乗り入れられない。
入口のすぐ横には車一台分停められるスペースがあったがロープが張られていて駐車できなくなっていた。


自転車なら乗り入れ可能なものの坂はかなりきつい。無理せずに降りて押し歩きした。

やがて本堂とそこに至る石段が見えてきた。
市道から通ってきた道の狭さに対して奥は意外に広い。


石段を正面から撮影。
バリアフリーを意図してか、中央にステンレス製の手すりが取り付けられていた。


無理にこの石段を抱えて上がらなくとも迂回して軽トラ程度なら乗り入れられるスロープが造られていた。

一般の参拝者は2段階の石段を経て本堂に到達する。
小ぶりだが簡素で見た目は新しい。


右側に手水と由来を示す石碑が設置されていた。


黒岩観音の由来である。私がくだくだしく説明するよりこの写真一枚見ていただければ足りるだろう。


黒岩観音という物件に関しては以上だ。
ここに限らず寺院関係では何処でも同じだが、本堂の内部やご本尊様にまでカメラを向ける気がしない。あまり関心がないというのが最大の理由だが、やはり畏れ多いからだ。私如きが興味本位でカメラに収め、大した内容も本気度もない記事と共に公開するのはホームページの意向に沿わない。真に興味を持ち訪ねたいと思う方なら、この記事を読む前に現地へ足を運ばれるだろう。

しかし私にとって二度目がないことが明らかな場所であり、せっかく苦労して自転車も連れて来たので、もう少し突っこんだ踏査をしようと思った。

来たときから御堂の裏側に古めかしい石段があることに気付いていた。
そこから奥には何も建屋らしきものはない。


道としての機能は整っているが、そう頻繁に誰もが進む場所ではなさそうだ。
これは一体、何処に続くのだろう…


恐らく今の黒岩観音が整備される以前の姿だろう。
この石段の古さはただものではない気がする。


石段の先は踏み跡が不明瞭で、何処に向かって進んで良いものやら分からなかった。
写真でも分かる通り薄暗く鬱蒼としているのでちょっと腰が引けた。

ん?何だ?
この場違いなコンクリート柱は?


それは本堂の真後ろになる藪の中に建っていた。その足元には後から設置されたらしい雨水桝とコンクリート杭が見つかった。


近づいたが周囲が暗く判然としない。

フラッシュ撮影した。
赤いペンキの剥げかけた杭に厚生省という文字が読み取れる。
隣接しているのは市の境界杭だろう…


この「厚生省」というキーワードでやっと事情が分かった。
かつての厚生省の所有する敷地の境界だ。厚生省の建物と言えばあれしかない…

改めて離れた場所から御堂を眺めてみた。
確かにその背後に厚生省所有だった建物が見えている。


旧厚生年金センターの建物だ。気付かなかっただけで、本堂のすぐ背後が建物になっていたのだ。


意外に近い…と言うか殆ど接している。先ほどの太いコンクリート柱は旧厚生年金センターの建屋を支える基礎だった。境界付近に杭を打ち、その上にスラブを打って敷地を有効利用しているらしい。

これほど近くに見えるのなら、ここから行けるのかも知れない。厚生年金センターは宿泊施設なので、宿泊客がそのまま黒岩観音に参拝するケースもあったのだろう…


先の古い石段から先を探ると…
なるほど、来訪者向けらしい案内板がみつかった。しかし一部は経年変化で文字が読み取れない。


方向の案内板は文字が読み取れた。しかしかなり古い。「崖あり危険」を示す行き止まりの案内もされていた。


案内されているのは黒岩観音と行き止まりの崖のみで、厚生年金センターという文言は見あたらなかった。しかしそこから斜面を登っていく踏み跡が確認できた。

間違いなく歩いてなら登れるだろう。自転車を連れて行けるだろうか…


もちろん乗って行けず押し歩き(と言うか殆ど担ぎ歩きだったのだが…)することとなった。
それでも確かに遊歩道として機能していたらしく丸太を敷いた簡素な階段になっていた。


こんな場所に出てきた。
旧厚生年金センターの宿泊棟の裏側になる。


この小道は、旧厚生年金センターから直接黒岩観音に参拝できるよう造られたものと推測される。

まさか自転車を押して登ってきた道を引き返す気にもならず、そのままセンターの方へ抜けることにした。
踏査の時系列からしても旧厚生年金センターを訪れたのでそのままリンクとして案内しておこう。

(「旧厚生年金センター」へ続く)
出典および編集追記:

1. その後登攀を試みて頂上付近へ到達している。関連記事は文中の黒岩山のリンクを参照。
一部限定公開記事を含みます

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