市道丸山黒岩小串線【5】

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(「市道丸山黒岩小串線【4】」の続き)

50km/hの高規格な市道はオーバーハングの先で右への分岐に出会う。
市道黒岩片倉線で、ここが起点になる。標示板で案内されている臨空頭脳パークの整備に伴い造られた新しい道だ。


この近辺から片倉方面に抜ける経路は、かつては峠越えとなる市道黒岩線だけだったと思われる。
高規格な道ができたことで交通量が極めて増えたが、この場所には現在のところまだ信号機はない。
いずれ設置される可能性がある[1]


どうしても常盤池側、常盤スポーツ広場の方に目が向いてしまう。
この辺りが球場の裏手になる。市街地からは離れているもののこの施設の利用者は極めて多い。


この先に昔からよく知られている黒岩観音が市道右側にある。
看板が立ち木に隠れて見づらいかも知れない。


基本的に寺院仏閣の類は物件とみなさないのだが…
市民にはよく知られている存在ながら、初回に市道レポート向けに走るまで一度も訪れたことがなかった。このとき撮影した写真がかなり存在するので、一本記事として掲載する。
派生記事: 黒岩観音
初回に走ったときの撮影である。
周囲に民家などはまったくなく、完全に山の中を走っている数少ない区間だ。


この新しい区間は、先に見える旧厚生年金センター入口まで続く。


センターの出入口前に速度標識が立っている。
50km/hはここまでで、この先は再び40km/hに戻る。見ての通り幅員が狭まり線形も縦断勾配も元に戻ってしまうからだ。


さて、入口に表示塔が出ている通り現在は日本生活協同組合と密接な関係があるココランド(株)に移譲されている。かつては厚生年金関連の福利施設で、後期には「ウェルサンピア宇部」とも呼ばれていた。
厚生年金センター時代、大変お世話になっているので記録を遺さないわけにはいかない。
派生記事: 旧厚生年金休暇センター
このあたりから僅かながら常盤池が直接見られる。
もちろん旧道を通れば見えるだけではなく常盤池の入り江付近を渡る


ここで左からやってくる旧道と合流する。かつては左からの道が本線で、現在の道は存在しなかったことになる。
旧道は現在のバス停部分を内回りしていたようだ。


珍しくプレハブハウスによって雨風を凌げる停留所だ。
島状になった旧道の道路敷上に設置されていることになる。


ときわ湖畔北バス停という一風変わった命名になっている。
先述の黒岩観音に行くなら若干戻る形にはなるが黒岩バス停ではなくここで降りるのが一番近い


旧道が合流することで、高規格な市道の新区間もここまでとなる。
幅員が狭まった上にいきなりきつい登り坂だ。減速を促すラインが引かれている。


最初の坂を登り詰めた左にユースホステルの入口がある。


写真が増えたので一件記事として別途作成した。
派生記事: 宇部ときわ湖畔ユースホステル
この分岐を過ぎると市道は再びすぐに下り坂となる。しかし先の方は曲がりくねりながら再び登りに転じる様子がここからでも見て取れる。


下ってすぐの左側に分岐がある。市道開黒岩線で、こちら側が終点になる。
この先に随分と昔のこと英数の補習授業を受け持った生徒宅があった


この付近に、多感な少年期に私の人間形成や考え方における大きな影響を与えた場所がある。
ここで書いておかなければ何処にも記録できる場がないので派生記事に仕立てた。純粋に私個人にまつわる昔話で、踏査物件とはまるっきり無関係である。興味がなければスルーして頂いて構わない。
ただし今後ここ以外の何処にも書くあてがないと思われる記述を含む
派生記事: 砕けた心に巻く包帯
市道との取り付けを過ぎて再び登り坂になる。
この登りは最初のものよりずっときつい。勾配は八王子の祠があった岡ノ辻交差点の先の登りより若干きつい程度だが、自転車で走ると心理的にそれ以上の厳しさを感じる。


最大の要因は、市道の狭さにある。とりわけ左側の路側が狭く、左側通行する自転車にとっては背後から迫り来る車に追いたくられる。狭いこの区間を日常的に通る車は慣れたものか、殆ど減速していない。特に大型車がやって来たら逃げ場がない。

左端は蓋の掛からない側溝があり、途中には数十センチしかない路側帯に電柱が鎮座している場所もある。ギアチェンジのないママチャリや脚に自信のない自転車乗りには、途中で疲れたからと言っても休めない、停車できない、降りることもできないの三重苦が待ち受けている。
急がない人、脚力に自信がない方は坂に差し掛かる前から右側の歩道を押し歩きした方がいいだろう。
両側が民地なのでこの区間が改良される見込みは殆どない


坂を登ると少しばかり平坦になって自転車走行がラクな「甘やかし区間」がある。
この近辺にかなり知られた廃物件があるが収録になじまないと判断し掲載を見送っている[2]


振り返って撮影…いや、自転車停めて振り返ってカメラ構えるのもホントにこの場所は危ない場所だ。
自分が危ないと感じるくらいだから、車にとっては大層邪魔っ気に映るだろう。


平坦な甘やかし区間の先はとどめの登り坂だ。
ここまで狭く線形も悪い道に成り下がってしまい、もはや「出世」どころか酷い左遷状態だ。


地図ではそれほどでもないが実際はかなり曲がりくねっている。車で走ってみるとすぐ分かることにまるでジェットコースターのようにアップダウンを繰り返す。

数年前、市内の主要な道路が自転車でどれほど走りやすいかの客観評価を示すマップ制作プロジェクトに関わったことがある。この市道におけるこの区間は常盤池を周回する道として重要度は高いながら最低評価を与えられている。アップダウンが厳しいのに自歩道が整備されていないので途中で休めず、それでいて車の通行量は極めて多いので、本当にどうしようもない区間だ。この記事を書く現時点では今なお常盤池の周遊園路に自転車を乗り入れることが認められていないので、常盤池を周回できる安全なツーリングコースは存在しないと言わざるを得ない。

それでも一般通行向けの市道評価としてはまだ対面交通で歩道があるだけマシなのである。先々で我々は交通量こそ収まるものの、もっと酷い区間とお付き合いすることになるだろう。

(「市道丸山黒岩小串線【6】」へ続く)
出典および編集追記:

1. 2014年の終わり頃にこのT字路に信号機が設置された。設置後の現地の様子は市道黒岩片倉線T字路の信号機設置の派生記事を参照。

2. かつて藤里園芸が存在した。現在はビニルハウスを数棟遺した状態で廃屋のようになっている。

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