白岩公園・第三次踏査【序】

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現地踏査日:2013/3/20
記事編集日:2014/9/21
当サイトで白岩公園の踏査記録を公開するよりも先に地域SNSのメンバーに概要記事を先行公開していた。
白岩公園の存在は驚きをもって迎え入れられた。以前からこの公園を知っていた人、初めて知った人の双方を巻き込みもっと詳細を知りたいという声が押し寄せた。

初回踏査第二次踏査を終えて園内の主要な遺構は概ね明らかにされてきた。しかしそれらか何処に配置されているかとか、園路がどういうコースに設定されているかは未だ克明には分かっていない。木の葉に埋もれている石段が多いせいで把握しきれなかったというのが本当のところだ。

当サイトの読者も白岩公園に概ねどんな遺構が存在するかは分かったものの、それらの位置関係については記事を読むだけでは殆ど分からないだろう。自分自身、遺構の位置関係をできるだけ正確に再現するためにもマップ制作の必要性を感じていた。
こういった背景を踏まえて第二次踏査から僅か2日しか経っていないが第三次踏査を以下の調査とデータ採取を目的として計画した。
(1) 主要な構造物の位置関係把握
(2) 主要な園路と石段の経路把握
(3) 見落とされたその他の遺構の検証
(4) 車で訪れる場合の駐車場所検証
このうち最後の(4)は、踏査というよりは自分を含めて白岩公園を訪れる際の実用データの採取である。
そこで公園の踏査とは無関係な(4)を序章にまとめた。本編から入りたい読者は「白岩公園・第三次踏査【1】」から読み始めることができる。なお、以下の部分は白岩公園の総括記事からも参照されている。

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《 駐車場所の検証 》
既に書いてきた通り白岩公園は山の中に存在していて車で公園までは到達できない。自転車であれば県道から先の急坂が殆ど押し歩きとなる条件付きで公園付近まで行くことはできる。車の場合はなるべく近い場所まで乗り付けたにしても駐車場所の問題がついて回る。
県道琴芝際波線は全線にわたって駐車禁止標示が出ており交通量も多いので車道端へ停め置くなど論外である。白岩公園近くには地区道があるが変な場所に無断駐車しては近隣住民に迷惑だろう。

今まで車を使ったときは中山観音の駐車場を利用しそこから歩いていた。この駐車場は参拝者向けに開放されており、常時自由に駐車することができる。
境内から八十八箇所およびその先に歩く場合でも駐車場利用の了承は頂けている


ただし正直言って中山観音の駐車場から白岩公園まではかなり歩くほどの距離がある。元々は小学校の遠足コースでもあったから足の鍛錬にはなるが、時代は平成である。手紙を認めるよりはメールや携帯でさっとこなすように、現地到達も毎回鍛錬遠足ばりに徒歩では如何にも労力と時間の浪費で、近くまで車を乗り付けたいと考えるのは自然だ。
そこで車で白岩公園を訪れる場合、中山観音の駐車場よりも目的地に近い場所で駐車できる場所があるか調べることにした。

第二次踏査の2日後、業務で昼頃に北小羽山へ向かう便があった。雨の心配はなさそうだったので自転車を使い、用事を済ませた後はそのまま県道を中山観音に向かって下った。

《 県道沿い区間 》
かつての県道は幅が狭く中山川に沿ったカーブの多い道だった。昭和後期にテクノ道路が完成し白石方面との相互通行で交通量が増加したのを受けて至る所で線形改良されている。このため古い道路敷がそのまま残っている場所がかなり存在する。
詳細な情報はいずれ県道レポートで記録する

特に中山観音から沖ノ旦に向かって走ったとき、うねったカーブを直線化したり曲がりやすくしたために古い道路敷が取り残された場所が目立つ。それらは歩道に転用されているのだが、規定幅以上に余地が広がっている区間は車を停め置ける場所の候補となり得る。
後述するように駐車違反回避を推奨するものではない

この付近である。
中山川沿いに蛇行していた道を真っ直ぐに改良し、道路敷が取り残されている様子が分かる。


この場所から振り返って中山観音側を撮影。
かつては内回りカーブであったらしく現在は植樹帯のようになっている。


上の植樹帯前ガードレールにつける形で駐車すれば、差し向き歩道の通行に支障はしない。ただしこの場所は白岩公園の入口となる地区道からは如何にも遠い。先方に見える押しボタン式信号は中山観音の駐車場から400m程度しか離れておらず、歩く距離を切り詰める効果に薄い。何よりもこのような旧道路敷に駐車することについて、現道の道路敷外なので駐車違反の対象外であるという公安の公式見解が得られているわけではないことを留意する必要がある。
このことは県道の旧道路敷の何処へ駐車する場合にも当てはまる

更に県道を下ると、もう一箇所歩道幅が規定よりも広くなっている場所がある。
やはり小さなカーブだった場所を直線に改良したために取り残された部分だ。


ナンバーが判読しない程度に離れて撮影しているが、現に一台この場所に車が駐車していた。


この場所を地図でポイントしている。


もし県道沿いに駐車するならこの場所が最も相対的に安全で白岩公園にも近いだろう。白岩公園に向かう地区道は、上の写真で前方に住宅が並んで見えている付近にある。
この旧道路敷部分には沿線の民家に向かう枝道を使って容易に乗り入れできる。

ここから先は旧道路敷が殆ど現在の歩道に一致しているので駐車余地がない。


白岩公園に向かう地区道分岐。
歩道は幅広だがゴミ出しステーションとして利用されている。まして駐禁の標示がすぐ傍に出ておりこんな場所には停められまい。


この分岐より沖ノ旦寄りにも旧道敷となっている部分はあるが、白岩公園からは遠ざかるので検証しなかった。
次に新興住宅地のある周辺をチェックしてみた。
《 新興住宅地付近 》
県道の取り付け部は平成期に入って住宅地が整備されたためか幅が広い。この先で左側が新興住宅地、右側が白岩公園や面河内池などに向かう昔からの山道になっている。


この場所をポイントした地図を提示する。


地区道の県道接続部付近はかなり幅員が広いので車が駐車していても通行にそれほど支障はない。実際、時折ここに停め置かれている車が散見される。
しかし地区道は地元住民に供されるものであり、当該住宅群に用事がない外部の来訪者が勝手に駐車すれば、公安に基づく駐車違反にはならないにしても当然ながら一般には勧められない。充分に広い空き地のような場所があるならまだしも、地元住民の通行に支障を来すような駐車方法は迷惑になるだろう。

念のために広い空き地がないか新興住宅地内の中を一周してみた。
山の方へ向かっていく道があったがこれは私道だろう。車も停められそうな場所もなく白岩公園からも遠ざかるので追跡しなかった。


住宅地の中に新中山公園という標示の出た小さな公園があった。
しかし残念ながら駐車スペースはない。トイレや水飲み場などもないことから、ほぼ完全にこの地区住民限定で造られた公園である。


配達業者などが業務の必要上、ごく短時間停めるならまだしも、公園の前だからと言ってこんな場所へ駐車するのも勧められたものではない。

…という訳で、県道の接続部付近、とりわけ新興住宅地内には物理的には駐車できる場所はあっても停められる場所はないと考えるべきである。当サイトとしても道義上「ここなら公道ではないから駐車違反にならずに済む」などと案内はできない。

最後に新興住宅地分岐から右側、白岩公園に向かう山道を検証した。
《 地区道沿い区間 》
まず一般車両の通行可能性だが、常盤用水路の手前まで民家があり日常的に車が出入りしている。したがって物理的には普通車でも通れる。ただし道幅は極めて狭い。車で入ってはみたものの怖じ気づいて退散したいと思っても途中では転回不可能である。ここから先の乗り入れは軽四限定で運転スキルも一定レベルが求められる。普通乗用車や運転に自信がない方は車で乗り入れないことを強くお勧めする。

この道は恐らく地元管理の道だろうが、殆ど一般車の通らない道なので沿線住民とすれ違ったとき誰何されるかも知れない。その場合は不法投棄の場所探しをしていると誤認されないためにも、白岩公園に行こうとしている旨を話せば良いだろう。
万が一私道であった場合、車で入らないよう注意されるかも知れない。その場合も含めて自己責任で判断して頂くことになる。

新興住宅地分岐を右に曲がると道は狭くなり、かなりきつい勾配になる。
この立て札は最近明瞭なものに更新されている…詳細は脚注[1]を参照のこと


車一台がやっと通れる幅のコンクリート路になる。
最後の一軒の民家を過ぎた先で常盤用水路を横切り、なおも山手に向かう。


きつい坂だが車の到達可能地点までは概ねコンクリート路で滑る心配はないと思う。


コンクリート路が切れて荒れ道が始まった先に若干広い場所が見えてくる。
未舗装路は露岩が出ているところもあるので車高の低い車は腹をこする危険がある。


調査した範囲で、車で訪れた場合ここが最も白岩公園に近い駐車可能な余剰地である。


この分岐点に軽四ならちょうど一台が収まる程度の余剰地がある。
もっとも白岩公園来訪者向けの駐車場所として案内されている訳ではない。単純に物理的スペースが在るだけで余剰地自体は私有地の可能性すらある。


この地区道自体は現在も溜め池や水路を管理する担当者が軽トラで日々通行している。この余剰地へ充分に寄せて停めれば通行の支障にはならないだろう。

余剰地は車一台分の広さがあり、ここまで乗り込むことが出来たなら普通車も停められる。後述するようにこの先は何処にも抜けられないので、あらかじめ転回して余剰地にはバックで駐車することを勧める。その際に白岩公園の入口となる側は蓋のない自然の小川になっているので、脱輪しないよう注意が要る。
軽四でもかなり切り返しが必要…普通車ではかなり厳しいかも知れない

白岩公園に向かう道はこの分岐を左に曲がった先になる。
車では転回の際に頭を入れる程度でこの先の進攻は不可能である。


ここから白岩公園までは歩いて数分で行ける。

なお、地区道はその先も一応軽トラ程度なら通れる幅の道が続いている。


この道を更に進むと霜降山登山道の一つである白岩公園コースに到達する。しかし白岩公園から遠ざかる上に勾配のきつい未舗装路はスリップの恐れがあるので進行しない方が良い。
《 最終的評価 》
以上の検証から、白岩公園へ出来るだけ近い場所まで車で乗り付けるなら軽四で相応な運転スキルを持つことを前提に公園入口付近の山道の端、やや歩く距離が伸びることに目を瞑れば県道の旧道路敷に停め置くかのいずれかになるだろう。最大の安全策は中山観音の駐車場に停める手段である。
この場合の歩くルートも距離と労力を最適化する選択肢が存在する

当サイトの絶対アクセスを鑑みれば実際に白岩公園を訪ねてみようと考える読者は多くない筈であり、その中から更に車で行くことを考える方は更に少ない。市内全体で白岩公園の存在が注目されない限り、今すぐ大勢の来訪者で地区道の通行がせわしなくなり苦情が出るなどの問題が起きることはないだろう。
将来的に白岩公園をある程度景観保全し、幾ばくかの来訪者を受け入れるようになれば、駐車場の問題が浮上するのは避けられない。なるべくコストをかけずにこの問題へ対処するなら、旧道敷や近くの県所有地に車数台程度を停め置けるよう整備するのが妥当だろうか。

…という訳で現地の私も写真を撮りつつ白岩公園入口の余剰地までは車で乗り込めるのではないかという感触を得た。
次回以降訪れる折りに試してみることとして、今回は自転車を押し歩きして白岩公園に向かった。

(「白岩公園・第三次踏査【1】」へ続く)
出典および編集追記:

1. 2014年に入ってこの立て札は次のような内容に更新されている。


内容は行き止まりを案内する標示だが、侵入禁止のイラストが描かれている。この奥の居住者と溜め池管理者以外車の入る余地がない道であり、今後はたとえ白岩公園の来訪目的であろうと誰何されるかも知れない。
私道であれば別として地区道であれば正当な目的があるなら車の通行は自由であり、任意設置の侵入禁止標示も法的拘束力はない。しかし地区道の補修は地元負担であり、外部から頻繁に車が往来して路面が傷めば間接的な経済負担を強いることになる点は考慮したい。

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