常盤公園・憩いの家再生ワークショップ

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記事作成日:2017/7/24
最終編集日:2017/12/23
常盤公園においての憩いの家ワークショップ(以下WSと略記)とは、ぼたん苑にあって老朽化が進み閉鎖されたまま長らく放置されていた茅葺き民家憩いの家を再生・活用するための参加型会合である。市公園緑地課による主催で、すべての回において建築工学的見地から山口大学の内田教授によるエスコートが行われた。参加は無料で、初回に参加申し込みを行えば次回の開催日が近づくたびにメールなどで案内が送付されていた。
《 参加の意義 》
憩いの家に関して特に個人的関わりはない。利用したことは一度もなく、園内西部へ来たとき写真を撮る程度だった。その時から既に閉鎖されており、内部を見ることは殆どできなかった。
使用はされていないものの閉めきったままだと湿気が溜まるため、定期的に担当者が訪れて玄関や雨戸を開放している時期があり、その時に内部の様子を観察し屋根が落ちそうなほど深刻な状態であったことが分かった。このため補修されることなく取り壊されることを予想していた。

WS開催の情報を得たのは Facebook のときわ公園公式アカウントによる。[1]この時までに憩いの家の写真を数多く撮影しており、もし改修するなら茅葺きの民家というスタイルは温存して欲しいという気持ちがあった。WSでは参加者が自由に意見を述べることが可能であり、そのような場が設けられていながら参加せず、工事が終わった後になって「この改修は受け入れられない」などと異を唱えるのはフェアな態度ではないというのが参加モチベーションである。この参加方針はそれ以後開催された各種WS(例えば宇部市庁舎建て替えWSや宇部新川駅駅前広場WSなど)にもそのまま通じる。どのような変化が起きるのか把握しておきたいこと、参加者がどんな意見を持っているのかを知ること、記事化だけではなく広義の街造りに関して当サイトとしても積極的に意見を述べていくことも方針にあった。

WSは3回に渡って開催され、全回出席して意見を述べてきた。議論の詳細は各項目に設定されたリンク配下の個別記事を参照されたい。
第一回WS
開催日は2015年8月22日で、ときわレストハウスで開催された。


この回では憩いの家が現在おかれている状況を把握するため、参加者による現地視察が行われた。その後レストハウスに戻り、各自が現在の問題点を指摘し、どういった改修が望ましいか、再生後はどのように活用したいかについてブレーンストーミング法により意見が提出された。
第二回WS
開催日は2015年11月14日で、ときわレストハウスで開催された。


第二回では前回提出された意見に基づき、古民家の改修範囲について更に意見を煮詰めた。
第三回WS
開催日は2015年12月19日で、ときわ湖水ホールに近接するファミリーレストラン Familio [2]のスペースを流用して開催された。


第三回では内田教授による改修後の古民家および別棟の模型が提示されている。模型では板の間が2部屋となっていたが、最終案では元あった囲炉裏の板の間と和室3部屋に戻されている。
《 総括的所感 》
・議論の対象が憩いの家に絞られており、それをどう改修するかの手法検討という具体的な目標があったので殆どの参加者にとって議論に入りやすかったようである。あらかじめ一定の予算配分がなされていたようで、妥当と考えられる要望事項の殆どが改修項目として実装された。

・参加者は高齢者がやや多く、特に以前憩いの家で茶会や着付けなどで実際に利用した方が目立った。しかし若い世代からの参加も結構あり、茅葺き古民家それ自体に愛着を持たれていることが分かった。WS形式のため適宜グループ分けが行われたが、参加人数が変動するためグループのメンバーは毎回変わった。
《 その後の変化 》
WS後の年内はそのままだったが、2017年より改修工事が始まっている。工事の概要は以下を参照。
総括記事: 憩いの家|改修工事の概要
7月までに憩いの家自体の改修工事を完了し、11月までにぼたん苑や周遊園路との取り合いを含めた外構工事も終了した。11月11日に新生憩いの家のお披露目式が行われている。

竣工検査を経て引き渡しも既に完了していると思われるが、現在のところ利用条件や料金についてはまだ確認していない。憩いの家の和室部分や別棟は利用時以外閉鎖されているが、玄関と土間部分は当初から無料開放されたスペースとなっており、常時入場可能。
出典および編集追記:

1.「【ときわ公園「憩いの家」の再生・利活用を考えるワークショップに参加しませんか?】」による。

2. その後 Familio は閉店となり改修後の現在はハワイアンリゾートカフェ レオラとなっている。

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