小路ヶ池

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記事作成日:2016/1/3
情報この記事は内容が古くなったので再構成を予定しています。

小路(しょうじ)ヶ池[1]は山門2丁目に存在する溜め池で、冬場は多くの水鳥が羽根を休める場所として知られる。
写真は北側からの撮影。


下の地図は小路ヶ池の余水吐を中心にポイントしている。


後述するようにこの溜め池に関して詳細を調べられる状況にないので、この総括記事では異なる時期に撮影した写真を適宜掲載している。

小路ヶ池の名称はこの溜め池の北側を通る小路(現在の市道丸山黒岩小串線)と思われる。この小路は床波や阿知須から生鮮品を旧市街地へ運ぶとき行商人が通った道である。溜め池のある場所の小字は深田で、小路という小字は近くに存在しない。地元在住者からは新堤と呼ばれることもあり、歴史の浅い溜め池のようである。

小路ヶ池に流れ込む河川はほぼ存在しないため水の入れ替わりに乏しく水質は悪い。夏場はしばしば浮き草が繁茂する。
上記の地図では沢地の先端部を常盤用水路が通っているが、注水口は存在しない。


市道丸山黒岩小串線を挟んで北に風呂ヶ迫池があり、常盤用水路は双方の溜め池より高い位置を通されている。しかし風呂ヶ迫池沿いには余剰水を供給できる余水吐構造があるが、小路ヶ池には同様のものはない。当初から余剰水供給を考えていなかったようである。

風呂ヶ迫に近い沢地の先端部分は低木も茂る荒れ地となっている。


北側は民家の敷地が迫っており汀へ近づける場所はない。
沢地部分を除いて溜め池周囲の殆どは有刺鉄線付きのフェンスで囲われている。北側は民家の敷地に接している。


一般に人工・自然を問わず溜め池にはその先端部に水の流れ込む沢地部分を有する。しかし小路ヶ池は殆ど先端部を持たない溜め池に見える。実際には先端部が東へ折れ曲がり、開1丁目の方へ伸びていたと思われる。
現代では開1丁目側の沢地はその上端まで完全に住宅地となっていて雨水を集めることが殆どない。むしろ沢地を逆行する形で常盤用水路が流下している。この沢部分は相応な雨水を集める地形でないにもかかわらず不自然に深く幅が広い。そのため後年による人工的な地勢改変を疑っている。その原因は常盤用水路の隧道長を切り詰めるための開渠工事か、小路ヶ池の堰堤を築くための土採りである。いずれも仮説の段階であり検証はしていない。
市道沼風呂ヶ迫線はこの浴を直角に横切っているため、沢地の存在が分かりづらくなっている。この区間は地山ではなく風呂ヶ迫方面へ車を往来可能にするための人工的な盛土である。[2]

溜め池の東側は市道沼風呂ヶ迫線に接している。溜め池の水は常時練積ブロックの下まで浸っていて干上がったことがない。


転落防止柵は充分な高さがあるが、練積ブロックは急勾配で転落すれば上がって来れる場所はない。もっとも普通にはその心配をすることなくむしろ道路からでも水鳥の飛来を眺めることができる。

特に冬場には水場を好む鳥がよく羽根を休めている。
他の溜め池でもあることなのだが、小路ヶ池は道路に面する区間が長いためによく目に着く。


オオバンの仲間。
その他には定番なカモの仲間やキンクロハジロも飛んでくるようだ。
外部リンク投稿の読者コメントを参照


市道に面した堰堤付近に立ち並ぶ禁止関連を連呼する立て札。
野帳の保護区であるのと同時に溜め池自体が養魚場となっているようである。
しかし魚が泳いでいるのを見たことは一度もない


堰堤の様子。
有刺鉄線の内側にあって接近不可能である。ただ、築堤に関する石碑は少なくとも堰堤上には見当たらない。


余水吐付近。市道側に寄せる形で余水吐が造られている。
実際には越流部の下にヒューム管が通っていて一定水位を超えれば自然に流れ出るようになっている。


山門郵便局のすぐ横から堰堤の下に向かう通路がある。


堰堤の反対側の端に用水を調節して取り出す樋管があった。
もっともフェンス門扉の内側は枯れ枝が密集していて殆ど出入りはなさそうだ。


堰堤は3m程度の高さがあって下の通路から水面は全く見えない。
有刺鉄線を伴ったネットフェンスに防護されていながら、堰堤の上にも同様の立て札があった。


市道の歩道部分より堰堤側から全体を3分割で撮影。


小路ヶ池の下流側に現役の田はあるが、灌漑用水需要は減少している。殆どが使われることなく赤松池の水と合わせて渡内川へ流れ込んでいる。まだ養魚池としての用途があるようだが、宅地需要が更に高まれば赤松池近くにあった坊主池と同じ運命を辿るかも知れない。
《 個人的関わり 》
特にない。調査の過程で堰堤へ立ち入れないことを確認した後は市道から撮影した写真が殆どである。
常盤用水路の経路調査の過程で市道に近い上流側の浴を調べたことはあるが、汀へは接近したことがない。
FBページへの投稿。一部黒岩山に関するコメントを含む。(要ログイン)

外部記事: FBページ|2016/1/3の投稿
出典および編集追記:

1. 国土地理院の地図やゼンリン©には見られないが市役所前の歩道上に設置された広域地図には名称が記載されている。郷土資料マップなどでは新堤という記載もみられる。

2. 常盤用水路が市道沼風呂ヶ迫線の下を横切る部分を調べると元々は開渠で後から全体をカルバートで覆う構造となっている。当初から地山であればすぐ北側の市道丸山黒岩小串線交差部のように土被りが薄くとも隧道構造になっていた筈である。

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