市道沼風呂ヶ迫線

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記事作成日:2016/3/3
最終編集日:2018/1/9
市道沼風呂ヶ迫線は、通称工学部通りと呼ばれる市道西の宮野中線の坂の麓から分岐し、山門を経て風呂ヶ迫町へ至る路線である。
写真は山門郵便局付近。


現在の経路を地理院地図に重ね描きした画像を示す。は起点、矢印は終点を表している。
経路のGeoJSONデータは こちら


全区間がセンターラインを有する対面交通で、歩道は風呂ヶ迫交差点までは片側のみに存在する。風呂ヶ迫交差点から終点までは風呂ヶ迫市営住宅が整備された際に幅広のインターロッキング仕様になっている。風呂ヶ迫やそこから先のひらき台へ向かうバスがあるため、本路線の全区間は市営バス路線となっている。
《 歴史 》
比較的歴史の浅い道である。特に起点〜猿田住宅入口の区間は早くとも昭和30年代後半以降に新規に造られた道で、工学部通りは当初この場所で一本道だった。[a1]建設当時は沿線の殆どすべてが田で、田と里山の境目をたどるように道路を造っている。沿線に猿田、旦の辻、風呂ヶ迫の市営住宅が3ヶ所もあるので一連の団地の整備計画に合わせて建設した可能性がある。

風呂ヶ迫交差点から終点までの区間は、木造平屋の集合住宅だった市営風呂ヶ迫団地をコンクリート棟に建て替えた平成初期にあわせて整備されている。それ以前は現在の半分程度の道幅だったようで、拡幅により微細なカーブは修正されている。
出典および編集追記:

a1.1962年(昭和37年)6月1日国土地理院撮影によるモノクロ航空映像では本路線の工学部通りから市道猿田住宅線への分岐点までの区間に道路がまったく存在していないことによる。
リンクを開き「高解像度表示」ボタンを押すことで詳細画像を閲覧できる
《 経路の概要 》
工学部通りの登り始めに本路線の起点があり、三差路で分岐する形となっている。三差路は単純な対面交通の道をドン付けしただけの構造で、右左折レーンは存在しないどころか双方の道には片側に狭い歩道が備わるのみである。
写真は工学部通りからの撮影で、本路線は左側の分岐。


この構造に起因し、常盤台から工学部通りを下って本路線へ右折する車両の滞留問題を起こしている。詳細は以下を参照。
派生記事: 沼三差路(仮称)
前述のように元々道のない田へ新規に道路を造っているため、起点から宇部高校前辺りまでは直線的である。この過程で渡内川の中流域を2度横切る。交差部はボックスカルバート化されているので当初から橋の名前はなかったと思われる。

2度目に渡内川を渡るとき、沼より常盤台へ上がる昔ながらの道である市道沼線を横切る。角地にコンビニがあることからもこの辺りは夕刻時かなり交通が交錯する。


旦の辻と猿田の市営住宅入口前で本路線は軽く折れる線形となっている。市道猿田住宅線の起点となるこの三差路には信号機が備わらない上に見通しが極めて悪い。本路線を横切った先に歩道がないため横断歩道もペイントされていない。
自転車で旦の辻方面へ向かうときいつも難渋している


この三差路で本路線は若干進路を北寄りに振り、宇部高校前バス停で左からの三差路に出会う。
市道大小路寺の前線の接続部にある押しボタン式信号機は、下校時に自転車通学生がかならずここで横切って左側通行するため流れが悪くなることがある。


更にこの先数百メートルの間に押しボタン式信号機が3つ連続する。次の信号機は宇部高グラウンド近くから右への分岐路で、市道開線の起点である。


次の信号機はコンビニの横にあり、市道山門開線が横切っている。この信号機の先に山門バス停があり、本路線は緩やかな登り坂となる。

最後の押しボタン式信号機にある右への分岐路は市道開北住宅線で、開北住宅は市内で最初期の市営住宅である。


左側に宇部山門郵便局があり、小路ヶ池を左手に眺めるあたりから勾配が一気にきつくなる。小路ヶ池の東岸側斜面を削って道路敷を確保したようで、池側に練積ブロックを築いている。東側に向かう路地がいくつかあるが、いずれも勾配が非常にきつい。特に常盤用水路寄りにある地区道は、アスファルト舗装された「道路」としては恐らく市内最大の縦断勾配を持つ道として知られる。
総括記事: 開1丁目の急坂
小路ヶ池の沢の末端を過ぎて常盤用水路の上を横切る。この区間は丘陵部の風呂ヶ迫まで登れるように遠くから一勾配で盛土して立体交差を造っており、用水路には開渠だった頃の構造が今もみられる。

きつい坂を登り詰めつつ風呂ヶ迫交差点で市道丸山黒岩小串線を横切る。この十字路を過ぎると風呂ヶ迫市営住宅群が見えてくる。


風呂ヶ迫交差点は公称されたものではないが、現在はこの近辺でもっとも交通量の多い十字路となっている。詳細は派生記事を参照。
派生記事: 風呂ヶ迫交差点(仮称)
風呂ヶ迫交差点から終点までは平成期の整備なため両側に自歩道が備わり車道幅も相応である。8号棟を過ぎて市道常盤公園開片倉線へ接続され終点となる。終点箇所が最高地点で、標高は概ね50mを越える。


風呂ヶ迫交差点から先は専ら開墓地公園を経由して片倉方面へ往来する車両によって通行されている。
《 交通上の問題点 》
前述のように本路線は昭和中期に整備された道のため、四輪の往来に重点が置かれていて歩行者や自転車の往来に関して殆ど考慮されていない。工学部通りと同様、歩道は片側のみ付属する区間が殆どで、それも路肩の補強や側溝に蓋掛けした後の付け足しという貧相な造りである。

路線の途中に宇部高等学校があるため、登下校時には自転車通行が増える。歩道は既定の2m幅がなく自転車の通行は原則認められないのだが、車道に路側部がないため歩道内走行や右側通行が極めて多い。また、路線中には複数箇所に押しボタン式信号機が設置されていてリクエストに対して即座に応答する。自転車で押しボタンを操作して乗ったまま横断する不適切な使用例も目立つ。

車道の補修手法についてコストのかからないオーバーレイを繰り返したために車道部がかまぼこ状に盛り上がり、路側から側溝にかけて著しく低くなっている場所がある。自転車で走行中に停車したとき左脚が届かず危険な状況になっている。[b1]


また、自転車で開方面から風呂ヶ迫交差点を左折して本路線を沼方面へ向かう場合、下り坂の途中で自歩道が突然途切れる危険な場所が知られている。


自転車で実直に走れば間違いなくガードレールの内側に自歩道があると考えて内回りに左折する。下り坂の途中がこのようにフェンスとガードレールで塞がれているため、夜間ならブレーキが間に合わず激突するかも知れない。

本路線を横切るかまたは接続点となっている別の認定市道が多く、その殆どすべての箇所に押しボタン式信号機が設置されている。沿線に保育園や学校が多いため横断歩道の必要性は認識するが、設置されている信号機の数は如何にも過剰であり、見直しが必要である。[b2]特に起点に近い市道沼線横断部の押しボタン式信号機は工学部通りの沼三差路信号に連携せず横断リクエストに即応してしまうため、たった一人の横断者が渡り終えた後も信号が赤のままで車の流れを堰き止め、沼三差路が青なのに車が一台も捌けない現象が知られている。[b3]

工学部通りほどの交通量はないこと、両側に余剰地をもつ区間もあることから部分的な拡幅改良の余地はある。しかし沿線には既に民家などが詰まっているため、全線にわたって道路を拡幅することは不可能である。本路線は特に宇部高校の主要な自転車通学路の一つであるため、車の交通量の増大が明らかな昨今、交通制限や通学路の別途確保など適切な対処を行わなければいずれ重大事故が起きるのは必至である。
出典および編集追記:

b1. この箇所に関しては現地映像を添えて市道路河川管理課に報告済みである。宇部高校の自転車通学生がよく通る区間であり、対処が必要と考えているという回答があった。その後側溝と車道路側部の段差が酷い部分についてはアスファルト合材をねぶり付けて段差を緩やかにする補修が行われている。


もっとも車道と側溝との段差を緩和させただけで側溝が低い状態は解消できておらず、将来的にはコストをかけてでも路面を切削オーバーレイする以外ない。

b2. このような対面交通幅の道路に設置された押しボタン式信号機は、押して渡りっぱなしにするのではなく渡り終えた後にボタンを押して交通開放するか、旧来の挙手方式に戻すことを提案する。しかし後述のように既存の信号機の動作変更にすら消極的な公安の態度が明白なので実現は絶望的である。

b3. 同種の問題が起きている最も典型的な場所は山大病院通りと西梶返三差路の手前にある押しボタン式信号機である。本件については以下を参照。
《 Googleストリートビュー 》

本路線の沿線にある建物などの項目記述。
派生記事: 市道沼風呂ヶ迫線・横話
本路線の名称に現れる風呂ヶ迫という地名について。
派生記事: 風呂ヶ迫について
《 近年の変化 》
・2013年9月頃に本路線と市道沼線との交点、押しボタン式信号機のある西側区画を地上げしてその後ローソンが営業開始している。この場所は以前は恐らく周囲より低い田だったと思われる。本路線の終点寄りにあるセブンイレブンは数年前から営業していたので、いわゆる「ローソンの風上戦法」の実例を追加した形になっている。

・2014年に風呂ヶ迫市営住宅14棟下の空き地が整備されマンション(ファミールA〜C棟)が建っている。この場所は恐らく市建築課の管理地だったと思われる。ロープで区画を張り簡易駐車場として使われていた。

・2015年9月に営業終了した百菜屋上宇部店の店舗は、若松店とは異なり暫く看板を外した状態で放置されていた。2016年から建屋が改修され6月よりWants宇部沼店として営業開始している。

・2017年1月に本路線の起点寄り上り線側にあった洗車場が解体されてマンション2棟に建て替わっている。マンションのテナントは工学部通り沿いのカラオケ21跡地に建てたマンションと同一であり建設時期もほぼ同じであった。洗車場は去年かそれ以前に閉鎖されていた。
《 個人的関わり 》
恩田時代、野山時代はいずれもやや離れていて通行頻度は高くはなかったが、幼少期から幾らかの想い出が残っている。

注意以下には長文に及ぶ個人的関わりが記述されています。レイアウト保持のため既定で非表示にしています。お読みいただくには「閲覧する」ボタンを押してください。

現在では小羽山方面での業務を終えて引き続き旦の辻へ向かうときに通る程度である。道路幅が狭い割に交通量が多く危険なので自転車では通りたくない道なのだが、参宮通りへ抜ける道に乏しく代替となる道がない状態である。

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