真締川・火力発電所の排水口【1】

インデックスに戻る

現地踏査日:2015/2/21
記事公開日:2015/3/2
2月21日の日曜日、まだ確定申告の書類を作成していた時期だった。もうあと少しで仕上がり提出できる目鼻が立ったし、こんな良い天気なのに一日じゅうアジトに籠もっているなんて性に合わない。それで例によって午後から近場回りに出かけた。
もっと先で明らかになることだが、現在真締川関連の記事を作成している。そのため最近は真締川のうちでも後年掘り割って造られた新川区間を巡回しては写真を撮っている。この日も新川のうち特に場所を限定せずうろうろする予定だった。

塩田川ポンプ場付近から西岸側を眺めている。
総括記事でも掲載されているお馴染みの風景だ。


例の排水口がある護岸にも西日がよく当たっている。
ズームでも明瞭に撮影できた。


最初にカメラを構えた時点からふと思ったことがあった。
もしかすると護岸下に降りられるかも…
海の潮は充分に低い時間帯らしく、川は干上がっていないが例の排水口付近は堆積土も幾分乾いて見えた。それからこれは意外に大きな要素だが、護岸上のもじゃもじゃした雑木が一掃されていて近づきやすくなっていた。

護岸の伐採については、実は去年の秋口に気づいていた。
これは2015年10月の映像である。この頃、寿橋から下流側両岸に生えていた雑木が一斉に伐採された。


上の写真では東岸側に伐られた木々の根がまだ見えている。公園管理の樹木ではない野良樹(?)だったせいか移植されず伐採されている。痛々しくちょっと可哀想だがお陰で寿橋の写真が撮りやすくなった。このとき対岸側のもじゃもじゃしたのも合わせて刈り取られているのを知っていた。

春先から夏場にかけて排水口真上がジャングル状態になるのは、総括記事の最後に載せた写真からも分かるだろう。秋口以降は葉を落として枯れ木状態になるのだが、至る所トゲを隠し持った植物らしくまったく寄り付きならない状況だったのだ。

さっそく対岸側へ自転車を乗り付けた。
殆どの樹木が伐採され、うじゃうじゃ茂っていた雑木もすべて片付けられていた。


この状態ならフェンスを越えてコンクリート護岸の上へ到達するのはタダみたいなものだ。たかが藪漕ぎとは言ってもイバラ付きのだけは御免被りたい。

排水口付近でネットフェンスはクランク状に折れ曲がっている。そのクランク部分から護岸下を観察した。
古い石積みの破片やブロックの残骸などが護岸付近に散らばっている。あるいは足掛かりに使えるかも知れない。


この時点でまだ河床へ降りるかどうかは決めかねていた。しかし対岸からズームで撮るよりも護岸の真上からの方がより近くで撮れる。もっとも当然ながらアングルは制限されるが…
日曜日ながら公園や周囲の歩道を歩く人は殆どみられなかった。まあお行儀の良くない行為に変わりはないので一応は周囲に子どもの姿がないことを確認してフェンスを跨ぎ越した。

殆ど問題のない土の斜面である。それでも足を滑らせて護岸から落ちるなど笑い者なので慎重に降りた。


排水口の真上から撮影している。護岸から河床までの高低差は私の背丈に近い位だろうか。
この辺りの泥濘の状態は…眺めるだけではよく分からない。石ころが目立つがあれでも体重を支えきれず深くハマるかも知れない。


最初に目処を付けたあの場所を第一候補とはしたものの念のために護岸の天端上を寿橋の方へ歩いてみた。
もう少し安全に降りられる場所があるかも知れないからだ。


上流側は寿橋部分で護岸が途切れていて先へは進めない。また、周辺に降りられそうな場所はなかった。

それでもただでは引き返しはしない。
こんなアングルから寿橋の親柱を撮影するなど滅多に無い機会だ。青空に映えてなかなか良い感じである。
寿橋を総括記事化した折にはこの写真を追加する予定


この他に寿橋の下部構造も合わせて撮影したがそれらは今後寿橋について記事で追記したときに載せることとして…護岸より観察しながら引き返した。
天端幅が狭く慎重に歩かないと転落しそうだ。


四角い蓋の付いている排水口。
この正体は分からないが多分現役だろう。すぐ近くの公園内に降った雨水を流すためかも知れない。


平成期初頭あたりまでは生活排水も平気で川に流していたものだが、現在は雨水も特定の水路や管渠に導きポンプ場で処理する経路が殆どだろう。河川へ排出する水質の保持のためである。[1]

もう一つ…これは護岸からではなくその上の斜面から黒々としたフランジ管が突き出している。


ついでながら書いておけば、この管の正体はほぼ分かっている。すぐ近くの公園敷地下を通っている厚東川2期工業用水の排砂管だ。バルブの格納された鋳鉄蓋があるので確認できる。しかし…どんどん話が横道へ逸れてしまうのでこれはまた別のカテゴリで記述することとして…
工業用水はウォッチ対象なので一応こまめに写真は撮っている

あと一つ、対岸から眺めていたときから気になっていたものにも接近しておきたい。


護岸の上に載っている妙に整ったコンクリート塊である。
これも対岸からウォッチしていた早い時期から存在に気づいていた。


逆光を避けて反対側から撮影している。
2本ほど直方体状のコンクリートが護岸から突き出ている。


間近で観察したもののそれが何であるか、一体いつ頃設置されたものかの手がかりは得られなかった。
現在は概ね西の宮から真締大橋にかけて新川の両岸は市公園緑地課の管理する真締川公園となっている。それ以前は私有地だったので、新川に面して張り出している護岸材料以外のものは当時のものだろう。

さて、エラく引っ張ってきたがそろそろどうするか判断しなければなるまい。
護岸上と河床の高低差がもっとも小さい場所は、やはり最初に目を付けたここだった。


この場所だけ割と大きな石が何個か重なっている。自然にこうなるとは考えられないから、シジミ採りなどの目的で河床へ降りる人が人為的に積んだのだろう。


西日を受けて一部が乾いているとは言え飛び降りるなど論外だった。足がハマることはないにしても突き出た石が多く何処へ着地しようが足を痛める。何よりも上がってくることが出来ないかも知れない。

降りることは多分できる。しかし…リスクは大きい。積まれた瓦礫の上に足を載せて体重移動した途端ガラガラと崩れれば、まず泥の中に足を突っ込む。靴が残念なことになる上に下手をすれば足を挫くだろう。足元に積まれた石がしっかりしているかどうかだ。
どうする?
最終的に決断はしたのだが、自分の身体能力と相談が必要だった。

(「真締川・火力発電所の排水口【2】」へ続く)
出典および編集追記:

1. この辺りのところ実はよく理解していない。現在、来年度から始まる上下水道関連のモニターに応募しているところであり、現地視察や質問を介してこの方面の知見を充実させる積もりである。

ホームに戻る